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眼前に房総の「海」「空」「崖」が広がる、お茶とスイーツだけではないカフェ

その独特なロケーションで人気のカフェは、アイデア勝負で経営する

  • 瀬山 周一/GAKE 海と空しか見えない崖の上の小さなカフェ

眼前に房総の「海」「空」「崖」が広がる、お茶とスイーツだけではないカフェ_記事画像

「海のそばで、カフェやレストランを開業したい!」という夢をお持ちの起業者は、いつの時代も多いものです。最大の課題は、平日などのなかなか売上の見込めないタームが多いこと。
SNSなどで口コミが広がり人気のカフェ、千葉県いすみ市、太平洋に向かって絶壁が続くエリアに立地する「GAKE」さんは、どのように経営をされているのでしょうか?
オーナーの瀬山さんに、そのアイデアをうかがいました。

房総の「海」「空」が主役

ーーお店の目の前は大海原が広がり、"インスタ映え"という言葉がしっくりくる絶景ロケーションですね。こちらは複合形態のカフェということですが、どのような内容で展開されているのでしょうか。

たしかに店をインスタにアップしてくださる方も多いです(笑)。カフェ以外には店内で古本・古道具を販売するほか、撮影用にロケーションを貸し出しています。それと現在はお休みしていますが、1日1組限定の貸別荘もやっています。

房総の「海」「空」が主役

カフェの前が「崖」だから「カフェ崖」(笑)

ーーここ房総でカフェを始めたきっかけについて教えてください。

会社員時代から古本やアンティークを扱う店をいつかやりたいな、と考えていたんです。勤め先に早期退職制度があったものですから、それを利用して開業準備を始めました。貯金や退職金があったので借り入れせず、老舗食器屋さんが所有していた別荘と保養所だった2棟を購入しました。2011年のことですね。当初、カフェはやるつもりはなかったんですよ。

ーーそうなんですか?!では、なぜカフェをやろうと?

お茶が飲めるスペースがあれば人も集まりやすいかな、と思ってはじめたんです。週末やゴールデンウィークなどのハイシーズンだと1日で200人以上のお客様が来られることもありますが、メニューはケーキと飲み物だけなので、少ないスタッフでも何とかまわせます。店内の本やアンティークはすべて売り物ですので、欲しいという方がいればお譲りしています。結構、面白いモノもあって1964年の東京オリンピックで使われた聖火トーチなんかもありますよ。
開業当時は今ほどSNSが全盛ではなくて、宣伝のためにブログとツイッターをやる程度。千葉・房総は海に面した立地ですが、海を前にしたカフェはそう多くはなかったこともあり、ロケーションの珍しさも手伝って取材オファーがくるようになったんです。そこから店を知ってくれる方が増えていった状況ですね。

結果として複合カフェに。でも、房総のような観光地で店をやるなら、こういう業態が自然だと思う。

ーーロケーションの貸し出しビジネスも後から始めたものですか?

そうです。各種媒体に店が掲載されたことがきっかけで、撮影に使いたいというオファーもくるようになりました。これまでにCMや映画、アーティストのプロモーションビデオの撮影に使っていただいています。

結果として複合カフェに。でも、房総のような観光地で店をやるなら、こういう業態が自然だと思う。

ーー最初から海に面した物件を探していたのでしょうか?

海にはこだわってはいませんでしたよ。東京でも物件を探していましたし。ただ、人生の中で一度は海辺に住んでみたい願望があったんです。ご縁があって出会った物件ですが、今探してもなかなかこのレベルはそう見つからないでしょうね。この辺りは元々は別荘地なのですが、いすみ市に隣接する一宮町で東京オリンピックのサーフィン競技も開催されるんですよ。店にいらっしゃるのは県外からの観光客がほとんどなので、店の宣伝はとても重要ですが、お金を掛けずとも媒体に掲載してもらうことが多かったので、それが自然と宣伝に繋がっています。このロケーションを選んでよかったと思えるひとつですね。

眼前に房総の「海」「空」「崖」が広がる、お茶とスイーツだけではないカフェ_記事画像5

ーー瀬山さんのように海の近くでカフェなどをやりたいという人は多いでしょうね。

そういった相談もよく受けます。僕としてはいすみ市に食事が出来るお店が増えるのは個人的にも嬉しいです。この辺りで商売をやりたいという人には大変だよと言っています(笑)。以前は食事メニューも出していたけど、まず仕込みが大変ですしね。海の近くだと自動車なんかはすぐに錆びてしまうし、家や庭のメンテナンスも手がかかります。平日の集客はそんなに見込めませんし、営業が天候に左右されることも多々あります。幸いにもロケーションビジネスが動き出してきたので、複合形態カフェとして当面は継続させたいと思っています。

眼前に房総の「海」「空」「崖」が広がる、お茶とスイーツだけではないカフェ_記事画像6

ブランドして「GAKE(カフェ崖)」を広めていきたい!

ーー「GAKE(カフェ崖)」の今後はどのようにお考えですか?

おかげ様で店の知名度も上がってきたので、次の展開として「GAKE(カフェ崖)」ブランドを広めていきたいんです。その一環として、店のメニューであるガトーショコラのテイクアウト・通信販売を始める予定です。
今までは「海と空しか見えないカフェ」とうたっていたのですが、これからはロケーションスタジオカフェとして、その打ち出しを強くすることも考えています。来年以降、この場所で平日はロケーションスタジオ、週末はカフェという2つの柱で営業をしっかり行っていければと。ここは制作に没頭できるような環境でもあるので、貸し別荘はアトリエスタジオとして使っていただけるようにしていきたいですね。

ブランドして「GAKE(カフェ崖)」を広めていきたい!

瀬山 周一

瀬山 周一

山口県出身。東京・神田の古本街に足しげく通うようになったことで古い本や骨董品の面白さに開眼。会社員を経て、2012年4月に複合形態カフェ「GAKE」をオープン。

GAKE 海と空しか見えない崖の上の小さなカフェ

GAKE 海と空しか見えない崖の上の小さなカフェhttp://ameblo.jp/selecthousegake/
千葉県いすみ市岬町和泉2404-21

海と空を望める崖の上に立つ複合形態カフェ。古本・古道具販売/買取・絶景ロケーションを活かした宿泊、各種ロケーションレンタルを展開中。店内に展示されている古本やアンティークは国内外から集められたもので、その場で購入可能。

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