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埼玉・川島町。郊外の国道脇で行列を作る人気ラーメン店、四つ葉の秘密とは?
デザインの仕事とラーメン作りはよく似ている。ひとつの作品にどれだけの思いを込められるかが、成功するか否かを決める。
- 岩本 和人/中華そば 四つ葉
東京都内から埼玉県川越市を経て、群馬藤岡、信州佐久へと続く国道254号線。多くの車やトラックが行き交う幹線道路から少し入った場所に、「中華そば 四つ葉」は店を構える。川越市内から北に6キロ。車やバスでの利用が前提の立地だ。田んぼに囲まれた「宝船」という昭和の佇まいの寿司割烹。その入口の横を見ると、「四つ葉」の文字を掲げたもうひとつの入口がある。これだけ目立たない場所にありながら、週末ともなれば長蛇の行列ができる。人気の秘密はどこにあるのだろうか。店主の岩本和人さんにお話を伺った。
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>>ラーメン店を始める前に知っておきたい4つのポイントラーメンの道へと導いたのはJリーグ・浦和レッズ?
ーー岩本さんがラーメン店主を目指したきっかけは何でしたか?
もともとデザインの専門学校に行って、デザインの仕事を目指していたんです。ところが、サッカー観戦に夢中になって、浦和レッズのサポーターとして全国を回り、海外にも行きました。その中で試合がある先々でいろんなラーメンを食べて、「地方によってこんなに味が違うんだ」って気がつき「これは面白い!」と。それで、23歳の時にラーメン屋で働き始めて、結婚して子どもが産まれるタイミングで独立をしました。
実家がお寿司屋さんだったので、料理をやりたいという思いはどこか頭の片隅にありましたが、何しろ、寿司が苦手だったので(笑)。寿司屋を継ぐということは考えていませんでしたが、父親が仕事をしている背中をずっと見てきたので、その姿には憧れていましたね。
ーーデザインの道はキッパリ諦めたのですか?
デザインのほうは、勉強をしていくうちに、「自分にはちょっと違うのかな?」って思ったんです。ただ、そこで学んだことはすごく生きています。ひとつの物事をとことん追求する、突き詰めるというところは、ラーメンもデザインも同じなんです。一杯のラーメンにどれだけ思いを込められるか、という部分ですごくいい勉強になりました。埼玉県比企郡川島町。この場所にラーメン店・四つ葉を開いた理由
ーー市街地を選ばず、郊外のロードサイドで開業したのは、勝算があってのことだったのでしょうか?
生まれた場所、育った街で、まずは地元の人に食べてもらって、喜んでもらいたいという思いがありました。ただ、こういう立地なので、「味が本当に美味しくないと来てくれない」ということは覚悟していました。だからこそ、味には徹底的にこだわりました。ラーメンにはまぐり。名店・四つ葉のスープの秘密
ーー味作りのコンセプトについて教えてください
「素材の味をシンプルに出す」ということにこだわりました。メニューは醤油の「四つ葉そば」と「煮干しそば」、淡口醤油の「蛤(はまぐり)そば」が基本の3メニューなんですが、「四つ葉」は生の醤油と鶏のスープ、「蛤」ははまぐりと昆布のスープ、「煮干し」は煮干しと昆布のスープという感じで、それぞれの個性を出しつつ、シンプルに作ることにこだわりました。ーーなぜ、「はまぐり」なのでしょうか?
寿司屋が隣にあるからこその「目玉」はできないか、と考えていた時に、お吸い物で使っているあさりとはまぐりのダシで、ラーメンを試作してみたんです。そしたら、それがすごく美味しくて。あさりもよかったのですが、はまぐりの方が美味しかったので、「これもやろう!」と即決しました。ラーメン業界はどんどん美味しい店ができる。だから立ち止まってはいられない
ーー開業前に大変だったことは何でしたか?
食材の調達ですね。いい食材を使いたいと思っていたので、ネットで調べて電話をしまくったのですが、断られて。開店の1週間前になっても業者が全部決まらないという状態でした。食材にこだわった分、手探りで調べないといけない部分が多くて。ーー行列店になった転機は、何だったと思われますか?
都内などのほかのラーメン屋さんと仲良くなって、情報交換するようになったことだと思います。そうすると、もっと上を目指している人ばかりなので、「これぐらいでもういいや」って気持ちにはならないんです。この業界は、どんどん新しい美味しいお店ができますから、立ち止まっていられないんですよ。日々成長していかないと、お客さんは離れていく。だから僕も、毎日必死です。ーー最後に、これから開業したいという方にアドバイスをお願いします
自分が「これを作りたい」というものを、しっかりと持つことです。そしてそれをなぜ作れているのかということを考えて、携わっている生産者さん、運んでくれる方々への思いも一緒に乗せて、「みんなに支えられている」という気持ちを持って、味を徹底的に突き詰めていくことです。
そうすればお客さんも喜んでくれますし、自分たちも「もっともっと喜ばせたい」と思うようになります。そういうサイクルになれば、絶対に成功すると思いますよ!岩本 和人
埼玉県比企郡川島町出身。店舗隣の寿司店は父母が営んでおり、自身が生まれ育った実家でもある。デザイン系の専門学校で学んだのちラーメンの道へ。結婚を機に独立を決意し、2015年、35歳の時に「中華そば 四つ葉」を開店。真面目にまっすぐに、ひとつのものごとを徹底的に突き詰める性格で、今でもラーメンの改良を日々続けている。熱心な浦和レッズファンでもあり、かつては年間の全試合を追いかけて観戦した時代もあったほど。店を持った今は観戦もままならないが、「試合の結果が気になってしょうがない」とか。
中華そば 四つ葉https://twitter.com/yotuba428428
埼玉県比企郡川島町伊草298-20国道254線の脇にある中華そば専門店。隣の寿司店とは店内で接続されており、混雑時には寿司店の小上がりに通されることもある。ラーメンのサイドメニューに「本日の握り」など、本格的な寿司があるのも珍しい。寿司店を主に利用して、宴会の〆に中華そばという利用も可能。醤油味の「四つ葉そば」のほか、塩味の「蛤(はまぐり)そば」、醤油味の「煮干しそば」をレギュラーメニューとする。その他、気まぐれで創作的なラーメンも提供することがある。週末には遠方から熱心なラーメンファンも多く訪れ、長い行列を成す人気店だが、平日は地元の常連客がほとんどを占めるという、地元密着型の店である。
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