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男性ネイリストが目指す、全国47都道府県への出店

低価格路線で間口を広げる。ネイル人口の底上げは地方がキーとなる

  • 田中 和彦/NAILSALON MARCH(ネイルサロンマーチ)

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全国7都道府県に13店舗を出店する人気のネイルサロン・マーチ。そのマーチの社長代行を務め、ネイリストとしても活躍する田中和彦さんにインタビュー。多店舗展開をする理由やそのきっかけなどをお聞きしました。

ツートップ経営のネイルサロンマーチ。長く続ける鍵は陰と陽の関係?

ーー田中さんは経営者としてだけでなく、現場ネイリストとしても活躍していますが、そもそも男性ネイリストって珍しいですよね。
そうですね。男性はネイリスト人口の約1割にも満たないようです。私がネイリストになったのは、細かい作業が好きだったのがまずひとつ。そしてスカルプという長いネイルを初めて見た時に、それがどうやって作られているのかに興味を持ったからです。そんな訳でネイルの学校に通って仕事にしようと決めました。今から12年くらい前ですが、今よりももっと男性は少なかったので、それが逆に起業のチャンスだと思いました。

ツートップ経営のネイルサロンマーチ。長く続ける鍵は陰と陽の関係?

ーー現社長とおふたりで起業されたとお伺いしましたが、ツートップ経営を長く続けるコツは何ですか?
開業当時から私は社長代行という肩書きです。私にはトップになるという意識はなく、最強の二番手でいいと思っています。逆に社長はトップでやるという意識が明確にあった。関係は横並びではなくて、上下がちゃんとついているんです。そもそも私と社長は陰と陽で、性格が正反対なんです。だからこそお互いに足りないところをうまく補い合える。ちなみに私が陰です(笑)。
共同経営は信頼関係を築けていないと継続は難しいです。例えば金銭的な面でこじれるとあっという間に綻んでしまいます。

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目標は、7年以内に47都道府県制覇!全国にネイルサロンマーチを

ーーマーチは47都道府県にネイルサロンを出店するという目標を掲げていますが、その理由について教えてください。
「ネイル業界の活性化」というのが一番の目的です。うちは低価格路線を歩んでいますが、それは初めての方でも入りやすい環境を作って間口を広めたいからです。気軽にネイルを楽しんでもらい、ネイルの素晴らしさを広めていきたいという想いがあります。それにはまず地方なんです。
地方に目を向けると、そもそもネイルができるお店も少ないので、ネイル未経験という方の割合が都市部に比べてさらに多くなります。この現状を逆手にとってまず地方を盛り上げて、そこからネイル業界全体が活性化していければいいなって。つまりネイル人口の底上げをしたいんです。

ーーその目標を決めたきっかけは?
地方にはじめて出店したのは2013年、山梨の甲府店なんですけど、きっかけはひとりのスタッフだったんです。そのスタッフがどうしても地元の山梨に帰らなければいけなくなったのですが、うちの会社もネイルの仕事も好きで続けたいという話になって。それならと、会社がその夢を後押しするかたちで山梨に出店しました。その後も地元で出店したいという夢を持つスタッフがいれば、会社がバックアップしていきたいと考え、「47都道府県に進出する」という目標を決めました。現在は大阪、東京、徳島、沖縄などに13の店舗を出していますが、7年以内には47都道府県を制覇したいです。

ーーあと7年で40都道府県への出店ということは、短期間の多店舗展開になりますね。これは起業当初から描いていたプランだったのでしょうか?
最初は勢いだけでしたね。ただ、仮に会社の業績が右肩下がりになってしまうと、新規出店のハードルも高くなります。だからこそ、会社が元気なうちにポンポン出していっています。何より守りに入ってしまうと動くのも難しくなる。

ーーただ、それだけのスピード感で出店が続くと、開業資金など負担にはなりませんか?
実は、ネイルサロンは内装をきれいにしたいなどと見栄を張らなければ、店舗を借りる費用以外は大きな負担はかかりません。机とイス、最低限のカラーさえあれば、すぐに出せるんです。私たちも1号店は本当にボロい家で、「幽霊がでるんちゃうかな」っていうくらいのところでした(笑)。なので多店舗展開になっても、比較的少ない開業資金で済むんです。

ネイルサロンマーチ新規出店の際に心がけているふたつのこととは?

ーー出店準備で重要視されていることは?
新規出店に関して心がけていることは、家賃を抑えることと、人の流れを見ることです。出店したい街を一日中散策してみて、駅から歩いて10分以内の場所を探すんです。そして候補の場所にしばらく座って、人の行き来を観察します。人が通らないところに出店しても意味がありませんから。あとは光ですね。新店舗を開く際は、自然光が入るような店づくりをしています。店内も雰囲気も明るくなりますし、ネイルの発色がよく見えるので。

ーーこれから起業される方に向けてアドバイスをお願いします。
人を雇う立場になるのであれば、自己犠牲を払い続けるということですかね。経営者はスタッフの生活を守らないといけない。結婚や出産など、スタッフの生活が変化してサポートが必要になったとき、自分が責任を持って犠牲になるという覚悟を持たなければ続けられません。人を雇うようなビジネススタイルならば、自分のことは後回しかなと思います。

田中 和彦

田中 和彦

1986年生まれ。滋賀県県出身。専門学校を卒業後2008年、ネイルサロンMARCHの経営に加わる。現在は社長代行として新規出店を担当し、東京と大阪を拠点にネイリストとしても活躍している。

NAILSALON MARCH(ネイルサロンマーチ)

NAILSALON MARCH(ネイルサロンマーチ)http://www.nailsalon-march.com/

2980円からという破格の値段設定(紹介の場合、980円)でネイル人口を開拓。2007年、1号店となる大阪心斎橋店を皮切りに2010年に東京へ進出し、現在までに全国7都道府県に13店舗を出店。目指すは47都道府県を制覇すること。

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