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「極論を言えば、サロンは新規客は集めなくていい」その真意とは?

独立・開業を考えるのであれば、サロンワークを超えた高単価の事業展開を考えるべき

  • 金井 豊/RITZ

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競争が激しい美容業界で生き残るために必要なこととは?

ーー今、美容室の数はコンビニや歯科医院よりも多いと言われています。競争が厳しい時代、これから独立・開業を目指す人にとって大切なことはどんなことだとお考えでしょうか?

美容室は全国に23万件あると言われていて、年間8千もの店舗が閉店し、1万店舗ができているという業界です。恐らくこの流れは変わらないでしょう。ただ、その多くはひとりでやっているような小規模なサロンですが、規模の大きさは問わず、エッジの効いたコンセプトが必要だと考えています。

競争が激しい美容業界で生き残るために必要なこととは?

成功の鍵を握る“サロンワークを超えた、高単価な事業展開”とは?

ーー飽和状態にある美容業界で、開業し成功するには?
時代は少子化ですし、2006年をピークに美容師になりたい人の数は右肩下がり。大きいサロンを作ってもスタッフが集まらないんです。常に人手不足なんですよね。これはすべての業種に通じる問題だと思います。どんなに頑張っても人は集まらないし、無理に策を練っても無駄なので、だったらサロンワークを超えた、高単価な事業展開を考えていくことも大切でしょう。

ーーつまり、髪の毛を切るだけでなく、何か新しいサービスや事業展開を考えた方がよい?
収入の柱は増やした方がよいと思います。そもそも美容業界はマーケットで考えると大きいので、例えばですが、美容グッズの通販ビジネスや美容師向けの教則本、DVD販売など、考え方ひとつでビジネスは広がるもの。
収入の柱が美容室経営だけだと厳しいものがあります。本来このビジネスは家賃、人件費、材料費、広告宣伝費といった経費がかかりますし、利益率が低いからです。利益率の高いビジネスも用意しておいて、その中に美容室経営もあるという形が望ましいですね。いきなりは難しいとは思いますが、それ位の気持ちでやったほうがいい。

ただ独立するのは50年前からのレールに乗っているだけ。 こんな時代だからこそ出来ることがある

ーー競争が激化する業界だからこそ、独立も慎重に考え
るべきでしょうか?
まず独立を考える前に、今の自分がちゃんと売上を立てて、ポジショニングやブランディングできているかをよく考えてみてください。月の売り上げが100万円もいってないのに、独立を考えるのはおかしいです。仮に独立したところで、儲けも出ないし厳しいでしょう。
美容師として成功するレールとは何か?簡単に言えば、いいサロンに入って売上げを上げて、お客様を増やし独立するということです。ただし、これは50年前からあり、最近の人はそれに乗っているだけで、独立することは新しいことではありません。こんな時代だからこそ、独立を夢見ているなら、世界を目指すのも選択肢のひとつとして考えてもいいですよね。美容師はハサミ1本で場所を問わずできる仕事ですから。
もっと言えば、独立したらポジショニングもブランディングも難しい。そうすると集客サイトなどに頼るしかないんですが、このようなサイトはリターン率が悪いんです

ただ独立するのは50年前からのレールに乗っているだけ。 こんな時代だからこそ出来ることがある

ーー確かに、今は集客サイトに頼るサロンも多いですね。
昔であれば、有名な雑誌に掲載されることが集客につながりましたが、今はそうではありません。サイトは便利で手っ取り早いかもしれませんが、如何せんリピート率が低いし、短期間で飽きられます。では、どうすればよいのかというと、自分のお客様からの紹介に力を入れるというのもひとつの手段。売上=客数×客単価×リピート率。客数を単に上げるということではなく、客数を新規とする考え方です。
逆にネットを上手く活用するなら、自分のメディアを持つことでしょう。インスタグラムやブログ、ツイッター、フェイスブックなど、さまざまなツールがありますが、ただ漫然とやるのではなく、流れを作らないといけません。例えばツイッターから最終的にメルマガの会員募集ページに誘導を落とし込むなど、戦略的に考えて発信しないと、SNSの本領を発揮できませんからね。
新しいお客様を集めるのは難しい。極論を言えば、集めなくていいんです。じゃあ、何をすべきかというと、高単価のビジネスモデルを導入すること。これから独立して自分のサロンを持ちたいのであれば、カットだけでなくプラスアルファでやっていかないといけない時代であるということを強く意識してください。

金井 豊

1963年生まれ。都内サロンでの経験を経て、1992年にRITZサロンをオープン。90年代の美容ブームで「カリスマ美容師」として脚光を浴び、ブーム終結後にはいち早く「経営」と「人材育成」に目覚め、現在、美容業界のオピニオンリーダーとして常に注目を集めている。著書に『すべては記憶に残るサービスのために』(フォレスト出版)などがある。

RITZhttp://www.ritz-salons.com/
東京都渋谷区代官山町16-5 アドレスガーデン代官山2F

誰もが憧れる麗しい女性らしさに加え、グラマラスで美しいワンランク上のデザインを提供している「RITZ(リッツ)」。代官山駅から歩いてほど近い、閑静な街並みに佇むサロンは、訪れたゲストを癒し、ゆったりとした空間とサービスを用意している。

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