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安くて美味しいお肉を。ステーキ店モンスターグリルの経営のこだわり
安かろう不味かろうではダメ。看板を見て来てくれたお客様をがっかりさせたくない
- 宮原昭博/モンスターグリル 恵比寿店
東京都内に3店舗を展開するステーキ店、モンスターグリル。高級なイメージがあるステーキですが、「安くて美味しいお肉が食べられるお店」として、現在人気を博しています。
販促には思考を凝らし、ひと際目立つ看板や、メニューを紹介するキャッチフレーズにはひとひねり加えた、言葉遊びがありました。
人気ステーキ店の集客方法の秘密を恵比寿店の店長を務める、宮原昭博さんにお聞きしました。「毎日でも食べにいきたいステーキ店」がモンスターグリルのコンセプト
――モンスターグリルのコンセプトについて教えてください。
アメリカンテイストの店内でワインと一緒にステーキやワインを気軽に楽しんで頂く、ダイナースタイルのレストランで、2014年に1号店となる五反田店のオープンを皮切りに現在までに恵比寿店、上野店の3店舗を展開しています。ステーキと聞くと、値段も高いし構えてしまうという方は少なくないと思うのですが、モンスターグリルでは毎日でも食べに来ていただけるようリーズナブルな価格設定をさせていただいています。展開の仕方は店長しだい!店舗によってそれぞれの個性を出すステーキ店
――店舗は3つあるそうですが、戦略・差別化は個別にされているのでしょうか。
店をどう展開するかはそれぞれの店長に任されています。僕は恵比寿店に来る前、五反田店にいたのですが、ファミリーや会社員の方が多い店舗でした。特に家族連れのお客様にはお子様に喜んでいただけるようなサービスを心がけていましたね。上野店は地域密着型の店舗として街のイベントに積極的に参加するなどしていると聞いています。現在、僕が店長を務める恵比寿店ですが、トレンド性が高く、若い世代のお客様、女性も多い街なのでイケてる店を目指しています(笑)。――恵比寿店を切り盛りするにあたり、どんなことを心がけていますか?
お客様との距離感を大切にしています。ささっと来て食べて帰るだけの店にはしたくなくて、すべてにおいて満足して帰っていただけるようなサービスを心がけています。お客様との会話や、お待たせすることなく、スピーディーに料理をお出しするといったこと。また、たくさん食べたくても「大盛で!」と注文するのはちょっと恥ずかしいと思う女性のお客様もいらっしゃるかもしれません。だから注文を取る時は「ライスは大盛にしますか?」ではなく、「もう少し量を増やすこともできますよ」とお伝えしています。その方が心理的なハードルも下がり、オーダーしやすいんです。些細なことですが、心おきなくうちの料理を楽しんでいただきたいですしね。地下1階に、女性は入りづらいステーキ店…。お客様が増えたきっかけは看板にあり?
――それは嬉しい心遣いですね。開店当時から女性客は多かったのでしょうか。
いや、少なかったです。でも最近はおひとりで来店いただける方が増えました。店舗は地下1階に位置しているので目立ちにくいし、オープン当初は集客に苦戦しました。地下の店はそもそも入りづらいですから。店をアピールするために僕は外看板に注力しているんです。正確に言うと、やれることが看板しかなかった。実は女性のお客様が増えたきっかけは看板にあったんです。――女性客増加の一因が看板にあったとは、とても興味深いです。
看板を見た方が「これはどういうことだろう?」と興味をもってもらえるような文章を書くことを心がけています。ステーキだからカロリーも高いという先入観を打ち破るためにも、「ヘルシー」「ダイエット赤身肉」といった言葉を看板に書くことで、関心を持たれる女性のお客様が多いんです。例えば「ダイエット肉を食べて痩せよう」ではなくて「痩せるためにダイエット肉を食べよう」と書くことで、どういうことなんだろうと興味を持ってもらえるんです。ちょっとひねるというか、違和感をあえて出す。奇をてらうのではなく、遊び心も大切だと考えています。
普段から他のお店の外看板を注意深く見ていますが、とても勉強になります。目がつく看板は擬音が入っているなとか(笑)。でも本当に言葉ひとつで集客は全然違うと思います。裏道にある店でも看板に書かれている言葉が良いと、吸い寄せられるように入っちゃいますしね。看板はいかに道行く人の目に留まるかが大切。「肉汁」、「ジュワッ」とか思わずステーキが食べたくなるような、シズル感あふれるような言葉を使うようにしています(笑)。――モンスターグリルは非常にハイパフォーマンスなメニューラインナップですが、どのように開発を?
本部にメニューを考える専門部隊がいるんですが、現場の僕らが提案したものがメニューになることもあります。そもそもメインがステーキなのでメニュー数はそんなに出せないということもありますが、バリエーションを付けるとしたらソースの種類だったり、サラダの種類。最近だと新メニューとして人気のパクチーを使ったサラダを加えましたが、世の中のトレンドに合わせてメニューを考えることも多いですね。ステーキ店、モンスターグリルの強みは「美味しいものを安く提供する」を徹底していること
――ステーキ専門店が増える中で、モンスターグリルとしての強みはどんな部分にあると思われますか?
安かろう不味かろうでは絶対にダメだと思うんです。看板を見てうちに来てくれたお客様をがっかりさせたくない。安くてもこんなに美味しいお肉を食べられるんだと思っていただけるためにも、どんな手間も惜しみません。提供しているハンバーグも、成型されたものを仕入れて店で焼くだけの調理法ではなくて、肉を捏ねるところからはじめて5時間かけてソテーした玉ねぎを混ぜて成型して焼いたり、意外と手間がかかっているんです(笑)。だから鉄板は熱々なのに、肝心のハンバーグ熱くないとか、焦げたまま出すといったことは絶対にしたくない。終日、生中を200円で提供しているのですが、安くてもクオリティーにこだわりたかったので、冷やしたグラスで出すといったサービスはさせていいただいています。どんなに小さな積み重ねでもそれが店の信頼に繋がりますし、美味しいものを安く提供するためにも徹底しています。――恵比寿にオープンして2年ですが、今後目指す店づくりについて教えてください。
「恵比寿といえばモンスターグリル」と言われるくらい、この街で一番有名なお店にしたいです。飲食店が多い街ですが、リーズナブルだからこそワインも肉も堪能できる。おひとり様でも団体様でも夜はゆったり食事を楽しめる店ということをもっと打ち出していきたいですね。僕自身、店長になって2ヵ月目ですが、少しずつ結果がついてきているなと実感しています。この先、息詰まることがあるかもしれないけど、手を貸してくれる上司や仲間がいるのでとても心強く思っています。宮原昭博
1986年生まれ。長野県出身。飲食店勤務を経て2015年にモンスターグリルを展開する株式会社レヴェラ入社。五反田店に配属され店長を務めた後、2017年9月より恵比寿店の店長を務める。
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