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横丁とはどんなところ?広い世代が通いたくなる横丁の特徴を紹介

横丁とはどんなところ?広い世代が通いたくなる横丁の特徴を紹介

昔ながらの商店街のように、小さな飲食店がエリア内にひしめき合うように立っている「横丁」。
ここ数年、外食業界ではそんな横丁がブームになっています。それまでは主に中年の男性客でにぎわっていたこうした酒場に、若い世代、特に女性や外国人の姿が多く見られるようになりました。

飲食店にとって出店先は、経営戦略上、最も重要なポイントの一つです。これから開業を考えているのなら、ぜひ横丁を選択肢に加えてみませんか? その魅力、メリットを探っていきましょう。

横丁の歴史

横丁の前身は戦後の物不足に対処するために立った「闇市」です。東京の新宿、池袋、渋谷、新橋、神田、上野などの主要駅周辺に開かれ、その後、撤去や移転を余儀なくされたものの、一部は上野の「アメ横」のような露天商街、そして新宿の「想い出横丁」のような飲み屋街として形を変えながら存続していくことになります。

おじさん”が集う場所から”若者”も集う場所へ

飲み屋街としての横丁は、一人で入るのは少々勇気がいるようなディープな場所でした。
しかし、戦後から残り続けてきた新宿の「ゴールデン街」や渋谷の「のんべい横丁」などは、「古き良き日本が体感できる」と外国人観光客の注目を集め、SNS映えする独特の雰囲気に惹かれる若い世代が訪れる人気スポットとして、少しずつ変化を遂げてきました。

なかでも大きな転機となったのが、2008年に東京・恵比寿にオープンした「恵比寿横丁」。シャッター街と化していた駅近くの公設市場跡地が再生され、横丁ブームに新しい流れが加わったのです。

これを機に、「有楽町産直飲食街 ぶんか横丁」「横浜西口一番街」など、昭和の面影を残しつつ、新しい感覚を取り入れた“ネオ横丁”が東京を中心に続々と登場することになります。

横丁の特徴とは?ずばり「密」

さて、そんな横丁ですが、ほかの店舗とは何が違うのか。整理してみましょう。

1店舗当たりの坪数が少ない

先述の恵比寿横丁を例にとると、1店舗が最小で1坪、最大でも6坪しかありません。カウンター席に客が5人入ればもういっぱい、ということも珍しくありませんし、店の一角や通路などで、席が空くのを待ちながらスタンディングで飲んでいる客の姿も見受けられます。

壁を感じない

各店舗の入り口には扉や仕切りがないところが多く、通路から中の様子がよく見えます。他店からの出前や酒の持ち込みをオッケーにしている店もあり、一般的な店舗にはない、自由度が高いオープンなスペースになっています。

客席の距離が近い

カウンター席と壁の距離が狭い店、満席のときに詰め合って座るような長椅子を置いている店が多く見られます。いずれも客は入店する際、先に座っている人に一声かける必要があり、自然と客同士の交流が生まれるような造りになっています。カウンター越しに店員と話すこともできますし、店員が知らない客同士を会話させるようにうまく誘導することもあります。店が狭いことが功を奏して、人と人とのコミュニケーションが促進されています。

ここは行くべき! 東京の横丁を紹介!

それでは、いわゆる“ネオ横丁”と呼ばれている、比較的新しい東京の横丁をチェックしてみましょう。

出会いのスポット「恵比寿横丁」

ネオ横丁といえば、まず訪れたいのがこの横丁。入口の引き戸を開けると、狭い通路の両脇に牛タン居酒屋からきのこ専門店まで、20店舗地近くがひしめき合うように軒を連ねています。オープンな雰囲気で、初心者でも戸惑うことはありません。カウンター席で知らない人と隣の席になって話が弾むことも珍しくないため、出会いのスポットとしても知られています。

食だけじゃない、多彩なエンターテイメントを繰り広げる「渋谷横丁」

2020年8月、渋谷駅前に新しくできたファッションビル「MIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)」の1階にオープンした横丁。19店舗のご当地グルメに加え、流しのギター、マジシャンなどテーブルパフォーマンス、音楽・ダンス・スポーツ・フード・アニメなど、イベントの企画も充実しています。近くにある昔ながらの「のんべい横丁」に興味があるものの、なかなか足を踏み入れられずにいた若者や女性たちが集まっているようです。

商業立地としての認知を図った「虎ノ門横丁」

2020年6月、「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」の3階にオープン。焼き鳥で初のミシュラン星を獲得した「バードランド」ほか、これまで多店舗展開をしてこなかった東京中の名店26店舗が集うハイセンスな横丁です。

手荷物を預けられるロッカーがあり、ちょい飲みができる「角打ち」で軽くひっかけながら店探しをすることもできます。

LINEを使ってテイクアウト用の「モバイルオーダー」をしたり、「順番待ち」ができたりするなど、これまでにない新しいシステムを導入しているのが特徴。平日は近辺のビジネスマンが中心ですが、週末には家族で昼飲みを楽しむ人も増えています。

古風でお洒落なお店が軒を連ねる「ほぼ新宿のれん街」

2017年3月に登場した「ほぼ新宿のれん街」は、代々木駅徒歩1分、新宿駅・北参道駅からも徒歩5分という場所に、元々あった古民家を7棟丸ごとリノベーションして造られた横丁です。シャンパンと餃子のバル「泡包 シャンパンマニア」など、個性豊かな飲食店が10店、集結しています。いずれも和モダンな内装で、どこかなつかしい、温かみのある雰囲気が漂っています。

横丁での店舗開業は開業初心者にとってハードルが低いから狙い目!

初めて開業するときには、客層やピーク時間、客単価、どんなメニューがウケているのか、売上がどのくらい見込めるかなど、なかなかわからないことが多いものです。

でも、横丁なら店舗間の敷居が低く、そうした情報を直接自分の目で確かめたり、他店の経営者から話を聞いたりして収集することができます。

坪数も小さいので、少人数で回せることも魅力でしょう。また、公式サイトなど、横丁としてのプロモーション・ツールがすでに確立されていますし、全体でイベントを行ったり、もともと横丁自体についている常連さんがいたりするので、集客に対する不安が軽減されます。
まさに開業初心者にうってつけの業態と言えるでしょう。

心のよりどころ”になっている横丁、今後もブームは続くのか?

そんな魅力的な横丁も、ほかの飲食店同様、コロナ禍で打撃を受けたことは間違いありません。
実際にいくつかのネオ横丁は、昨年から店舗の閉店が相次いで、横丁として機能していないところも見受けられます。

しかし、一見して「密」のイメージがあるものの、店舗の扉や壁がない、テラス席が多いなど、実は換気は良好で、おひとりさまの客も多いという特徴があることから、時短要請の状況下でも勢いは衰えていません。

店員と顧客、顧客同士、店員同士の距離感が近いので、人と人とのコミュニケーションが希薄になっているコロナ禍で、まさに人々の「心のよりどころ」のような存在になっています。

コロナが終息すればまた、観光スポットとしての需要も増えることでしょう。受動喫煙の防止や道路使用に関して警察や行政による必要以上の規制強化が入るかもしれないという懸念の声も聞こえますが、この危機を乗り切ったときに、ブームは文化として根付いていくことになるかもしれません。
ぜひ注目していきたいところです。

この記事の監修

株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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