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「マッサージ店を開くって、どんな準備が必要なんだろう?」「 儲かるコツってあるの? 」マッサージ店の開業を検討している方は、こんな疑問を持っているかもしれません。マッサージ店の開業は思った以上に奥が深く、資格の種類によって初期費用が変動するケースもあります。
本記事では、マッサージ店の開業に必要な資格や手続きから、失敗しないためのポイントまで紹介します。読めばマッサージ店開業の夢に近づくことができるかもしれません。目次
マッサージとリラクゼーションの違いとは?
マッサージと混合されがちな言葉でリラクゼーションというものがあります。ストレス解消や体の疲れを癒すための手段で、両者は密接に関連していますが、その目的と方法にはいくつかの違いがあります。
【マッサージ】マッサージは、筋肉の緊張を和らげる、血流を改善する、体の痛みを軽減するなどに特化した手技療法です。これには、スウェーデン式マッサージ、深層組織マッサージ、スポーツマッサージなど、さまざまな種類があります。マッサージは一般的には専門的な訓練を受けたマッサージセラピストによって行われ、特定の体の問題や痛みを対象とすることが多いです。
【リラクゼーション】リラクゼーションは、心地よい状態を作り出し、ストレスや不安を軽減するための一連の手段を指します。これには、深呼吸、瞑想、ヨガ、音楽療法、アロマ療法などが含まれます。リラクゼーションは全体的な心身の健康とウェルビーングに重点を置いており、特定の問題を対象とするよりも全体的なリラクゼーションとストレスマネージメントを目指しています。
このように、マッサージは体の特定の問題に対処するのに対し、リラクゼーションは心と体全体のリラクゼーションとストレスの軽減に焦点を当てています。
"儲かる"マッサージ店になるために必要なのは「集客」
マッサージ店やリラクゼーションサロンはとても開業しやすいビジネスです。飲食店などと違い、物件を探すのもそんなに大変ではなく、提供する役務 = マッサージの内容によっては、初期投資も多くありません。また、役務に対する原価はほぼ人件費で、売上のほとんどを利益とすることが可能です。
ですが、廃業が多いと言われる業態でもあります。例えば、商圏に対して同業者 = 競合が多い場合、淘汰される傾向があります。マッサージ店やリラクゼーションサロンは、よほどブランディングや差別化されていない限り、お客様 = 消費者はお店の近隣の人に限られます。休みの日に、わざわざ電車に乗って遠くまで「肩もみ」をしに行ってくる…という人は多く有りません。
つまり、駅単位でマッサージ店が多すぎる場合、生き残る店とそうでない店が出てくるのです。
また、そもそも商圏が違っている場合もあります。マッサージという商品は、誰もが購入するような一般消費財などとは違い、非生活必需品、ぜいたく品の部類に入ります。このような種類の商品を購入しようとする人が少ないエリアでは、多くの売上は見込めないのです。
競合も多くなく、商圏も間違っていない場合は、集客がカギになります。前出のように、マッサージなどは非生活必需品。宣伝しなければお客様はやってきません。開業に必要な免許の種類
マッサージと言っても癒し効果の得られるものや、肩もみを中心とした手軽なものを含めると、その種類はさまざまです。そこで、まずは免許の違いについて解説していきます。
国家資格が必要なもの
治療行為として体を触ってよいのは、下記4つの国家資格。鍼灸や整骨も含めて施術をする場合には、それぞれ取得が必要です。3年間専門学校(もしくは大学)で学び、最終的に国家試験に合格しなければなりません。
✔はり師
✔きゅう師
✔あん摩マッサージ指圧師
✔柔道整復師(いわゆる整骨院の先生)民間資格でよいもの
いわゆる「クイックマッサージ」や「足つぼマッサージ」、女性客に人気の「リフレクソロジー」、「アロマテラピー」などは、学校や各種団体が定めた民間資格です。数週間から数ヵ月の勉強で取得可能なものもあります。
資格取得後のステップ
学校を卒業して資格を取得したら、独立・開業を目指して具体的に動き始めましょう。
修業期間
経験値がものを言うマッサージ業は、国家資格、民間資格のどちらも、治療院や学校系列の店舗に就職して技術力を上げてから独立というケースが多いです。技術だけでなく、同時に経営ノウハウや接客も積極的に学んでいきましょう。
事前計画
独立を念頭において修行を行っている場合は、修業期間中に具体的には下記のポイントをリサーチしておくとその後がスムーズです。
✔立地(最寄駅や店舗の大きさ)
✔ターゲット(学んだ技術を活かせる客層がいるか否か)
✔サービス内容(他店にはない強みは何か)
✔店舗の設備や雰囲気づくり(ターゲットに来店してもらえる雰囲気なのか否か)
✔価格(客層に見合った価格なのか否か)
開業申請
準備が整い次第、開業に必要な手続きを進めていきます。上述した国家資格と民間資格で必要な手続きが異なります。
国家資格のもの
各都道府県の保健所に治療院として開業申請をします。以下の手順を踏みクリアになれば開業できます。
1.事前相談
2.治療院の内外装工事、医療機器の搬入
3.開設届の提出
4.保健所の立ち入り検査
5.施術所開設届の受理民間資格のもの
公には「自由業」となるため、特に営業許可は必要ありません。税務署へ個人事業の開業届を提出するだけで開業できます。ただし、禁止事項がふたつあるのでご注意ください。
関連記事 自由業とは?自営業やフリーランスとの違いや仕事の内容を徹底解説
①使ってはいけない言葉がある
●治す
●治療
●マッサージ(あん摩マッサージ指圧師のみが使える言葉)
②使ってはいけない治療器具がある
●低周波治療器
●高周波治療器
●超音波治療器
●干渉波治療器
●温熱治療器
●光線治療器
●マイクロ波治療器初期費用はどのくらい?
マッサージ店を開業する際の初期費用は、国家資格が必要な店と民間資格のみで開業できる店とで異なる可能性があります。以下にマッサージ店の開業に必要な一般的な費用を紹介します。
✔資格取得費用: 国家資格または民間資格の取得費用
✔物件取得費: 店舗物件を借りる際にかかる費用
✔店舗の改修・装飾費用: 店舗の内装や外観の改修、装飾、看板など
✔設備・機器費用: マッサージベッド、タオル、マッサージオイル、清掃用具などの必要な設備と機器
✔運転資金:お店が利益を上げるまでの間に必要な経費をカバーするための資金
✔営業許可証の申請費用: 国家資格を必要とするマッサージ店の場合、特定の営業許可証が必要となる場合があります。
国家資格と民間資格で大きく異なる点は資格取得費用です。上述のように、国家資格を取得するには、3年間専門学校(もしくは大学)で学び、最終的に国家試験に合格しなければなりません。養成施設の入学金や授業料などで300~500万円がかかります。
また、店舗形態によっても初期費用は変動します。自宅の一部を店舗として利用する場合は物件取得費や店舗家賃が不要となり、初期費用やランニングコストを大幅に抑えることも可能。この場合、開業に必要な費用は改装費や手術器具の購入・リース料のみのため、100~200万円ほどで開業することができます。
一方、賃貸物件を借りて開業する場合は、物件取得費や家賃が発生するため、全体的な初期費用としては300~500万円が必要です。
なお、レンタルサロンや出張訪問であれば、さらに初期費用を抑えることが可能です。マッサージ店の平均年収は?
マッサージ店の平均年収は店舗の規模や国家資格の有無などさまざまな要素によって上下しますが、令和4年賃金基本構造統計調査によれば、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師など、いわゆる国家資格を保有しマッサージ店に勤務する人が該当する「その他の保健医療従事者」の平均給与は、月収約31万円、年収約443万円です。
一方、求人ボックス給料ナビの2024年8月調査では、マッサージ師の仕事の平均年収は約374万円。2つの調査結果からマッサージ店の平均年収は400万円前後で推移していることがわかります。
また、求人ボックス給料ナビの調査によると、マッサージ師は全体の給与幅が292〜639万円と比較的広いため、勤務先や経験・求められるスキルによって大きな差があると言えます。マッサージ店経営を成功させるためのポイント 新規
マッサージ店を開業しても、周知が上手くいかず顧客がつかなかったり、人気が出ずに経営が続かなかったりしてしまっては意味がありません。ここでは、マッサージ店経営に失敗しないために押さえておくべき最低限のポイントを紹介します。
顧客満足度の向上に注力する
顧客満足度を高めることは、リピーター獲得と口コミによる新規顧客獲得の鍵となります。技術力の向上はもちろんのこと、清潔な環境、心地よい接客、適切な予約管理なども重要です。定期的に顧客アンケートを実施し、フィードバックを基にサービスを改善していきましょう。
また、顧客一人ひとりのニーズに合わせたカスタマイズされたサービスを提供することで、他店との差別化を図ることができます。効果的なマーケティング戦略を立てる
競合の多いマッサージ業界で成功するには、効果的なマーケティング戦略が不可欠です。ターゲット顧客を明確にし、その層に響くメッセージを発信しましょう。SNSやウェブサイトを活用し、施術内容や店舗の雰囲気を魅力的に伝えることが重要です。
その他にも、地域コミュニティとの関係構築や、他の健康関連ビジネスとの提携も効果的です。季節ごとのキャンペーンや紹介割引制度の導入も、新規顧客獲得とリピーター増加に繋がります。物販も取り入れる
施術だけでなく関連商品を販売することで、客単価の向上と安定した収入が期待できます。商品が気に入ってもらえれば、リピート率の向上や口コミによる新規顧客獲得にもつながるでしょう。また、商品をきっかけにコミュニケーションの機会を増やし、より深い信頼関係を築くこともできるかもしれません。
商品を買ってもらえれば、顧客は自宅でもケアを続けられるため、施術効果が持続し満足度向上にもつながるでしょう。結果として、店舗のブランド価値向上と長期的な経営安定化が期待できます。まとめ
マッサージ店の開業と成功には、適切な資格取得、綿密な計画、そして顧客満足度の向上が不可欠です。効果的なマーケティング戦略や物販の導入により、競争の激しい業界での差別化を図ることができます。
愛されるお店にするには、技術力の向上と顧客ニーズへの柔軟な対応を心がけることが大切です。そうすれば自ずとリピーターが増え、安定した経営を実現できるでしょう。
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