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「外食産業事業成長支援補助金」の公募がスタート!最大1000万円の補助が受けられる、新たな飲食店支援事業とは

「外食産業事業成長支援補助金」の公募がスタート!最大1000万円の補助が受けられる、新たな飲食店支援事業とは

農林水産省は、飲食店経営における売上拡大や労働力不足解消に向けた業態転換や事業成長の支援を目的として『外食産業事業成長支援補助金』の公募を開始しました。

中小・中堅規模の飲食店経営者が活用できる支援で、新たな商品・サービスの開発や、提供方法の拡大または変更などに補助金を充てることができます。

一次公募は2023年4月17日(月)~5月31日(水)まで。詳しい応募要件や応募方法などを理解していきましょう。

外食産業事業成長支援補助金とは

農林水産省によると、『外食産業事業成長支援補助金』とは「外食産業の事業成長に向けた前向きな取り組み等を支援する」ための支援事業です。

補助上限額は1000万円で下限額は100万円。補助率は1/2以内ですが、応募内容によって補助事業者が採択されるため、全ての応募事業者が補助対象になるわけではありません。

また、補助金額も事業計画内容等によって確定されるため、必ずしも希望通りの補助額を受けられるわけではないことも留意しておきましょう。

応募要件は大きく3つ

最大1000万円という大型の補助金制度ということもあり、応募要件は少々複雑です。3つのポイントに分けて説明します。

応募対象者

応募対象は「資本金5千万円以下又は従業員数が50人以下」または「資本金の額又は出資の総額が10億円未満の法人」の定義にあてはまる「中小・中規模の飲食店」です。法人で資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、従業員数が2000人以下である必要があります。

また、2021年1月1日以前から現在(申請時点)まで飲食店としての事業活動を営んでいることを前提とし、2021年度から2022年度の売上伸長率が115%以下であり、今後の売上や収益拡大が見込める堅実な事業計画(以下で説明)を持っていることが条件です。

ただし、2021年度から2022年度の売上伸長率が115%を超えていても、新型コロナウイルス感染症拡大以前の2019年度と比較して売上伸長率が100%を下回っている場合は対象となります。これらの各年度は1月1日から12月31日までの1年間と定められています。

飲食店事業以外の事業も営んでいる場合は、2022年度の飲食店事業の売上割合が全体の70%以上であり、飲食店事業とその他事業を区分した売上・経費を証明できなければなりません。

なお、同じ応募内容で『外食産業事業成長支援補助金』以外の国庫または公費による補助等の交付対象者または交付候補者となっている場合は対象外です。

事業実施者として必要な要件をまとめると、ポイントは以下の4つとなります。

農林水産省の定める中小・中規模飲食店であること

2021年1月1日以前から飲食店を営み、2021年度から2022年度の売上伸長率が115%以下※

複業の場合は飲食店事業の売上が全体の7割以上

その他同様の支援の対象でない

具体的な事業計画

今回の補助制度の肝となるのが事業計画です。多くの希望者が見込まれる中で、審査通過のためには説得力のある計画を立てなければなりません。

そして、その計画内容についても「業態転換等」と予め定められており、大きく分けると「現在扱っている商品・サービスの内容を変える」または「商品・サービスの提供方法を変える」の2通りです。

農林水産省から例として以下のような計画案が挙げられています。

(1) 現在扱っている商品・サービスの内容を変える
   例)・居酒屋から焼肉店に転換する
     ・テイクアウト・デリバリー用のメニューを開発する
     ・新しい食材とメニューで新たな顧客を獲得する
     ・飲料の計量自販機を設置し、お客様自身で受け取る仕組みをつくる
     ・お客様のスマホを活用した、多言語セルフオーダーシステムを導入する
     ・アレルギー対応メニューの開発・表示の見直し等により、顧客層を拡大する など  

(2) 商品・サービスの提供方法を変える
   例)・イートインからテイクアウトを拡大するため販売窓口を設置する
     ・キッチンカーを改装し、店舗外での販売を強化する
     ・店舗での人気商品をECサイトで全国に販売する
     ・半加工品の冷凍保存による、調理時間の短縮と業務効率化を図る など 

補助金受給を検討されている方は、これらの例にならって、具体的かつ外食産業の事業成長に向けた前向きな取り組みに対して説得力を持たせる必要があります。

共同事業者

応募要件にはもう一つ大きなポイントがあります。応募には共同事業者との共同申請が必要になります。

共同事業者とは、コンサルタント、金融機関、中小企業診断士、公認会計士、税理士などをはじめ、店舗の機械・機器・システムの製造・販売業者、施設・設備の建設・施工業者などが該当します。

例えば、新たに自動販売機ビジネスを検討している場合、自動販売機の購入先であるベンダーが共同事業者となります。また、業態転換による店舗リフォームを考えている方は、内装工事業者を共同事業者として依頼しましょう。

『外食産業事業成長支援補助金』を推進する日本能率協会コンサルティング (JMAC)は、審査における共同事業者については「書類作成・報告書の作成支援に留まらず、事業成長のための事業実施者支援を行う事業者を重視している」とのこと。

共同事業者としての会社概要や実績に加え、今回の支援テーマに関する共同事業者としての役割や支援内容、期待成果等に関する支援計画書の提出が必要となります。

補助対象経費

では、補助金はどのような経費に充てることができるのでしょうか。JMACは大きく7つに分けて列挙しています。

補助対象経費

【建物費】

補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫など建物の建設・改修に要する経費 など

【機械装置・システム構築費】

専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費 など

【技術導入費】

本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費 など

【運搬費】

本事業に要する資材等の運搬料、宅配便・郵送料等に要する経費 など

【広告宣伝・販売促進費】

本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費 など

【研修費】

本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費 など

【委託費】

本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費 など

【委託費】

本事業を遂行する上で、特殊な知識・技術等を必要とする場合に、事業の一部を、能力を有する第三者に委託する経費 など

上記で例に挙げた自動販売機は「機械装置・システム構築費」に、店舗リフォームや補助事業のために使用される建物の建設・改修は「建物費」に該当します。

研修費とは、業態転換において事業遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費を指しており、研修受講費などに充てることができます。なお、資格試験に係る受験料、研修受講以外の経費(入学金、交通費、滞在費等)は補助対象外です。

そのほか、デリバリーやテイクアウトなどの提供方法の拡大に向けた設備投資、POSレジやセルフオーダー等、業務効率化を図るインフラの導入にも補助金を充てることが可能です。

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応募書類提出は専用サイトから

応募はJMACの公式ホームページにて、「①事業者基本情報登録」と「➁応募資料の提出、申請」を行います。締め切りは2023年5月31日(水)17時までとなっているので、忘れないようにしましょう。

参照元①事業者基本情報登録(応募IDの発行)➁応募資料の提出、申請

セミナーでより詳しく

本稿や農林水産省およびJMACによる概要を一通りチェックし、不明な点があれば、WEB Q&Aセミナーに参加することもできます。4月24日(月)9:00~10:30に予定されている第1回セミナーはすでに終了していますが(本稿掲載時点)、5月8日(月) 15:00~16:30開催の第2回、5月9日(火)9:00~10:30開催の第3回は申し込みを受け付けています。こちらもJMACのホームページを確認してください。

第1回2023年4月24日(月)9:00~10:30
(終了)
第2回2023年5月 8日(月) 15:00~16:30
(終了)
第3回2023年5月 9日(火) 9:00~10:30
(受付終了)

入念な計画を

最大1000万円の補助を受けられる今回の『外食産業事業成長支援補助金』は飲食店経営者にとって非常に大きな魅力です。しかしその分、競争率も高く、十分に練りこんだ計画書は必須です。

共同事業者の協力も仰ぐ必要もあるため、事前準備には労を惜しまず取り組みましょう。

公式HPでは事業内容や応募書類に関する説明動画が公開されています(下記リンク参照)。より詳しく知りたい方は視聴することをお勧めします。

参照元【公募のご案内】外食産業事業継続緊急支援対策事業の公募を行います。

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