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【小阪裕司コラム】第60回:〇〇しただけで、客数172%の盲点とは①

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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

長年経営していても、意外とお店の存在は知られていない

 今日は、あることを行ったら、客数が172%に伸びたお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の、にじます料理店からのご報告だ。
 同店は、人口2万人弱のある地方の町で60年以上も営まれている、にじます料理店だ。小さな町ゆえ、店主も、「知名度はそれなりにあるだろう」と長らく思っていた。
 しかし実践会に入会し、聞く様々な事例の中に、「長らく隣に住んでいたが存在を知らなかったリフォーム店」の話があり、彼も「ひょっとして自分が思うほど自分の店は知られていないのでは」と不安になってきた。
 ちなみにこのリフォーム店の話とは、次のようなものだ。大阪でリフォーム店を営むある会員が、新しいお客さんからのリフォーム相談を受け、めでたく大きな受注となった。それはもちろん喜ぶべき話だ。だが、実はそのお客さん、ほぼ隣に長年住んでおり、来店の際こう言ったのだ。「ここにリフォーム店があるなんて、知らなかった」。
 このリフォーム店はビルの1階にあり、ウインドウは歩道に面している。立て看板も立てている。しかも、このお客さんの住まいの場所から考えて、これまで何千回と店の前を通っていることは間違いない。しかし、店があることすら「知らなかった」のである。
 そこで先ほどのにじます料理店だ。店主は考えた。年に1、2度、今も町内にチラシを打っている。今までは無意識のうちに、店は知られているという前提で、メニューの紹介や、時期によっては年越し料理の案内をしていたが、今回は「『当店を知らない人、聞いたことはあっても訪れたことのない人』を対象に『自己紹介チラシ』を作成することにしました」。
 そうしていつものように配布すると、次の月の来店客数は前月比で123%、前年同月比ではなんと172%にもなったのである。

まずは事実を自覚すること

 ここには盲点がある。もう長年ここで店をやっている、ここに出店してもう何年も経つ、そういう理由で人は自店の存在が知られていると思い込むが、当のお客さんの方は、あなたの店の存在を知らないことの方が多い。たとえ長年隣に住んでいても、だ。この事実をまず自覚するべきだし、そこで、今回彼が打ったような手が有効なのだが、今回は「自己紹介チラシ」の内容も秀逸で、成果のポイントでもある。それはどんな内容だったのか?この続きは次回に。

〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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