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トリップアドバイザー「外国人に人気のレストラン」に選ばれたグルテンフリー専門店
目指すは“グルテンフリーのわりには美味しい”ではなく、“料理として美味しい”と言っていただけるもの
- 岡村 優子/グルテンフリーカフェ リトルバード
普通のレストランへ行っても、アレルギーがあるため食べられるものが限られてしまい、困っていたと言います。そのため学生時代より、食事やアレルギーについて学んだそうです。1991年生まれ、25歳の岡村さんにお話しを伺いました。
「私がやります!」の一声で代表に!25歳の若さで代表となった理由とは?
ーー岡村さんが代表を務める「リトルバード」のメニューはグルテン(小麦、大麦、ライ麦などの穀物に含まれるたんぱく質の一種)を一切使わないグルテンフリーですが、どのようないきさつで開業に至ったのでしょうか?
リトルバードは先代のオーナーが15年前、愛知県でグルテンフリーのスイーツショップを開業したのが始まりです。その後、原宿に店舗を構え、私はそこで店長として働いていたのですが、米粉の開発に注力するようになったオーナーが違う形でグルテンフリーを広めていきたいという理由から閉店することになり、だったら「私がやります!」と手を挙げて、代表になったんです。
なぜなら、お店が無くなると私自身が困ってしまうので。というのも私はセリアック病という、小麦だけでなく麦全般に含まれるグルテンに対するアレルギーを持っています。私が食べられる料理を出してくれるお店を失くしたくなかったんですね。グルテンフリーのスイーツショップは多いのですが、食事メニューがすべてグルテンフリーというお店は少ないんです。例えばパンやパスタ、カレーのルーやお醤油などの調味料にもグルテンは含まれるので、グルテンアレルギーの人は普通のレストランに行っても食べられるものが限られてしまうし、困っている方も多いんです。だから私と同じ思いを持つ方に来てもらいたくて開業しました。ハンバーガー、唐揚げ、ラーメンも!?国産米粉100%でグルテンフリー
ーー確かに、身近な料理に小麦は多く使われていますね。その一方で日本ではセリアック病に対する認知度は低いと感じます。
そうですね。日本でセリアック病といっても「何それ?」という状態です。というのもセリアック病は日本人に比べ圧倒的に欧米人に多い病気。認知度も海外の方が高く、お客様の多くは外国の方です。お店を今の場所(代々木八幡)に移転したのも、原宿や渋谷、新宿など海外旅行者が訪れる都心の観光地とのアクセスがよいからです。在住している外国人の方も、もちろん日本人の方も足を運びやすく、周辺が賑やか過ぎないのも物件選びのポイントでした。
またオープンして感じるのは、このあたりに住んでいる方は健康や美容に対して意識が高い方が多いということですね。体質改善のためにグルテンフリー料理を食べに来る方も増えています。ーー「リトルバード」のメニューには国産の米粉が使用されていますが、料理にどのような特徴が出るのですか?
ハンバーガーやピザ、唐揚げやラーメン、うどんなどファストフードや軽食屋さんで食べられるようなメニューを、国産米粉100%の生地で作っています。いくつかの品種の米粉をブレンドすることで、ハンバーガーのバンズはフワッと軽いシュー生地に、ピザ生地はサクッとした口当たりに、デザートはモチモチでありながら口どけがよいなど、さまざまな食感に仕上げることができます。これはお米の品種が豊富な米どころ日本だからこそ実現できること。今後は米粉の可能性をもっと発信していきたいですね。
油にもこだわっていて、ドレッシングや揚げ油、またドリンクにも、ギリシャから直送しているエクストラバージン・オリーブオイルを使用しています。オリーブを絞って24時間以内に瓶詰めしているため、ジュースのようにフレッシュで胃にもたれず、味の決め手になっています。材料がなければイチから作る。グルテンフリーを徹底した中で“料理として美味しい”を目指す
ーーグルテンフリーということで、食材の仕入れには苦労されますよね?
正直、仕入れが一番大変ですね。調味料だと原材料の表記があまりにも簡単なので、麦が使われているかどうかがわからないんです。糖類と表記されていても砂糖なのか麦芽糖なのかわからないし、麦芽糖であれば使えません。麦という表記だけを見ればいいわけじゃなく、形を変えて入っていることがほとんどなので、何が使われているのかをその都度メーカーに問い合わせ、確実に使えるものを仕入れています。なければ1から作ります。ーー食材選びを重視するグルテンフリー料理ってもしかすると高いかな、というイメージがあったのですが料理の価格帯を見ると、決して高くないことに驚きました。
利益はそう多くは出ませんが、できるだけ普通の価格で普通のものを食べていただきたいですし、誰もが気軽に楽しめるお店にしたかったんです。海外だとグルテンフリー料理は美味しくないと思われていて、カップルで来店してもアレルギーの人だけが食べて相手は待っていることが多いと聞きます。アレルギーの人もそうでない人も、カップルや家族みんなで安心して料理を楽しめて、“グルテンフリーのわりには美味しい”ではなく、“料理として美味しい”と言っていただけるものを目指しています。私もシェフもセアリック病。だからこそ同じ思いをしている人の気持ちに応えたい
ーー外国人旅行者のお客様が多いとのことですが、どういったルートから、こちらのお店を知るのでしょうか?
店の情報が掲載されているトリップアドバイザー(米国発の大手旅行口コミサイト)を見て、という旅行者の方が多いですね。あとは、フェイスブックやインスタグラムなどのSNS。セリアック病だと日本で食べられるものも少ないので滞在期間中、何度も来てくださるので仲良くなることが多いんですよ。帰国後もレビューを書いてくれたり、友達に広めてくれたり、ありがたいですね。このような口コミ効果は大きいです。ーー海外からの旅行者が急増する中、「リトルバードカフェ」の存在意義はますます高まるでしょうね。
私もシェフもセリアック病なので、同じ思いをされている方の気持ちがわかりますし、安全性には自信があります。2020年の東京オリンピックに向け、お店の存在を世界中に広めていきたいし、日本の方にももっとたくさん来ていただけるよう、“美味しいグルテンフリー料理”を追求し続けていきます。岡村 優子
1991年生まれ。東京都出身。幼い頃から多くのアレルギーがあり、学生時代より食事やアレルギーについて学ぶ。店長を務めていたグルテンフリーカフェ「リトルバード」(東京・原宿)の閉店に伴い、自らが代表となって2016年4月、代々木八幡に新店舗「リトルバード」を立ち上げる。
グルテンフリーカフェ リトルバードhttps://www.facebook.com/cafe.littlebird/
東京都渋谷区上原1-1-20 jpビル 3Fグルテンフリーカフェ リトルバード
グルテン(小麦、大麦、ライ麦などの穀物に含まれるたんぱく質の一種)を一切使用せず、国産の米粉のみを使った料理やスイーツが楽しめるカフェ。調味料に至るまで一切の麦製品を使用せず、油もEXバージンオリーブオイルのみ。- NEW最新記事
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