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「専門医」の力。矯正歯科は患者の安心と信頼を高めることが大切!

患者様はもちろん、他院の先生に医院を知ってもらうことも経営には大切。

  • 箕浦 雄介/王子みのうら矯正歯科

「専門医」の力。矯正歯科は患者の安心と信頼を高めることが大切!_記事画像

祖父も父も兄も妻も歯科医師という、歯科家系の箕浦院長。その開業・経営プロセスは、大胆なようで、実は堅実……? 現在までの道のりを振り返りながら、院長の経営思想に迫ります。

駅からの距離は患者様にとって医院選びの決め手になる!

――地下鉄出口の目の前という立地で、アクセスが抜群ですね。立地にはこだわったのでしょうか?
駅から近いか遠いかで変わる賃料は5~10万円程度です。最初は「経費を増やしたくないから」と弱気になり、「少しくらい遠くても大丈夫」などと思いがちですが、駅からの距離は、患者様にとって医院選びの決め手のひとつです。今の立地だったら増えた賃料分は集患の数でペイできると考え、ここに決めました。本当は1階が希望でしたが、空きがなく3階で開業することになりました。

駅からの距離は患者様にとって医院選びの決め手になる!

「矯正歯科専門」を掲げることのメリット、デメリットとは?

――「王子みのうら矯正歯科」は矯正歯科の専門医院ですね。箕浦先生はなぜ専門医を目指したのでしょうか?
矯正治療は一般的な虫歯治療などに比べると、長い時間をかけて行います。つまり、じっくりと患者様と向き合って治療ができるということです。ただの歯科医師と患者様という関係ではなく、一緒に治療を進めていくパートナーとして関係を築けることに魅力を感じ、矯正歯科専門医を目指しました。

――診療科目を1本に絞ることにはデメリットもあったのでは?
開業当初は一般歯科の先生たちから「矯正だけだと集患が大変じゃない?」とよく言われました(笑)。でも私はデメリットに感じていませんでした。むしろ、矯正一本に絞った方が、「専門的な治療をしている医院」というメッセージが伝わりやすくなります。患者様への訴求力が強くなり、「いい治療をしてくれる」というイメージを持ってもらいやすくなるんです。

経営を軌道に乗せるまでに4、5年!?どうやって苦しい時期を乗り越えたのか。

――医院の経営はすぐに軌道に乗りましたか?
それが、なかなか……。軌道に乗り始めたのは、開業から4~5年経ってからでした。

――4~5年ですか!どうやって苦しい期間を乗り越えたのでしょうか?
矯正歯科医は開業しても同時並行で別の医院の勤務医をしていることが多いです。虫歯は毎週少しずつ治療していきますが、矯正は月に1回程度処置をすれば治療を進められます。その利点を活かし、矯正治療をしていない歯科医院と提携して月に何度か治療に出向きました。
これなら、出向いた医院は抱えている患者様を他院へ渡す必要がなく、私は治療の対価をいただけるのでWin-Winの関係が築けます。これは大学勤務時代から継続していたことで、勤務医としての収入がある程度計算できたので、自分の医院の経営を維持できました。

経営を軌道に乗せるまでに4、5年!?どうやって苦しい時期を乗り越えたのか。

――経営が軌道に乗ったきっかけは何だと思いますか?
派手な宣伝などをしなかったので、急に経営が上向いたわけではなく、口コミと、周りの先生からの紹介が増えたことが大きかったと思います。経営が軌道に乗ったのは、患者様としっかり向き合った結果だと思っています。

――他院から紹介をもらうには、医院を知ってもらう必要があると思います。何か取組みを行ったのでしょうか?
自分のやっている治療を周りの先生たちに知ってもらうことが一番だと思い、地元の歯科医師会に入り、積極的に地域の勉強会に参加し、自分が担当した臨床例を発表しました。一般歯科の先生の中には、どんな症状が矯正の適応になるのかを知らない方も多いので、「情報を提供する側」になることで、矯正専門医としての信頼を得ました。

「専門医」の力。矯正歯科は患者の安心と信頼を高めることが大切!_記事画像6

――箕浦先生は2008年に日本矯正歯科学会の専門医になりましたが、それにより医院経営に変化はありましたか?
雑誌などで取り上げられ、患者様が少し増えたのが一番の変化です。メディアを通して当院を知った方もいますし、取得しているのが認定医の1割のみだと知ってもらうことで安心感や信頼感が増したのかもしれません。「専門医に治療して欲しい」と言う患者様も増えたので、経営面への好影響は多少あったと思います。また専門医の名に恥じないよう、日々の臨床を見つめなおす機会になったこともプラスに働きました。

誠実さが大事?自費診療であることを患者様に伝える時のポイントとは?

――矯正歯科はほとんどが自費治療ですよね。高額になりがちな治療について、どのように患者様に伝えていますか?
不思議なもので、人はいいことだけを伝えると逆に不安になるものです。そのため当院では、矯正治療のリスクや費用が高額になること、治療が長期にわたることを正直に伝えています。これは、「私たちは隠し事をせずに誠実に対応します」という患者様へのメッセージです。患者様に真摯に向き合い信頼、安心していただくことで、高額な治療費を納得していただけているのかなと思います。

――今、医院として力を入れて取組んでいることは何でしょうか?
治療の“平均点”を上げて、しっかり治すことです。突出していいケースと悪いケースがあるのではなく、すべての治療が水準以上であることを目指しています。また、フレンドリーなコミュニケーションを心がけ、当院でよかったと思っていただけるよう、前向きに取組んでいます。
今は医院を大きくすることよりも、当院を訪ねてくる目の前の患者様ひとりひとりと触れ合うことに喜びを感じ、自分のできる最善の治療を楽しく提供することが一番だと思っています。

箕浦 雄介

箕浦 雄介

1964年、東京都北区生まれ。祖父、父、兄が歯科医師という、根っからの“歯科家系”に育つ。日本歯科大学卒業後は、大学附属病院の矯正科で経験を積み、1995年、「王子みのうら矯正歯科」を開業。1996年に日本矯正歯科学会「認定医」を取得し、2008年には同「専門医」を取得。

王子みのうら矯正歯科

王子みのうら矯正歯科http://www.minoura-smile.com/
東京都北区王子1-16-7 石井ビル3F

王子みのうら矯正歯科
東京メトロ南北線「王子」駅から徒歩0分、JR「王子」駅から徒歩2分という通いやすい立地にある、矯正歯科専門の歯科医院。箕浦院長は日本に300人余りしかいない、日本矯正歯科学会専門医のひとりで、メディア掲載実績も多数。「患者様の声によく耳を傾けること」を信条に、ひとりひとりと真摯に向き合う治療を実践する。

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