25歳の若さで独立　サロン激戦区、原宿エリアで成功できたその秘訣とは

25歳でヘアサロン独立、成功。早くに独立を決意した理由とは？

ーー堀田さんの独立・開業は25歳。業界ではかなり早い方だと思います。
高校生で美容師を志し、この業界に入ってからは、いずれ独立したいという気持ちを持っていました。というのも、僕はこのお店がある原宿が地元なんです。ですから、「故郷に戻って就職する」というような選択肢が無く、この東京という場所でやっていかないといけない。はじめから、逃げ道がないんだったら早めに独立して自分の力を試してみよう、と思っていました。もちろん成功するつもりではいましたが、万が一ダメだった時は、きっぱり美容師ではない他の道に進もうと考えていました。

ーー独立する前、プレイヤーとして腕を奮っていた時期に「これなら独立できる！」と思う出来事は、どのようなことだったでしょうか？
美容師業界に入り、早々に独立したので、実は、独立に向けての具体的な手応えというのが無かったんです。ある程度長い間プレイヤーを続けていればあったのかもしれませんが。ただ、独立するのに早いとか遅いとかはないと思いますし、100％成功するつもりで独立準備を重ねてきても、誰もが不安はあると思います。全国に4店舗を持つようになった今でも、不安というのは拭えないものです。

Pas de deuxオーナーが実践している開業の不安解消法！

ーーどんなことに不安を感じていたのでしょうか？
新店舗を出すとなると、ありとあらゆる準備をしますが、内装業者は本当に信用できるのかとか、不動産契約に不備がなかったか……など不安は尽きません。その不安を少しずつでも消していくような準備、努力をできた人こそ、成功するのだと思います。
僕が実践している不安解消術は、枕元にメモ帳を置き、気になることがあったら、睡眠を中断してそれを書き留める、というもの。問題点を可視化して整理することができますよ。独立当初、準備を進める中でもオープンした後でも、不安となっているマイナス要因をひとつずつ消すことに喜びを感じ、今でも継続して行っていることです。

ーー25歳でオーナーデビューした当初、サロンは共同経営だったとお聞きしました。
現在のPas de deux表参道店の前身となる1店舗目は、表参道ヒルズになる前の同潤会アパートの一角でやっていたんです。そこは、もうひとりのオーナーと共同経営だったのですが、3～4年で3店舗に増やし、5年目で会社をふたつに分けることになりました。ここまでヘアサロンを大きくできたのは、「とにかく働いて、お客さんを増やす」だけを目標にしてやってきたからだと思います。僕ももうひとりのオーナーも、今で言う”昭和な感じ”といいますか、「とにかくがむしゃらに働こう！」という気持ちでいっぱいだったんです。オープンした当初は年中無休で、夜も11時くらいまで働いていましたね。若かったからこそできたことでもあると思いますが（笑）。

“昭和な感じ”でも続けていけるのは「がむしゃらに働ける人」

ーー最後に、これから独立を考えている美容師の方に、メッセージをお願いします。
お店がうまくいく要因は、何はともあれお客様を増やすことだと思います。お店を出す前も出した後も、「とにかく働くこと」が大事ですよね。だって、独立を考えて美容師になった人にとっては、今までの辛かった修行は、すべては独立して自分の店を持つという夢に向かっての投資みたいな意味があるでしょうから。オーナーとしてせっかくスタート地点に立ったというのに、頑張らないのはナシじゃないですか（笑）。
例えば定休日の火曜日に店に行くと、電話って結構かかってくるんですよ。お客様は定休日のことは意識していないですから、それが留守電になってしまったら、ほかの美容室に行ってしまうかもしれない。でも、そこでオーナー自ら電話番をしていて予約を受けることができれば、お客様がひとり増えるわけです。
独立後にずっと店を続けていけるのは、とにかくがむしゃらに頑張ることができる人だと思うんです。「がむしゃらにがんばって働く」というのは簡単なようでなかなか難しく、お店が潰れそうな状況になっても頑張れない人もたくさんいます。本当に経営状態が悪くなってくると、やる気も削がれてしまうんですよね。だから、ぜひ店をオープンして、「さあこれからだ」とやる気がみなぎっている時にがむしゃらに働いて、少しでもチャンスを広げることができるといいですね。