中華料理店の開業の秘訣! 資金や準備・スケジュール管理まで徹底解説!
中華料理店は、家族経営モデルによるリーズナブルな外食産業として発展してきた歴史があります。日本でも中華業界はフランチャイズの拡大から安くてもおいしい中華料理を楽しめるようになりました。このような背景から、スタンダードな中華料理屋を開業する場合でも、価格帯やコンセプトにおいても多くの競合を相手にする時代を迎えています。
中華料理店開業のための資金や準備、開業に関する知識を紹介していきます。
1. 中華料理店を開業するのに必要な準備
中華料理店を開業するためには、主に6つの項目を具体化する必要があります。以下でそれぞれについて、詳しく解説します。
- 中華料理店のコンセプト決定
- 資金調達
- 中華料理店の物件確保
- 資格取得
- 器具や備品の準備
中華料理店のコンセプト決定
・街の中華料理店にするのか
・本格的な中華料理専門店を目指すのか
・中華そば店、麺類、炒飯メインにするのか
・フランチャイズはどうか
中華料理は、庶民的な印象から広く日本全国に浸透してきました。ただし、中華料理はジャンルも広く、四川風、広東風、あるいは餃子専門店、麺類特化など多様な調理方法があるのも事実です。また料理のクラスも皇帝料理から庶民料理まで幅広く、歴史が長いことでも知られています。まずは、現在の世間の流れを調査し、中華料理の形態を決定してみましょう。そこで決まったコンセプトに沿ったメニュー構築、価格帯、ターゲットとなる客層など詳細を煮詰めるという作業が必要となります。さらにフランチャイズ参入で既存のモデルをフォローするオプションも起業しやすい形態と言えそうです。
資金調達
中華料理店を開業するにあたり、開業資金の準備が必要です。一般的な資金調達は、高額になれば金融機関や日本政策金融公庫などから融資を受けるのが通例です。これらの融資制度利用では、自己資金の有無を必ず問われます。条件によっては融資金額や返済条件にも影響をきたしますので、自己資金の確保と整理を行いましょう。
中華料理店の物件確保
中華料理店の物件探しでは、立地条件、エリア、獲得できそうな客層、建物の構造など多くの要素を加味して検討しましょう。物件を確保する際に賃貸であれば、賃貸契約を結びます。その際に保証金、礼金、仲介料などがかかり、平均では家賃の6ヶ月から12ヶ月分の費用に相当すると言われています。コスト軽減や集客のためにも物件確保は慎重に行いましょう。
資格取得
中華料理店を営業するための資格として「食品衛生責任者」は必ず必要です。また、店舗面積、収容人数等の基準によって「防火管理者」資格も必要となる場合があります。他にも中華料理専門の「中華料理ソムリエ」「四川料理ソムリエ」や「IPA中華料理技師資格試験」などは、中華料理に関する資格は豊富。レストランに付加価値を付けられそうなものは積極的に取得を目指してみましょう。
器具や備品の準備
中華料理店では、特に火力の強い調理法を用いるためガス調理器は必須となるでしょう。またラーメン用などの大釜、寸胴などという専門調理器を利用する場合は、適した調理台やグリルも備えなくてはなりません。さらに食材の在庫を抱える場合は、適当なサイズの業務用冷蔵庫や冷凍庫も設置の必要があります。物件選びの際には、これらの調理器具が適切に設置できる厨房のレイアウトを念頭に置いておきましょう。
新業態の飲食店を生み出すポイントについてはこちらの記事で紹介しています。
2. 中華料理店を開業するまでのスケジュール
一般的な中華料理店の開業までには、段階を経た準備が必要です。ここでは開業までの一例として、時系列に沿ったスケジュールをご紹介します。店舗の規模、中華料理の種類、エリアなど細かい条件によってこの内容は前後する場合があり、参考としてご覧ください。
中華料理店開業までのスケジュール例
時期 | 項目 |
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1年~半年前 |
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3ヶ月~6ヶ月前 |
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3ヶ月前 |
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2ヶ月前 |
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1ヶ月前 |
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10日前 |
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当日 |
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1年~半年前
- 中華料理店のコンセプト構想
中華料理は、すでに多種多様な店舗があふれています。コンセプト作りでは、お店の売りとなる特徴を定め、特化できるテーマを構築することが得策でしょう。このコンセプトは目標とする中華料理店の雰囲気や客層、客単価を決定する経営指針となります。融資を受ける際の事業計画書にも記載するガイドラインとなりますので、多方面からよく熟考し、構想を固めていきましょう。 - 中華料理店の物件選び
中華料理店の物件選びでは、店舗を構える地域性やターゲットとなる客層に注目しましょう。また物件が居抜きの場合、特に前テナントが中華料理であれば設備投資費を軽減できるかもしれません。賃貸契約では賃貸契約書の記載によく目を通し、内装工事の条件や規約も把握しておきましょう。 - 事業計画書
事業計画書とは、事業者が借り入れをする際に、算出した数字に基づき返済能力を証明するための重要な書類です。ここでは月商の内訳や仕入れ先、客層、コンセプトだけでなく、事業主の開業動機、運営方針なども詳細に記載することを求められます。特に月商は融資の可否に大きく影響します。じっくりとプランを立て、事業計画書完成に取り組みましょう。 - 資格取得
中華料理店を営業するための資格には「食品衛生責任者」や「防火管理者」があります。「食品衛生責任者」は店舗に一人必ず必要です。事業主や店舗責任者が改めて取得する場合は、管轄の保健所で研修を受講します。「防火管理者」は店の面積や収容人数によって必要な場合があるので確認しましょう。中華の知識を証明するための「中華料理ソムリエ」「四川料理ソムリエ」「IPA中華料理技師資格試験」も取得しておくと有利と言えます。
6ヶ月前~3ヶ月前
- 中華料理店の物件契約
物件契約では、一般的に保証金、仲介料、前家賃が発生します。立地条件や店舗の規模にもよりますが、家賃の6ヶ月から12ヶ月分の金額が一般的なようです。また居抜きで現存の厨房機材や設備を利用する場合は、継続リース契約あるいは造作譲渡契約となる場合があるため確認しましょう。一般的な店舗賃貸の場合、保証人を立てるケースが多く審査に要する時間もかかるため、契約へのプロセスは早めの対応が先決です。 - 内装計画
店舗の内装工事は、物件契約後すぐに行いたいため、信頼のおける工事業者を探しておきましょう。中華料理の工事は、料理の特性上、ガスやダクト、パイプなどのチェックも怠らず行いたいものです。また油をよく使う環境から床材、壁材などにも衛生的で掃除が容易なものを発注しましょう。居抜き物件で既存の設備を利用することがよくありますが、機能性や効率性などの観点から劣化の進んだ機材は交換するのが賢明です。 - 資金計画及び調達
事業計画書をもとに資金調達の計画を立てていきましょう。一般的な資金調達は金融機関及び日本政策金融公庫の融資制度が知られています。融資制度では種類によって借入金の10分の1の自己資金確保を条件とすることもあります。最近ではクラウドファンディングや共同出資などの方法も徐々に広がりつつありますが、条件により不可、時間がかかるなどの反面もありますので、あらかじめ確認しましょう。 - メニュー開発
メニュー開発では、コンセプトに沿った構想を練ってみましょう。この時点ではメニューの概要、種類、タイプなどの枠組みを整理していきます。他店などのメニューの食べ比べにより独自性をどこで、どのように発揮するべきかという経営戦略にも目を向けてみましょう。原価率や安定した仕入れなど、総合的なオペレーションを想定したメニュー開発に取り組みます。
3ヶ月前
- 設備の依頼や内装
中華料理では、火力が決め手となるのでガス調理器が必要でしょう。煙が多く発生するため、ダクトや排気の設備も点検し増設の必要性も考慮します。さらに居抜き物件などでは、既存の設備を利用することが多くありますが、築年数の古い建物はガス、電気料金などにも注意しましょう。また油を多く使う調理法から、床材や壁材もこのような環境に適切な素材が必要です。中華料理店の工事実績が多い工事業者に依頼し、コスパの高い効率的な工事を実施できるよう準備しましょう。 - メニューの設定
メニューの構想をいよいよ具体化していきます。メニュー名から単価、セットメニュー、具材に至るまで細分化しましょう。中華料理ではバラエティにとんだ具材が使用される場合もあります。原価ロスのでないメニュー設定、効率的に調理ができる仕入れ方法なども念頭に入れながらメニューの設定を行いましょう。 - 仕入れ先探し
中華料理は、ある程度定番メニューが定着していることが顧客の安心につながるでしょう。このような業態ではいかに安定したローコストの仕入れができるかがカギです。まとめ仕入れでコスト削減や長期保存の可能な乾物などを上手に活用し、効率的な仕入れシステムを確立しましょう。
2ヶ月前
- 工事着工
工事は開店2か月前を目途に着工できるよう進めましょう。工事の際には、もう一度基礎、トイレ、ガス、電気、水道など追加工事にならないよう点検します。 - 広告、告知業準備
オープンに備え、広告でお店の告知を始めましょう。店頭への印刷物の張り出しや、駅や商圏へのチラシなどで開店情報を発信します。また顧客獲得のためにもWebサイトやSNS設定も準備を進めておきましょう。オープニングイベントなどの企画や記念品などを用意する場合も告知に乗せ、できるだけ広く情報発信できるよう準備を進めます。 - 求人
スタッフの求人募集は、トレーニングやシミュレーションなどを踏まえ、30日くらい前を目標に準備を始めましょう。求人掲載方法には、店舗への張り出しや駅の掲示板、ウェブ媒体などがあります。地元紙などへの掲載では広告料が発生する場合もあり、知人などの紹介なども活用して積極的に人材の獲得に努めましょう。
1ヶ月前
- 営業許可書提出
中華料理店を営むために「飲食店営業許可申請」を提出する必要があります。事業主あるいは調理担当者など店舗に一人「食品衛生管理者」を置くことが条件の第一です。店舗の住所、営業時間なども書類への記載が求められます。申請は、内装工事完了の10日前までの提出が求められますので、スケルトン物件の場合は厨房機器設置を確認してからの申請が必要です。 - 保健所の検査
営業許可のために、厨房設備など衛生上の規定に沿ったレイアウトができているか検査が入ります。通常、厨房設備の配置や厨房からの調理導線、空調などが検査対象ですが、管轄の保健所によって内容が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。 - スタッフの教育
スタッフ教育は、接客業で近年急速に重視されてきています。マニュアルに頼りすぎる対応やホスピタリティの根本を理解していない接客スタッフも多く、ひいては顧客離れの要因にもなりかねません。接客マナーと同時に店のコンセプトを理解しサービス向上を図れるよう教育を浸透させましょう。
10日前
- 厨房機器や機材搬入
中華料理では火力の強いガス調理器材やグリルを導入することが多いようです。メーカーやタイプ、年式によって価格にも差があるため、稼働効率などを考え適切なものを導入しましょう。居抜き物件では、特に前テナントが同業種の場合、そのまま設備が使えることもあります。ただし油を多く使う中華料理では、劣化やこびりつきなどでランニングコストが高くつくかもしれません。機能性なども視野に入れ厨房機器の選択が必要です。 - インテリア完成
オープンに必要な食器類、照明器具や備品を搬入しましょう。お店の回転率を向上するためには、デザインよりもオペレーションのスムーズさが重要になります。飾りばかりにこだわらず、調理導線や掃除のしやすさなども点検しておきましょう。 - シミュレーション
実際に店舗で注文や料理の提供を確認するシミュレーションを行います。稼働実施をすることで、課題を見つけることができます。プレオープンなどで特定人数を招待し、スタッフの稼働トライアルにあてるのも得策と言えるでしょう。
当日
- オープン当日は、特別イベントなどを催すレストランもあるようです。今後のリピーター作りのために、SNSフォローやお友達紹介、グルメ媒体への投稿などお店情報の発信も促進しましょう。
3. 中華料理店の開業資金はいくら?
中華料理店の開業資金としては、下記の5つが主に必要です。
- 物件取得費
- 内装工事費
- 厨房機器費用
- その他開業資金
- 運転資金
物件取得費
賃貸物件を借りるための契約時に支払う金額を指します。保証金、礼金、紹介料など立地条件、エリア、店舗規模によっても内容や金額が異なります。一般的な店舗賃貸では、約6ヶ月から12ヶ月分の費用を要すると言われています。また内装工事などが長期にわたると空家賃がかさみ、金銭的なロスとなるため速やかに工事着工を進めていきましょう。
内装工事費
内装工事費には、設計費、材料費、インテリア、などにかかる費用があります。スケルトンの工事では、水道、ガス、電気などの基礎工事やダクト、パイプなどの排気工事も必要です。
厨房機器費用
中華料理店開業の厨房機器には、業務用冷凍庫、冷蔵庫、食洗機、ガステーブルやガス中華レンジなどが挙げられます。厨房機器は中古やリースでも手に入るため、コストパフォーマンスの高いものを採用しましょう。ただし古いモデルはランニングコストがよりかかる可能性もあります。効率性を考慮して適切な機材を選択しましょう。
その他開業資金
その他の費用では、食器類などの備品からスタッフの研修費、制服代などが挙げられます。また宣伝用のチラシ印刷、POP製作、看板製作などもまとまると高額になることもあり、必要経費として計上しておきましょう。
運転資金
運転資金とは、開業から経営が軌道に乗るまでの間の費用を指します。多くの飲食店が順調な経営に至るまで6ヶ月必要と言われています。固定費に相当する家賃、食材仕入れ、水道光熱費、人件費や機材レンタル料などあらかじめ概算しておきましょう。
開業資金に関して補助金・助成金制度はこちらの記事で紹介しています。
4. 中華料理店開業に必要な資金の調達方法
中華料理店の開業資金を調達する方法について以下で3つご紹介します。
- 自己資金
- 融資を受ける
- 助成金や補助金を活用
自己資金
己資金の有無により貸付金額にも影響します。身内などからの贈与が期待できるケースでは、贈与契約を交わし自己資金の一部として補填することも可能です。
融資を受ける
自己資金だけで賄えない開業費用は、融資で補填するのが一般的です。一般的には、銀行などの金融機関や日本政策金融公庫の融資制度がよく知られています。これらの制度では、自己資金の確保が条件付けられているため、自己資金の貯蓄や整理も重要です。
助成金や補助金を活用
厚生労働省の助成金や自治体の提案する補助金などを活用する方法もあります。ただ、返済不要の助成金、補助金に関しては審査に時間がかかるほか、審査が厳しいと言われています。さらに、融資金が下りるのは開業後になるため初期投資の補填には難しくなります。運転資金用の充当として申請し、赤字補填などの目的で活用することをおすすめします。
開業資金調達において、融資額をアップさせる方法はこちらの記事から紹介しています。
5. 中華料理店を開業するのに必要な資格・あわせてあると良い資格
中華料理店を開業するために必要な資格と取得すると有利な資格を紹介します。
食品衛生責任者
「食品衛生責任者」は飲食店を営業する上で必須な資格です。市町村で実施する食品衛生責任者育成講座で取得可能で、全国どこでも受けることができます。調理師免許を所持している人は免除となります。店舗に一人は取得者がいることが義務付けられている資格です。
防火管理者
店舗の収容人数が30人以上の場合に「防火管理者」の資格が必要です。対象となる建物や収容人数により2種類の資格講座があるため、受講前に確認しましょう。管轄の消防署で講座を受けますが、コースにより2日にわたることもあるため、早めに準備しておくことをおすすめします。
あわせて取るといい資格
飲食業を経営するだけでは調理師免許は必要ありませんが、食品衛生責任者資格が付帯する上に、調理のプロとしての証明となります。また中華料理に特化した「中華料理ソムリエ」「四川料理ソムリエ」「IPA中華料理技師資格試験」など資格の種類は豊富。付加価値をつけるために欲しい資格があれば積極的に取得していきましょう。
飲食店開業には調理師免許が不要!ではどんな資格が役に立つのかについて、こちらの記事で紹介しています。
6. 中華料理店を開業するのに必要な届け出
開業するために必要な届け出書類を紹介します。申請から許可まで時間を要する項目もありますので、早めに準備を進めましょう。
飲食店営業許可申請
飲食店を経営するためには保健所認可の「飲食店営業許可書」を取る必要があります。前述で触れた「食品衛生責任者」を店舗に置き、申請書類は内装工事完了の10日前を目途に提出しましょう。申請書には、店の住所、営業時間、食品衛生責任者の氏名などの記載が求められます。
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
深夜営業を行い、深夜12時以降にアルコールを提供する場合は、この許可書申請が必要です。開業の10日前までに、管轄の警察署に届け出をしましょう。
個人事業主の開業届出書
個人事業主として開業する場合、管轄の税務署へ申請をします。この申請では、確定申告の際に「青色申告特別控除」で65万までの控除が受けられる可能性があるほか、最高300万円までの設備経費や赤字税金控除、親族への給与を経費扱いなどの利点があります。開業後1か月以内に速やかに申請を済ませましょう。
開業に関する申請・手続きに関してはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
7. 中華料理店を開業するにはどんな物件が良い?
中華料理店を開業するための物件の選び方とポイントについて紹介します。
- 中華料理のコンセプトに合った立地
- バランスのとれた賃料
- 夜間営業での集客を重視
中華料理のコンセプトに合った立地
中華料理屋では提供するメニューやコンセプトにあった立地を選びましょう。ターゲットとなる客層がランチメインの社会人であれば、ビジネス街などが適切です。あるいは家族層やグループにアピールする場合は、住宅地や商圏周辺も有効と言えます。
バランスのとれた賃料
相場家賃の高い好立地と言われる物件は、路面店や駅の周辺、人が密集するエリアに集中しています。人目に触れやすく集客も容易なため、家賃も高くなりがちです。広告費や情報発信の手間が省ける反面で維持費が高額になってしまいます。一方、居住エリアや郊外では地代が安価で固定費削減になりますが、集客に注力しなくてはなりません。毎月固定で支出となる家賃は経営の大きなウェイトを占めますので、バランスを考慮した物件獲得が望ましいでしょう。
夜間営業での集客を重視
中華料理屋では、営業形態を特化することで利率を向上することも可能です。例えば、夜間営業の中華そば専門店の場合、お酒の後の仕上げにという飲み屋街のお客を見込むことができます。そのため、居酒屋や繁華街からほど近いロケーションが有利かもしれません。
飲食店開業の立地に関する詳しい特集はこちらからご確認いただけます。
8. 中華料理店に失敗しないためのコツ・中華料理店経営のコツ
飲食店経営は、開業3年間での廃業率が7割と言われている生き残りが難しい業態です。心得ておきたい中華料理店で失敗しないコツ、飲食店経営のコツを紹介します。
- 客層がぶれないように
- 味に特徴を出す
- 固定費をあまりかけない
客層がぶれないように
飲食業では利用客のニーズにマッチしたメニューや商品が提供できなければ繁盛できません。仕入れは朝食市場にこだわるなど、他店との差別化を図る意味でも戦略ポイントを見極める必要があります。物件選択では、地域の傾向やターゲットとなり得る客層の特性を分析し、よく研究してみましょう。
味に特徴を出す
中華料理は料理人の腕が如実に現れると言われています。固定客を獲得するためにも安定した品質の提供は欠かせないエレメントです。平凡な中華料理屋にならないためにも、熟練の調理人のスキルで、付加価値を付けることができる料理を提供しましょう。
固定費をあまりかけない
飲食店経営では特に支出を削減する努力が経営安定につながります。中華料理も人件費がかからない家族経営が当たり前の業態でした。スタッフ雇用では、繁忙時間のみ稼働あるいはアイドルタイムは閉店するなど細分化した経費削減に努めましょう。また繁忙時間以外の冷暖房は控えるなども光熱費の削減につながります。小さな心がけがランニングコストを抑え利益率を向上するポイントと言えるでしょう。
飲食店経営の失敗に関する詳しい内容はこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
9. 「中華料理店開業」繁盛店の参考データ(canaeru調べ)
最後に、独自調査で得た中華料理屋の繁盛店のデータをご紹介します。店舗規模、立地条件、営業時間などにより数値は異なりますので、あくまでも参考値としてご覧ください。
開業資金
開業するために必要な資金です。独自の調査では、中華料理店の場合は約950~3,000万円と推定されます。初期投資には主に「物件取得」「厨房機器」「内装工事費」「人件費」などが含まれています。
月商
月商は1か月の売り上げを含む総収支を示す数字です。独自調査の結果では、中華料理屋は、約200~900万円と推測できるようです。月商は融資の際に申請する事業計画書でも明確にする数値ですので、目標にしたい経営方針の参考に覚えておきましょう。
客単価
客単価は一度に一人の客が支払った金額の平均数値です。独自調査の結果、中華料理店では、約900~6,300円と推定されるようです。この平均値は店舗や地域によっても異なりますので、参考にご覧ください。
回転数
回転数とは、売り上げを席数で割った数値で、お客の流れの速さが分かります。回転数が大きい店舗は基本的に稼働率が高いと判断できます。独自調査では、中華料理屋は約1.0~9.6回と推定されます。この数字は客単価やピーク時、アイドルタイムなどによっても異なりますので、参考値としてご覧ください。
席数
座席数は店舗の収容人数を表しています。中華料理店では、独自調査の結果17~40席程度が平均と推定されるようです。カウンター席やテーブル席の有無によっても変化するのであくまで参考として確認してみましょう。
1席あたりの1日の平均売上
1日の売り上げを座席数で割った金額です。この数字では、曜日や日ごとに売り上げがどのように変化するのか参考となります。独自調査の結果、中華料理では約4,100~9,200円と推定されるようです。
中華料理店を開業するには入念な準備を!
中華料理店は、すでに世間に浸透した業態です。新しく起業するには、どの客層を狙うかをはっきりさせることが大切といえます。立地、地域性をよく把握し、特徴的なメニューや価格帯を開発していきましょう。独創的なアイデアで固定客を獲得する戦力が重要です。平凡な中華として埋もれないコンセプト作りと、入念な準備で中華料理屋の開業を目指していきましょう。