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近年、昼飲みというスタイルが定着しつつあるのをご存知でしょうか。昼飲みの需要を上手く取り込むことで、新規顧客の獲得や売上UPなど、飲食店にとって複数のメリットが見込めます。
この記事で紹介するヒントや注意点を参考に、昼飲み(昼営業)に力を入れてみませんか?
参考記事 【儲かる?】ランチ営業を始める3つのメリットと2つのデメリット飲食店を開業するには?必要な準備の4ステップをわかりやすく解説
目次
昼飲みとは?
その名の通り、昼間からお酒を飲むこと。お酒と言えば一般的に夜に飲むイメージが強いかもしれませんが、欧米などの外国では、ランチタイムにお酒を飲むのは珍しいことではありません。
1,000円でベロベロに酔えるという、いわゆる「せんべろ」の飲食店も、実は昼間から営業していることが多いです。せんべろという言葉は「せんべろ探偵が行く (集英社文庫)」が発祥と言われており、1980年代頃に著者の中島らもさんの身内言葉から全国区に広まったとの記述も。そういう意味では、日本でも実は古くから昼飲みの文化が根づいているのです。
ちなみに、せんべろは1,000円あればお酒2~3杯と気の利いたおつまみが楽しめることを意味する場合も。お財布を気にすることなく、昼間から気軽にハシゴ酒を楽しむ方も多く見られます。
こうした流れから、昼と夜の営業の間のアイドルタイムを活用したり、休日のランチタイムを利用して、昼飲み(昼営業)に力を入れる飲食店が増えてきています。
昼飲みが盛んなエリアとその特徴
東京なら赤羽や上野、大阪なら京橋や新世界、天満など。これらのエリアの飲食店は、古くから夜勤明けの会社員やタクシー運転手、深夜トラックドライバーなどが仕事終わりに立ち寄る店として繁盛してきました。
こうした朝からお酒を飲みに集うエリアが次第に変化を遂げ、昼からハシゴ酒ができるスポットとして話題に。今では昼飲みのためにわざわざ足を運びたいエリアとなりました。
昼飲みが盛んなエリアには、午前中や昼間から営業している居酒屋などの飲食店がひしめき合うように集まっています。昼飲みの醍醐味の一つと言える「ハシゴ酒」は、複数の店舗がなければ成立しません。また、昼間から飲める店とは言っても、たった1店舗では入店をためらってしまう場合も。
複数の店が一つエリアにぎゅっと集まり、昼間から揃って営業しているからこそ昼飲みが盛んになる、ということが言えるのかもしれません。
昼飲みが人気の理由
夜飲みよりも負担が少ない
夜分遅くにお酒を飲むと、アルコールを分解・消化する肝臓は就寝中にも働く必要があり、肝臓への負担がかかります。一方、昼間に飲んだお酒は起きている間に分解・消化されるため、肝臓への負担が軽くなります。
こうしたことから、自分の身体や健康は気になるけどお酒はやめられない!という酒愛好家の間で、昼飲みの人気が高まっています。
※大量の飲酒を勧めるものではありません。非日常感が楽しめる
昼飲みが人気な理由として、昼間からお酒を飲むという非日常感が良いという方も。お酒は夜に飲むものだと思っていた方なら、昼間に飲むお酒はなおさら格別に感じられます。
また普段とは異なり、昼間という早い時間帯からお酒を飲んでリフレッシュし、オフモードになれるのも昼飲みならではの特徴。日ごろの疲れやストレスの発散を目的に昼飲みをするという方もいる程です。昼飲み(昼営業)を強化するメリット
これまでの夜営業に加えて、昼飲み(昼営業)を強化するメリットとして、新たな顧客層の獲得が見込めることが挙げられます。
例えば、小さな子どもや介護が必要な家族がいると、夜に飲みに出かけることが難しい場合も。しかし、子どもなら保育園や学校に、介護必要者ならケアセンターに出かけている昼間のタイミングなら、自由に動きやすいという方も多いです。
そのような夜飲みが難しい層は、酒愛好家であればなおさら、普段飲みに出かけられないことにストレスを感じているはず。そんな層に上手くアプローチすることで、新規顧客の開拓とリピーターの獲得につなげることができます。
また、子ども連れ大歓迎の昼飲み実施店と謳うことで、子どもに優しい飲食店として口コミが広がり、お客様が次のお客様を連れてきてくれる可能性もあります。昼飲み(昼営業)成功のヒント
ハッピーアワーの導入と強化
昼飲み(昼営業)に力を入れるなら、まずはハッピーアワーの導入・強化から始めましょう。
ハッピーアワーとは、お客様があまり入らないアイドルタイムにメニューの割引サービス等を行い、集客を図る施策です。お酒を提供する飲食店では、ランチ営業終了後から夜の営業開始直後(14時〜18時頃)や、夜の営業開始から間もない時間帯(17時〜19時頃)に実施されることが主流です。
割引サービスの事例としては「生ビール、チューハイ半額」「1杯目のドリンクは全て100円」「おつまみが1点無料」など。ハッピーアワーでしか注文できないメニューを用意したり、飲み放題サービスを導入している飲食店もあります。
サービス内容は飲食店によってさまざまですが、通常よりも価格が安くお得に楽しめることをアピールし、集客につなげている場合がほとんどです。
ハッピーアワーのデメリットは、割引サービスによって利益が減ってしまうこと。しかし、空いた席を遊ばせておくぐらいなら、薄利多売でもまずはお客様を呼び込もう!という割り切りも大切です。
街中で飲食店を探す際、一般的には客入りがまばらな店よりも、賑わっている店を選びたくなるもの。よって、早い時間帯からお客様を呼び込み、店内が賑わっている状態を作っておく方が有利なのです。
その他に、ハッピーアワーの時間帯が終わっても、お客様がそのまま飲食を続けてくれることで売上につながるメリットも。また、お酒が安く飲める分、単価の高い料理を頼もうとする心理が働き、結果的に客単価と利益率がUPする可能性も見込めます。ハシゴ酒を再現
前述の通り、昼飲みが盛んなエリアでは午前中や昼間から営業している飲食店が複数集まっており、「ハシゴ酒」を楽しむ方が多い傾向にあります。
そうしたことから、近隣の飲食店と協力してハシゴ酒ができる環境を整えるのも一つの手です。その際、スタンプラリー形式を取り入れる方法も。スタンプが全て貯まると「次回の来店時にドリンクが1杯無料」など、再来店につなげる施策も効果的です。ファミレス飲みを再現
近年、ファミリーレストランでお酒を飲む「ファミレス飲み」の人気が高まっています。お客様があまり入らないアイドルタイムにハッピーアワーを導入し、お酒やおつまみを低価格で提供。ファミリーレストランのメインターゲットであるファミリー層や主婦層、シニア層に加えて、仕事終わりの会社員がお酒を目的に来店するケースも増えています。
お一人様用のボックス席を設けるファミリーレストランも増えており、お酒を飲みたいけど、一人で居酒屋に行くのは気が引けるという方に重宝されています。このように、一人でも来店しやすく、気兼ねなくお酒を楽しめる環境づくりも大事なポイントと言えます。昼飲み(昼営業)での注意点
昼飲みは、肝臓に負担をかけづらい一方で、ハシゴ酒などの長時間の飲酒によってついつい飲みすぎてしまう危険も。まだまだ明るく時間があるという安心感や価格の安さから、お酒がお酒を呼ぶ状態になってしまうのです。
売上が増えるのは飲食店側として非常に嬉しいことですが、泥酔客によって店内でトラブルが発生し、お客様が遠のいてしまうことは避けなければなりません。その他、昼飲みは飲酒運転のトラブルを招きやすいことも。
昼飲み(昼営業)を取り入れる際には、こうしたリスクも十分考慮し、対策を準備しておくようにしましょう。ライター:上田はるか(フリーライター)
大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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