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多国籍な需要が広まる!飲食店を開業する際に外国人を雇う時の必要事項

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外国人を雇う飲食店は増加する傾向にあります。日本人からの求人の応募が少なく、人手不足になっているのなら、採用を検討してみてはいかがでしょうか。ただし、外国人を雇用する時は確認事項も少なくありません。外国人を雇うメリットと注意点について解説していきます。

シェフやバーテンダーなどに外国人を雇う飲食店は多い

人手不足が問題視されている昨今の飲食業界では、外国人の雇用が注目されています。シェフやバーテンダーなどで外国人を雇う飲食店は少なくありません。外国人スタッフがいることで、店内の非日常的な空間の演出にもつながります。店舗の立地によってはその国出身のお客様が集まるでしょう。外国人はもちろん、語学を勉強する日本人が交流や会話の練習に訪れて、国際交流ができるお店として認知されているお店もあります。
ただし、外国人のアルバイトを採用する際には、いくつか気を付けておきたい点もあります。応募があった際には、まず以下の点を確認しておきましょう。

在留資格の確認が必須

まず、入管法上の法的資格である「在留資格」を確認しましょう。在留資格は27種類です。なかには、就労できない資格、就労時間や就労場所に制限がある資格もあります。たとえば、料理人として就労させる場合、農林水産省が推進する「日本料理海外普及人材育成事業」の要件を満たしていないのなら「技能」資格が必要です。
一方、「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の4つの資格には就労の職種の制限はなく、「飲食物調理」「接客・給仕」の就労が可能です。

在留カードの確認も必要

在留カードの確認は必須です。特別永住者の人を除き、在留カードを持っていない場合は原則として就労できません。在留資格が「留学」の場合は「資格外活動許可欄」に注目してください。「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」「資格外活動許可書に記載された範囲内の活動」という記載がある人は就労が可能です。

一部就労制限の内容の確認

就労制限の有無欄に「一部就労制限」がある場合は内容の確認をしなければなりません。確認すべきは「就労制限なし」「在留資格に基づく就労活動のみ可」「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」「指定書により指定された就労活動のみ可」の4つです。
在留カードの確認を怠って不法就労させて斡旋させたしまった場合、事業者も処罰の対象になります。また、「厨房洗い場」「給仕・接客」に関しては外国人の就労許可の対象にならない場合があり、「資格外活動許可」を受けてアルバイトでの採用となります。

外国人を雇う際に最も気を付けたい『ビザ』について

外国人を雇用するにあたって最も気を付けるべきは「ビザ」の問題です。さまざまな制限がありますが、注意点をクリアすれば雇用できます。しかし、事情は個人ごとによって違うため、状況の詳細を確認するとよいでしょう。

・すでに帰化して日本国籍を取得している人
日本に帰化した人は日本人と同じとして扱われ、雇用には問題ありません。帰化申請をしている場合、対象とならないこともあるため注意してください。

・配偶者ビザや定住ビザを取得して日本に滞在している人
日本人や永住者と結婚し、配偶者ビザや定住ビザを取得して日本に滞在している人も日本人と同様に雇用できます。

・働く目的が明確で適正に就労ビザを取得して日本に来ている人
勤務先が変わったことによる申請が必要であっても、働いてもらう時間の制限も特になく、日本人と同様に雇用できます。

・留学および家族滞在のビザで日本に滞在している人
資格外活動をする許可をもらうことで週28時間以内なら働くことが可能です。留学の場合は長期休暇なら1日8時間まで働けます。

・観光ビザで日本に滞在している人
就労や婚姻生活を目的としていないビザの場合は、原則日本で働くことはできません。

・就労ビザで日本に滞在しているもののビザが更新できない状態の人(不法滞在)
不法滞在の場合は雇用してはいけません。充分に確認せずに雇い入れてしまうと不法就労を助長したとし、重い罰則が科せられることもあります。

海外から外国人を呼び寄せる場合、単純労働では就労ビザはおりません。雇用契約を結びオーナーが入国管理局に対してビザの申請を行う必要があります。シェフの場合は申請するビザは「技能」となります。
原則10年以上の実務経験があり、前勤務先などから証明してもらえる人しか許されず、許可基準は厳しいものです。過去に犯罪歴や不法滞在をしていた、オーナーの事業で不正な申請をしていたなどの場合はさらに審査が厳しくなります。

外国人を雇う側の準備として必要なこと

飲食店を開業するときに外国人を雇用する予定なら、事前にいくつかの準備をしておかないといけません。雇用する外国人が雇用保険の対象となる場合は所轄の労働局に「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が必要です。雇用保険の対象とならない場合は「外国人雇用状況届出書」を提出が必要です。
また、雇用するときの労働条件を理解してもらわないといけません。外国人全員が日本語を流暢に話せるわけではないため、外国語の「労働条件通知書」を準備しておきましょう。年功序列や長期雇用慣行などの日本特有の制度や判例法理について配慮するのも大切です。平成22年7月に制度となった外国人の人材育成、技能・技術の実習を目的とした「技能実習制度」の利用も検討してみるとよいでしょう。

外国人を雇うメリットについて

飲食店で外国人を雇う最大のメリットは人手不足の解消です。日本人スタッフを採用しにくい現状において、人手不足解消のために外国人を雇う飲食店は増加傾向にあります。ほかにも、外国人の雇用には以下のようなメリットがあります。

勤労意欲の高さ

外国人と日本人では勤労意欲の高さが異なります。日本で勉強や働くことを目的に訪れており、やる気に満ち溢れている外国人も多いです。やる気があれば、仕事の覚えも早くなり、主戦力となる可能性も高まります。ただ、外国人向けのマニュアルを作成し、日本での働き方をサポートできる体制は整えておきたいところです。

外国人のお客様とのコミュニケーションを任せられる

外国人のお客様が来店したときに、言葉が通じずに接客に苦労してしまうことも少なくありません。外国人のお客様が来店すると予想される場合は深刻な問題になりかねません。外国人を雇うことで、意思疎通を図ることができて、お客様の満足度が上がります。外国人のお客様向けSNSの更新を任せるのもひとつの方法です。

同じ国の知り合いを紹介してもらえる

在日外国人は同じ国の人とコミュニティを形成する傾向にあります。安心して働けると思ってもらえれば、知り合いを紹介してもらうことも可能でしょう。日本人と比べると外国人は働ける場はどうしても少なくなるため、意欲のある外国人を採用しやすくなります。

メニューのバリュエーションを増やせる

外国人を雇ったときには、その国の郷土料理を教えてもらうことができて、今まで知らなかった食材やスパイスの使い方を知るきっかけになります。そのまま魅力的なメニューのバリュエーションを増やす結果につなげられるでしょう。
外国人を飲食店で雇うときには、本当に雇用して問題ないか確認する必要があります。また、言葉の壁や文化の違いなどの問題はあるでしょう。しかし、それ以上にメリットは多いものです。心強い働き手になってくれる可能性はもちろん、日本と外国を繋ぐ架け橋になってくれる場合もあります。特に外国人のお客様が多くなると予想される場合、その存在は大きくなるはずです。慢性的な人手不足に悩んでいる、外国人のお客様への対応ができる人材がほしいといった飲食店は、外国人の雇用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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