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自営業でビジネスをされている方がよく直面するトラブルが、確定申告に関するもの。忙しいからといって後回しにしていると、うっかり申告し忘れていた、なんて話をよく耳にします。「なんとなく確定申告をしないとデメリットがありそう」というイメージは持っているかもしれませんが、具体的にどうなってしまうのかを知っている方は少ないはず。
自営業者が確定申告を怠った場合、どのような不利益があるのかをまとめてみました。確定申告の期間と対象者
確定申告は1年間の所得を合算し、翌年の2月16日から3月15日までの1ヵ月間に税額を計算して書類に必要項目を記載し、税務署に申告することになっています。申告した収入に応じた税額が記載された納付書が後日送付されるので、それに従い納税する必要があります。会社に雇用されているほとんどのサラリーマンは、会社が給与から税金を差し引いて納税しているため、確定申告の必要はありません。しかし、個人事業主の場合は自身で確定申告を行う必要があります。
確定申告をしないと一体どうなるのか
確定申告をしないことによって、さまざまなリスクに遭遇するおそれがあります。ビジネスをスタートさせたばかりの個人事業主にとって、無視できないほどの手痛い金額を追加で納税しなければならない場合があるのです。
追加で徴税されるリスク
期限までに確定申告をしなかった場合、申告しなかったことへのペナルティとして「無申告加算税」を課せられます。無申告加算税は税額50万以下なら15%、50万円を超える場合は20%が上乗せされる計算になります。しかし、期間内に確定申告できなかった正当な理由や、期限後申告書を2週間以内に提出・全額納付した場合、無申告加算税が免除される場合があります。さらに、期限の翌日から遅延した日数に応じた「延滞税」が追加で徴税されることになります。延滞税は期限から2ヵ月以内はその年度の法定税率に特例基準割合か1%を乗じた金額のうち低い方が適用され、それ以上経過すると法定税率に特例基準割合か7.3%を乗じた金額のうち低い方が適用されます。
収入の証明ができない
家や車など金額の大きな買い物を行う際、ほとんどの場合はローンを組むことになります。その際に必要となるのが、収入を証明する書類です。自営業でビジネスをしている場合、確定申告書が収入を証明する書類にあたります。しかし、確定申告をしない場合、収入を証明する手段を失うことになります。当然、税金も払えない状態の人間にお金を貸したいと思う人はいないはずです。そのため、確定申告をしていないとほとんどのローンは利用できないと考えておきましょう。それだけではなく、金融機関などからの融資の審査にも通りません。そうなると、ビジネスを拡大したくても資金が調達できない、という状況に陥ってしまうおそれもあるのです。確定申告によって収入を証明することは、自身のビジネスの信用を証明する手段にもなるのです。
控除などが受けられない
確定申告を行うことにより、所得や税額からさまざまな控除を受けられます。しかし、控除は確定申告を行うことではじめて認められます。確定申告をしなければ「医療費控除制度」なども利用できません。年間の医療費の自己負担額が一定額を超えていても、払い戻しを受けられないのです。また、源泉徴収されていた税金の差額を払い戻してもらえる、還付も確定申告をしなければ受け取れません。源泉徴収で多く納税していた場合、申告しないだけで損をしているおそれがあるのです。
確定申告が難しい場合の対処法
仕事が忙しくて確定申告にまで手が回らない、という場合でも税金は納付しなければいけません。そうした場合は、税理士が書類作成などを代行してくれる「スポット依頼」などの利用も検討しましょう。また、経済状況が厳しくて期間内の納税が難しいと思った場合でも、まずは税務署などに相談してみましょう。一定の条件を満たしているなら、納税に猶予を設けてもらえる場合があるからです。間違っても、面倒だから、払えないからという理由で諦めて無申告のまま放置することは避けましょう。
困ったら税理士に相談しよう!
確定申告や税金は仕組みも複雑なため、どうすればよいか迷ってしまう経営者の方も多いはず。だからといって確定申告をしない、税金を納めないという選択肢は避けるべきです。今回ご紹介したようにさまざまなリスクが発生するため、ビジネスを継続する障害となるおそれがあるからです。やり方わからない、納税するお金がない場合は、迷わず税理士などの専門家や税務署の窓口に相談しましょう。
税理士に確定申告を依頼するメリット
税理士は税金関係の専門家であるため、税金に関する知識の少ない個人が確定申告を行うことによるリスクを抑えることが期待できます。税理士に確定申告を依頼することによるメリットについて見ていきましょう。
正確に確定申告を行ってくれる
確定申告を行う際は帳簿作成が義務付けられていますが、特に複式帳簿という記帳方式の場合は簿記の知識がないと帳簿作成に手間がかかってしまう可能性があります。そのため、自身で帳簿作成を行うと、間違えてしまうリスクが高くなるので注意が必要です。しかし、税理士は税金関係の専門家であるため、正確な書類作成だけでなく、節税対策や期限内の確定申告を行ってくれるため、リスクを抑えることができるでしょう。
事業に専念できる
確定申告を自身で行うとなると、慣れない帳簿作成に時間がかかってしまうなど、本業に支障が出る可能性があります。確定申告の期限が決まっていない場合には、時間をかけることで問題なく行うことができますが、期限が決まっているため、焦って間違うリスクが高くなりやすいので注意が必要です。しかし、税金関係の専門家である税理士に依頼した場合には、面倒な帳簿作成から確定申告までの全てを行ってくれることで、自身の本業に集中できるため、経営に支障が生じさせることなく確定申告できるようになるでしょう。
確定申告の税理士の費用相場
確定申告を税理士に依頼する場合には、専門家に仕事を頼むことになるため、費用が発生します。税理士の費用は、確定申告書のみを税理士に依頼する場合と確定申告を税理士に丸投げした場合とによって費用が大きく異なります。税理士に依頼した場合の費用相場について見ていきましょう。
確定申告書のみを税理士に依頼する場合
帳簿への記帳を自分で行って、確定申告書のみを税理士に依頼する場合には、年間売上が500万円以下の規模の場合は5万円程度、1,000万円以下で7万円程度、3,000万円以下で10万円程度となっています。費用を少しでも抑えたい場合には、帳簿付けを自分で行った方が良いと言えますが、帳簿付けの手間が発生するほか、会計ソフトの導入に年間1万円程度かかるのが確定申告書のみを依頼する場合のデメリットと言えるでしょう。
確定申告を税理士に丸投げした場合
確定申告書だけでなく記帳代行も税理士に依頼する場合には、年間売上が500万円以下の規模の場合は10万円程度、1,000万円以下で15万円程度、3,000万円以下で20万円程度ですが、売上規模だけでなく仕訳の数によっても費用が異なります。税理士事務所ごとに費用が異なるだけでなく、サービス内容も異なるため、どのような業務をいくらくらいで行ってくれるのかしっかりと確認してから依頼するようにしましょう。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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