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たむけん流「お店の作り方」~僕が行きたい店を作る。それしかない!~【たむけんインタビュー】

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”たむけん”の愛称で親しまれているタレントのたむらけんじさん。お笑いタレントとしてだけでなく、焼肉店や中古車屋などを経営するビジネスマンとしても有名です。テレビでは決して見せない(!?)実業家・たむらけんじに迫ります!
連載最終回のテーマは「たむけん流のお店の作り方!」

お店作りは自分の中のイメージに近づける作業をする

――たむらさんの考える「繁盛店」の作り方は、どんなものですか?

たむら:「繁盛店の作り方」かどうかわからないですけど、僕は「僕が行きたい店」を作ります。もうそこが第一ですね。

――そのイメージをいかに作るかが大事。

はい。例えば焼肉屋さんやったら「こういう内装のお店に行きたい」「こういう接客をするお店に行きたい」「こういうサービスがあるお店に行きたい」っていう事をイメージして、できるだけそれに近づけるようにしてます。

新店のイメージは焼肉を安い値段でお客様に食べてもらいたい

――8月にオープンの〈NIKUDONBURIたむら〉は新業態でしたが、どんなイメージだったんでしょうか。

〈NIKUDONBURIたむら〉は、カウンター席でお客さんの回転数をできるだけあげてコスト下げたぶん、焼肉をできるだけ安い値段で食べてもらいたい……焼肉ってどうしても高級なイメージあるじゃないですか。それをお手軽に、パパッと安いお値段で食べてもらいたい、そのためにはどうするんだ? っていうふうに考えたんです。それで、お店を作っていくなかで「何コレ、嫌や」って思う事は全部排除していく。

オープンの準備をしている時が一番楽しい

――お店作りは、全体の内装のイメージはもちろん、テーブルやイスの形、材質などの細部にまでイメージが必要だと思うんですが、そういった細部に関するインスピレーションはどこから得るんですか。

それも、その時の好き嫌いですね。炭火焼肉たむらの本店の改装に関して言うと、「できるだけ〈石感〉を出してくれ」っていうのが、僕のリクエストでした。本店がある蒲生っていう場所は、どっちかっていうと下町で。そこにちょっとラグジュアリーな雰囲気の焼肉屋さんを作ろう、と。そこを第一に考えてやってくれって注文して。で、「トイレには金かけといて」と。その後は、その道のプロしか分からん事あるじゃないですか。「こういう感じやったら、こっちの方が安いですよ」「今、こういう素材が出てますよ」とか、いろいろ教えてもらいます。外観の網はデザイナーさんの提案で、看板の石の感じは僕がやったりとか。でもこのオープンの準備している時が一番楽しいかもしれないですね。オープンしてしまったら、あんまり楽しくないかも(笑)。オープンしてもうたら、考えなアカン事いっぱい出てくるし。夜中の電話が怖いし。

――「何かあったのか?」みたいな。

あと早朝の電話も。あ、あと、あんまりかけてけーへん社員からの電話も(笑)。この間も、ちょっと悩んでた社員から昼頃に電話かかってきたんです。「どないしてん……」「子供生まれました」「ああ良かったー」って(笑)、良い事ももちろんあるんですけど。

日常の出来事がすべて経営に繋がっていく

――たむらさんはいろんなお店に足を運んでいらっしゃって、お店を立ち上げる際のイメージの源泉の豊富さにも関係していると思うんです。逆に、自分のイメージがなかなか持てない人もいると思うんですが。

ああ、そうですかね。そうか、僕、今田さんとか宮迫さんとか、ようメシ連れてってもらいましたもん。それで舌も肥えましたしね。お店入った瞬間に、人ってやっぱり好みがあるから、「このテーブルかっこいい」「ここもうちょっとこうしたらエエのに」とか、そういう蓄積もあるのかもしれないですね。そういえば、この間、ワインとチーズを扱うお店に番組で行ったんです。ワインとチーズなんて、雰囲気は絶対ラグジュアリーなものであるべきだと思うんですけど、レジの周りにいろいろ物が置いてあって、それを隠す為に暖簾というか、布を被せてるんですよ。「もったいないわー」って思って。メッチャおしゃれな店やったんですけどね。うん、ホンマにもったいない。

――細かいところに気がつく、たむらさんのなかの女性目線によるチェックですね。

(笑)。でも店をやり始めてから、ますます酷くなってるかもしれないです(笑)。食べにいったお店の壁をコンコンって叩いてみて「ああ、コンクリートか、アカンなー」って思ったり。コンクリートじゃなかったら壁は抜けるんで、その先の奥行きをイメージして、自分ならこのお店をどうするのか考えたりします。

――たむらさん、お店というハコが好きなんですね。

ああ、そうですね。めっちゃ物件好きです。買うつもりもない家とか見に行ったりします(笑)。外観見つつ、「中、見ていいですよ」ってありますやん。そしたらすぐに行って「見せてもろていいですか」って。全く買う気ないんですよ? だけどじっくり見させてもらって「こう作るんや」「この方面にこう建てんのや」ってしっかり把握して帰る(笑)。そんなつもりじゃないんですけど、結果、すごい勉強になってるのかもしれない。「こんなリビングの取り方あんのや」とか。日本って、だいたい長方形を基本にした部屋の配置になってるんですけど、それだけやと全然面白くないじゃないですか。この前、あるマンションを見に行ったんですけど、そこは、「ええ? そこで切る?」みたいな独特の間仕切りになっていて。

――均一な仕切りじゃないんですね。適当にやってるように見えるけど……

そう、実はちゃんと計算されていて、隠れる所は隠れてる。

日常の出来事がすべて経営に繋がっていく

韓国で新たなスイーツを発見!元祖はウチやって言いたい

――それを「いつか使えるな」ってたむらさんは考えると思うんですね。たむらさんの生活が、全部経営やお店に繋がっているというか。

そうですね。この間も、韓国行っていろいろ食事して、何を言うかと思えば「このスイーツ、もう日本に来てる?」とか。

――バイヤーじゃないですか(笑)。

1コね、今見つけてきておもろいのあるんですよ。それ「早よやって」ってスタッフに言ってるんです。これ出来たらムッチャ面白いですよ。早めに僕が世に出したら、僕が持ち込んだって言えるじゃないですか(笑)。それが流行ってくれたら、どんどん流行ってくれてエエから。「でも元祖はウチや」って言いたいんですよ(笑)。

――「好きこそ物の上手なれ」じゃないですけど、やっぱり好きだから好奇心持ち続けられて、好きだから続けられて、好きだからどんどん新しいものを開拓していける。

そうですね。「好き」。コレだけでいいと思います。

悩んだら早起きしてトレイ掃除!

――これを読んで下さる方に、たむらさんの成功の秘訣の根っこの部分が伝わればと思っているんです。最後に「これだけはやってほしい」というものを、教えていただければと思うんですが。

以前、大学で特別講師をさせてもらったんですよ。その時に「今目標も無いし、ほんまに何をしたらエエか分からんし、ちょっと未来が不安や」と言ってきた学生の子がおって。「今の状況を変える方法ないですかね?」って聞かれたんです。その時に僕が言ったんは、「早起きせーへん?」。「6時に起きたら、例えば今まで9時に起きてたら、3時間、時間できんねんで」って。「その時間にすることは、散歩でもエエやん。家の前を散歩する。もしかしたら人生のヒントになる事に出会えるかもしれへんし。本を読んでもエエねん、映画観てもエエねん。ボーっとしてもエエねん。なんでもエエから、できるから早起きせーへん?」って。そしたら「それやったら出来ますわ」って、すごく感動してくれて。例えば「身体鍛える。1日腕立て100回、腹筋100回、これ毎日やれや」って言われたら、なかなか難しい。「できません」ってなるじゃないですか。でも早起きって、ちょっと自分で頑張ったら出来るんですよ。何も苦しい事なくて、やればやるほど慣れてくるし。実際、僕も悩んだり、しんどいなー、どうしようかなーって思った時は早起きするんです。朝イチにトイレ掃除して、ピッカピカにします。ほんならね、なんやろ、トイレ掃除したあと、絶対エエ方向に向くって思ってるというか、僕の中での法則になってるところがあるのかもしれないですけど、気持ちがスッキリするんです。「オッケーオッケー、行ける」って。何か解決したわけじゃないんですよ? けど、ひたすら掃除することで、なんか気持ちがスッキリして、落ち着くんです。なので、僕から言わせてもらえるとしたら「好きな事を早く見つけて、なんか悩んだら早起きしてトイレ掃除してください」と。もちろん、早起きして何をするかは、ホンマになんでもいいんです。人と違う時間をもって、何でもいいからやれば、少しずつでも先に進めるのかなって思います。

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【プロフィール】

たむらけんじ
1999年に漫才コンビ「LaLaLa」の解散以降、ピン芸人として活動する。株式会社田村道場の代表取締役として「炭火焼肉たむら」「NIKUDONBURIたむら」の運営など、経営者としても活躍。松本人志、宮迫博之、さだ(構成作家)らと共演する人気番組『松本家の休日』(ABC)のDVD第6弾『松本家の休日6』(よしもとアール・アンド・シー)が発売中。
>>炭火焼肉たむら

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