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ランチ営業はディナーへの集客効果、ディナーとの共用で食材の回転率を上げ、仕入れ単価を下げられるなどのメリットは多くあります。しかし利益率が低いだけに、綿密なロス管理なしには利益を出すことができません。まずはランチの主食にして主力である「ご飯」をいかに美味しく無駄なく炊くかが重要です。
業務用炊飯器は電気またはガスで炊く
ご飯を炊く方法は大きく分けて2つ。電気炊飯とガス炊飯です。それぞれにメリット、デメリットがあり、個性も違います。
電気炊飯器のメリット
種類が多いのが最大のメリット。加熱方式にはIH炊飯、圧力IH炊飯、マイコン炊飯。内釜の素材も、銅、鉄、土鍋などバリエーションが豊富です。細かな温度調整がしやすく、安全面もガスに勝るポイントです。ガスより味が劣ると言われていますが、毎年進化し美味しさを訴求する機種も続々と登場しています。価格帯の広さも魅力ですが、安さだけで選ぶと味も悪く電気代もよりかかったという事例もあり、選択肢が多いだけに事前リサーチが重要です。
ガス炊飯器のメリット
一番のメリットは「味」。一気に炊き上げることで、甘み、香り、粘りが際立つご飯本来の味わいになります。東京ガスが行った食べ比べ調査では、75%の人がガスで炊いた方が美味しいと答えています。また、炊飯時間が電気の半分ほどと短く、光熱費も抑えられます。デメリットは商品の種類が少ないこと、炊きあがったご飯を保温ジャーに移す手間がかかることが挙げられます。
土鍋炊きなどの方法も
さらに「味」にこだわって土鍋を使う店も増えています。土鍋で炊くこと自体が売りになるという側面があります。家庭用の炊飯土鍋がヒットしていることからも、土鍋ご飯に対する需要が高まっていることが伺えます。業務用で使える大型の炊飯土鍋も安価なものから販売されているので検討する価値はありそうです。
業務用炊飯器の価格は?
家庭用と比べて業務用炊飯器はどれくらいの価格になるのでしょうか。実際の価格を比べてみましょう。
電気炊飯器
象印業務用での比較です。保温の機能もあり便利ですが、サイズは1〜3升炊きと小さめなので、複数台必要になります。
・1升用 圧力IH炊飯ジャー 100,000円/IH炊飯ジャー 55,000円
・2升用 IH炊飯ジャー 135,000円/マイコン炊飯ジャー 90,000円
・3升用 IH炊飯ジャー 203,000円ガス炊飯器
パロマ業務用での比較です。電気炊飯器より大きめです。保温機能がないので別途保温ジャーが必要ですが、保温のできるタイプ(1.6升用41,000円〜)も販売されています。
・1.6升用炊飯器26,000円〜27,000円
・2.2升用炊飯器30,000〜31,000円
・3.3升用炊飯器36,600円
・4.4升用炊飯器41,500円
・5.5升用 45,500円炊飯器はさらにマイコン式とIH式に分類される
炊飯器は、炊飯時に使うエネルギーによって電気炊飯器とガス炊飯器に分類されましたが、加熱方法によってマイコン式とIH式にも分類されます。マイコン式と加熱式はどのような違いがあるのでしょうか?マイコン式とIH式のそれぞれの特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。
マイコン式
マイコン式は1979年から販売されている炊飯器で、底を加熱して内窯に熱を伝導させる方式であることから、コンロに釜を乗せて炊飯を行うことと同じ効果が得られます。マイコン式のマイコンとは、マイクロコンピューターのことです。マイクロコンピューターが搭載されていることで、火力や炊飯時間のコントロールができるようになったため、炊飯時の細かな調整や保温も可能になりました。マイコン式は、炊飯器自体の構造がシンプルであるため、購入費用を安く抑えられるほか、手入れしやすく故障が少ないのが特徴です。また、消費電力も少なく、電磁波の心配がないこともメリットとして挙げられるでしょう。一方で、火力と言う点ではIH式よりも弱いため、より多くのご飯を炊かなくてはならない状況では、ムラが出やすいのがデメリットと言えるでしょう。
IH式
IH式とは、電磁力によって内窯全体を直接過熱して、炊飯や保温を行う炊飯器のことです。オール電化の家庭が増えたことによって、IHクッキングヒーターという名称を聞くことが増えたため、新しいタイプの炊飯器と思っている人が多いかもしれませんが、1988年には既にIH式が登場していました。近年は、性能面の高さからマイコン式からIH式に主流が変わりつつあります。マイコン式は、底を加熱して内窯に熱を伝導させましたが、IH式は、底だけでなく側面部や上部といった全方向から強い火力で一気に炊き上げるのが特徴です。そのため、内窯全体を均一に加熱できるのでムラが出ないのも大きな特徴です。IHとは、電磁誘導加熱のことで、コイルに高周波電流を流すことによって発熱されます。IH式にはインバーターが搭載されていて、マイコン式より細かな温度設定に対応できるだけでなく、固さの設定、白米以外の雑穀や玄米などの炊飯や保温も可能になりました。IH式は大量のお米でも均一に炊くことができる、米立ちが良い、細かな設定が可能であることがメリットとして挙げられます。一方で、製品価格がマイコン式よりも高くなるほか、消費電力が多いため、場合によってはブレーカーが落ちる可能性がある、構造が複雑なため、重くて手入れしづらいことがデメリットとして挙げられるでしょう。
炊く量によって変える
お米を炊く量が3合未満の場合は、底だけを加熱するマイコン式でもムラなく炊くことができるだけでなく、購入費用、消費電力などのコストも抑えることが期待できます。一方で、お米を炊く量が3合以上の場合は、全体を加熱するIH式の方がムラなく炊くことができるため、多くのお米を準備する店舗で、かつ品質を求める場合にはIH式の方が良いと言えるでしょう。しかし、最近は、同じ種類の炊飯器でも、メーカーや製品によって特長が大きく異なってきています。例えば、マイコン式はIH式と比べると火力が弱いため、炊きムラが生じるというデメリットがありましたが、最近ではヒーターを増やして火力を上げている製品も登場しています。また、IH式はマイコン式と比べると高価であるほか、大きいため手入れしづらいというデメリットがありましたが、最近では低価格になっており、小型化・軽量化も進んでいます。炊飯器を選ぶ際には、それぞれのメリットとデメリットを総合的に考えて、目的に合った炊飯器を選ぶようにしましょう。
ランチタイム、ご飯は何合用意しておけばいいのか
例えば、1人前0.5合、30分20人の計算なら10合が必要です。ランチタイム11:30〜14:00なら50合(5升)となります。実例を見ても、都心にある12席規模の繁盛店では5〜7回転、つまり30〜42合もが消費されており、まさに時間と量との戦いです。足りないのは論外ですが、時間と量のロスをいかに抑えられるか、その「読み」がランチの利益率を大きく左右します。
ガスの速さや内釜を変えて連続炊き
量とスピードを求められるランチでの炊飯は効率化が必須です。効率的な方法のひとつに浸水ポットを利用するやり方があります。いくつかのポットに研いだ米を浸水させておき、すぐに炊けるようスタンバイしておくのです。また、ピーク時に対応できる炊飯器を使う方法もあります。ガスでは15分という驚異的な速さで炊くことができる5.5合炊きが登場。電気では内釜を別途用意すれば、次から次へと連続炊飯ができる1升タイプもあります。
参考記事:【儲かる?】ランチ営業を始める3つのメリットと2つのデメリット飲食店を開業するには?必要な準備の4ステップをわかりやすく解説この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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