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お酒、アルコールを取り扱っている飲食店のテイクアウトについて説明します。
お酒を売るには、その販売免許が必要です。
飲食店を開業する場合、その免許を取得しているケースはあまりないのでは?
飲食店で飲料メニューとしてお酒を提供することと、商品であるお酒そのものを販売することは区別されており、お酒を販売するためには「酒類販売業免許」が必要になります。
飲食店のテイクアウト需要が高まっている現在、飲食店がお酒のテイクアウトをすることはできるのでしょうか?
2020年4月9日に国税庁が発表した、一時的なお酒を販売する免許「期限付酒類小売業免許」についても記述します。目次
まずは「酒類販売業免許」を知る
お酒を商品として販売するには免許、「酒類販売業免許」が必要です。
飲食店でお酒を提供する場合との違いから見てみます。免許には区分がある
酒類販売業免許には、営業しようとする形態や販売先などによって免許区分は異なります。まずは「小売」と「卸売」に大きく分かれます。さらに小売では、現在お店を運営していて、その店舗内でお酒を販売したい場合には「一般酒類小売業免許」が、店舗を構えずにネットだけでお酒を販売したい場合には「通信販売酒類小売業免許」の取得が必要となります。
販売場所には制限がある
飲食店は小売業なので、「一般酒類小売業免許があればいい」と考えがちですが、免許の取得には「申請販売場が、酒類の製造場、酒場の販売場、酒場、旅館、料理店等と同一の場所でないこと」がひとつの条件となっています。つまり原則、飲食店での販売はできないということになります。
「酒類販売業免許」がない場合、どこまでなら「お店で提供」と言えるのか?
原則、酒類販売業免許を取得できない飲食店ですが、お酒をメニューとして提供すること自体は問題ありません。
お祭りの露店などで、コップに注いで販売するようなケースも同様です。
ただ、封を切っていないボトルやビンを販売することは禁じられていますので、そこが要注意です。
封を切っていないボトルやビンを販売してしまうと、酒税法上「1年以下の懲役または50万以下の罰金」を課せられることになります。「酒類販売業免許取得」のための条件
しかし飲食店としては、お客様を惹き付け、経営の幅も広げられるチャンスをみすみす見逃す手はありません。
実は、条件が揃えば、酒類販売業免許を取得することが可能になるのです。
そのポイントを挙げてみましょう。販売場所を区別する
取得条件である「同一の場所でないこと」とは、飲食店の場合、販売する場所が、他の客席などと区別されていればいいということ。パーテーションで区切った程度では難しいですが、個室など飲食スペースと異なるスペースが確保できれば認められることがあります。レイアウトや間取りの変更が可能であれば申請可能なケースもありますので、今の店舗図面を持参し、税務署に相談してみましょう。
帳簿を区別する
飲食業とお酒の販売業をきっちり分けて管理する必要があります。つまり、会計レジや帳簿、納品書などを、それぞれ別にしなくてはなりません。納品書や領収書は、仕入先を別にするか、同じ仕入先であれば酒類販売用として明確にわかる形でもらうようにしましょう。
「期限付酒類小売業免許」でお酒をテイクアウト販売する
前述の通り、2020年4月現在、新型コロナウイルスの流行による自粛要請、緊急事態宣言によって、飲食店によるテイクアウト販売が一気に加速しています。
その中で、「お酒もテイクアウト販売したい」という希望は当然のこと。
このような状況を鑑み、国税庁酒税課が「期限付酒類小売業免許」を新たに設けています。
簡単に言えば、飲食店等がお店で提供しているお酒、アルコール飲料をテイクアウト販売するための一時的な免許のことです。
2020年6月30日までに申請されたものが対象で、数日で取得ができ、6ヶ月の期限付きでお酒を販売することができます。
申請方法などは、国税庁のホームページから確認できます。
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/kansensho/index.htm許可なしでは絶対だめ!お酒テイクアウトの注意点
飲食店がお酒をテイクアウトするための免許、取得方法などについてまとめてきました。
テイクアウト需要の高まりでお酒のテイクアウトを実施したい、と思う飲食店が多いのは当たり前ですが、ルールに則らず販売をすることは絶対にNGであることに変わりありません。
昨今の状況を鑑みた「期限付酒類小売業免許」も検討し、お酒のテイクアウトの必要を検討しましょう。
ビジネスはルールのもとに進められるものであり、「ちょっとならば…」が許されることは無いことを改めて知っておきましょう。【居酒屋】の開業方法はこちら≫「居酒屋を開業するには?開業資金や準備、繁盛するための対策とは?」
【バル】の開業方法はこちら≫「バルを開業するには?開業資金や準備、繁盛するための対策とは?」
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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