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【小阪裕司コラム】第44回:ささやかながら強力な絆作りには

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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

誕生日にお客様との絆を深める

 今回は、ある美容院と化粧品店での、ささやかながら強力な絆作り活動のお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の取り組みだ。
 まずは美容院。店主は常々「誕生月に来たお客さんへのプレゼントをどうするか」を考えていた。これまでもプチギフトをプレゼントしてきて、喜んでもらえてはいるが、もうひとつしっくりこない。さらに良いものはないものか、と。
 そんなある日、「冷凍ケーキ」に出合った。ケーキのプレゼントは以前考えたことがあるが、来店直前に買いに行かなければならず、少し大変だ。しかし冷凍ケーキなら、前もって買って店で冷凍保管しておき、解凍して出せばよい。
 そこで早速注文し食べてみると、これがなかなか美味しいし、解凍時間も30分ほど。お客さんが来店する少し前からの準備で大丈夫。よしこれなら、と決め、次は演出。ハッピーバースデーと書かれたきれいな紙皿と共にローソクを準備。電気を消してハッピーバースデーの曲を流しながらローソクに火を点けて出し、吹き消してもらうようにした。
 そして実際行ってみると、期待以上に喜ばれた。ケーキを写真に撮る方はもちろん、家族のグループLINEに送る方、ある男性客には、帰り際まで何度もお礼を言われ、大いに手ごたえを感じたのだった。
 次に化粧品店での取り組み。こちらはさらにシンプルに、お客さんが美容の施術を受ける鏡の前に、バースデーメッセージボードを置いた。ここでのポイントは、そこにお祝いメッセージと共に、お客さんの「下のお名前」を書くこと。さらに、来店されたお客さんには「○○(下の名前)さん、お誕生日おめでとうございます」と声をかけるようにした。
 こちらもまた想像以上に喜ばれた。お客さんからは、「年を重ねるにつれ、『○○の奥さん』『○○ちゃんのママ』など、周りからも家族からも下の名前で呼ばれることがなくなってきたから、久しぶりに呼ばれて嬉しい」「誕生日なんて、お祝いどころか覚えてくれてもいないから、感動した」などの声が上がった。

アクションを起こすことが大切

 誕生月などの、お客さんを喜ばせられる機会。そんなときは、ささやかでもいい、彼らのように何か考えて、アクションしてみることをお薦めする。お互いに気恥しいこともあるだろうが、嬉しいものだ。そしてそういうことを考え実行してくれたあなたのことを、お客さんは大切に思うようになっていくのである。

〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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