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消費者の飲食店検索ツール、飲食店の集客ツールとして欠かせないグルメサイト。しかし、最近ではグルメサイトよりもGoogle マップを使って飲食店を探す消費者が増加傾向にあり、グルメサイト離れが進んでいるという話も聞こえてきます。
そこで今回は、グルメサイトの存在感が薄まる背景について解説するとともに、主な飲食店検索手段を比較。今後それぞれの飲食店検索手段・サービスとどのように付き合っていくべきかを考えます。加速するグルメサイト離れ
株式会社TableCheckが2022年6月に実施した「グルメサイト※に関する意識調査」によると、全国の20〜60代の男女1,100人のうち、30.4%がグルメサイトを信頼していないことがわかりました。この数値は2年前の調査結果と比べて約1.2倍です。
また、飲食店検索に利用するツールを複数回答で尋ねると、86.1%が「Google」と回答。Googleが初めてグルメサイトを抜いてトップになりました。
2年前の調査結果と比べると、グルメサイトは78.9%(2020年)→ 61.3%(2022年)へと大幅に減少。Googleは78.5%(2020年)→ 86.1%(2022年)に増加。グルメサイト離れが加速する一方で、Googleの存在感が高まってきていることがわかります。
さらに、グルメサイトの利用頻度を尋ねた結果では「変わらない」(56.6%)が最多だったものの、「減った」(17.7%)、「利用・閲覧しなくなった」(8.8%)を合わせた26.5%が、減った・利用しなくなったと回答。2020年の19.0%、2021年の42.8%に続いて、利用頻度が減った層が増えた層を上回る結果となりました。
理由としては、「自分好みのお店が見つからない」(28.8%)、「信頼できる情報ではない」(21.2%)といった回答が上がっています。
※グルメサイト
飲食店などの情報を扱うWEBサイトのこと。店名や住所、電話番号、営業時間といった基本情報に加えて、メニュー内容や来店客によるレビュー(口コミ)、評価などを掲載。飲食店検索だけでなく、空席確認やネット予約も可能です。
出典:株式会社TableCheck
グルメサイトの存在感が薄まる背景
飲食店検索手段の多様化
昔はグルメサイト一択だったものの、今ではGoogle マップやSNSでも容易に飲食店を探せるようになりました。そうした飲食店検索手段の多様化も、グルメサイトの存在感を薄める要因になっています。
Z世代を中心とする若者の間では、まずはInstagramやTikTokでおいしそうな料理や飲食店を検索。それから店名をネット検索して評判を確認するという流れが当たり前になっているようです。
参考記事:飲食店がTikTokを取り入れるべき理由とは?動画集客のポイントも解説飲食店検索手段の比較
グルメサイト
店舗の基本情報やメニュー、口コミが見られるほか、空席確認やネット予約が可能。また、割引クーポンが利用できたりポイントが貯まったりとお得になる点も、グルメサイトならではの特徴として挙げられます。
飲食店にとっては、空席確認・ネット予約のシステムによって業務効率化が期待できる一方、検索結果で上位表示されるためには高額な掲載料を支払う必要があります。シンプルに店舗情報を掲載したいだけであれば無料契約も可能ですが、それではなかなか集客効果が得られないのが現状です。
さらには、月額固定の掲載料以外に、グルメサイト経由で予約が入るごとに従量料金(送客手数料)も発生します。
一方で、株式会社TableCheckの「グルメサイトに関する意識調査」によると、予約ツールとしての利用率は「グルメサイト」「電話予約」が20%以上、「Google」「SNS」が5%以下と大きな開きがあることがわかります。GoogleやSNSを介した予約の普及はまだ途上段階にあり、グルメサイトの強みであるといえます。Google マップ
元々はシンプルな地図検索サービスだったGoogle マップですが、2014年にGoogle マイビジネスというサービスがスタート。Google マップ上に店名・住所・電話番号・メニューなどの店舗情報を掲載できるようになりました。
場所と料理名を入力して地図検索するだけで、一度に複数の飲食店が表示され、基本の店舗情報やメニュー、口コミなどが見られます。曜日ごとの混雑具合が見られる、現在地から店舗までの経路検索ができることも、Google マップならではの特徴です。
飲食店にとってのメリットは、掲載料が無料であること。また、Google マップに店舗情報を掲載することでGoogle検索結果でも上位表示されやすくなることから、高い集客効果も期待できます。
冒頭で解説したように、飲食店検索手段としてのGoogle マップの存在感は年々増すばかり。ネット検索結果で上位表示されるためのSEO対策に代わって、Google マップでの表示順位を上げるための「MEO(マップエンジン最適化)対策」を重視する動きも強まっています。
MEO対策については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
参考記事:集客に効果を発揮する「MEO対策」とは? 飲食店はGoogle マップの上位表示を狙え!SNS
近年では、若い世代を中心にSNSを使って飲食店を検索することが当たり前となっています。中でも写真や動画に特化したInstagramやTikTokは、店舗や料理の魅力を視覚的に訴えられることから飲食店検索と相性が良く、拡散力も高いのが特徴です。
グルメサイトに不信感を抱いている消費者にとっては、一般消費者の生の声を知れるSNSの方が信用できると判断されることも。評価点数ではなく、自分が信頼している友人やインフルエンサーがおすすめしているから選ぶという心理傾向も見られます。
Google マップと同様に掲載料は無料。SNSでアカウントを作成することで、メニューや店舗情報を自由に発信できます。2022年5月からは、Instagramにも地図検索機能が実装されており、飲食店をより見つけやすくなっています。飲食店検索手段・サービスを使い分ける時代へ
飲食店検索手段・サービスの多様化により、今やGoogle マップやSNSでも容易に飲食店を探せるようになりました。Google マップやSNSの勢いや存在感は年々増していますが、グルメサイトも、空席確認やネット予約ができる、クーポン利用やポイントが貯まるという点では、まだまだ価値ある手段だといえます。
グルメサイト一択だった時代は終わりを迎え、消費者も飲食店も、飲食店検索手段・サービスを使い分ける時代へと今まさに移り変わりつつあります。それぞれの特徴を踏まえ、目的に合わせて飲食店検索手段・サービスを選ぶことが当たり前になっていくでしょう。
ライター:上田はるか(フリーライター)
大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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