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リピーター獲得に激辛料理!? 激辛料理が経営に及ぼす驚くべき事実とは?

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テレビの情報番組やバラエティでたびたび取り上げられる「激辛料理」。
辛さ○○倍の激辛カレーや真っ赤な色をした激辛ラーメンなど、数多くの激辛メニューが存在します。
タレントやレポーターが挑戦し、あまりの辛さに悶絶する姿は「お気の毒」のひと言に尽きますが、自分も激辛料理に挑戦してみたいと思う人が多くいるはず。
とくに、七味唐辛子やタバスコをがんがん使うタイプの辛いもの好きは、普通の人が辛いと思う程度では物足りず、さらに刺激の強い「激辛」を求める傾向にあります。
飲食店だけでなく、コンビニの商品棚にも当たり前のように「激辛」は存在します。カップラーメンやスナック菓子、レトルトカレーなど、日常に溶け込む「激辛メニュー」の数々。
辛いものはクセになると言いますが、ひとはなぜ激辛料理にハマるのでしょうか。
それを飲食店メニューに活用する方法を考えます。

激辛料理の癖を利用する

人間の身体に「衝撃」が加わると、ヒトはその「衝撃」をより鮮明に記憶します。
楽しい想い出より、辛い記憶の方が忘れられないのはそのためです。
辛い食べ物は、少なからず人間に衝撃を与えます。
辛い物好きな人は、この衝撃がネガティブなイメージではなく、好ましいイメージとして残っているのです。
好ましい出来事を、人は繰り返そうとします。
これが、激辛料理をまた食べたくなる心理です。

さて、具体的にどのような物質で人の心理は操られているのでしょうか。

アドレナリン

激辛料理を食べると、「辛い!」と思った瞬間に毛穴という毛穴から汗が吹き出し、テンションはマックスに。そして、食べ終えたと時は達成感とともに、すっきりと爽快な気分になるものです。そして、数日経つと、また「激辛料理」が食べたくなる……。
なぜ、このような状態になるのでしょうか。
人間の味覚は、甘み、塩味、酸味、苦味、うま味の5味を感じることができますが、ここに「辛み」は含まれていません。実は、辛みは味ではなく、舌が感じる「痛み」なのです。唐辛子など、辛い食べ物の中には、口の中や舌の粘膜などに強い刺激を与える「カプサイシン」という成分が含まれています。このカプサイシンによって刺激された「痛み」が、辛さの正体。そして、舌に痛みを感じた脳は、体を守るために「アドレナリン」という脳内ホルモンを分泌させます。
このアドレナリン、身の危険を回避するために、脳を興奮させ、血管を拡張して運動能力を向上し「戦闘状態」にするという驚異のパワーを秘めています。例えば、事故やケンカの真っ最中には痛みを感じないというのも、アドレナリンの作用によるもの。つまり、脳にとって辛いものは、身の危険なのです。

エンドルフィン

辛いものを食べると、アドレナリンのほかにもうひとつ「エンドルフィン」という脳内ホルモンが分泌されます。実は、辛いものがクセになってしまう秘密は、この「エンドルフィン」が関係しています。
エンドルフィンは、「脳内麻薬」とも呼ばれ、苦痛を和らげるモルヒネと同じような働きをします。辛いものを食べると、アドレナリンが分泌され、脳に大きなストレスを与えます。そのストレスを和らげるのがエンドルフィン。
エンドルフィンは幸福感や爽快感を与えます。辛いものを食べると、すっきり爽快になるのもエンドルフィンによるものです。
そして、ここからは少し怖い話になりますが、エンドルフィンには結合する受容体があり、この受容体はエンドルフィンの分泌量に合わせて増えていきます。そして、受容体が増えると、今までよりもさらに多いエンドルフィンが分泌されないと、恍惚感を得られなくなってしまうのです。エンドルフィンを多く分泌させるには、より多くのアドレナリンが必要です。そのため、いつもの辛さでは満足できなくなり、より辛いものを食べてアドレナリンを分泌させようとします。
辛いもの好きがどんどん辛いものを求めてエスカレートしていくのは、このような脳内ホルモンの仕組みがあるからなのです。これらの作用を利用することは安定経営の秘策といえるでしょう。

【参考】激辛料理に使われる世界一辛い食べ物5選

唐辛子といっても、世界にはさまざまな種類があります。激辛料理に欠かせない、辛さ自慢の唐辛子を5つご紹介します。

スコッチ・ボネット

ジャマイカの「ジャークチキン」という郷土料理に欠かせない、スコッチ・ボネット。小さな風船のようなコロンと可愛い見た目と、フルーティーな甘みが特徴です。

ハバネロレッドサビナ

「ハバネロレッドサビナ」は、メキシコのユカタン半島原産。ハバネロの一種ですが、
その辛さはハバネロの約2倍!暴力級の超激辛です。
日本で最も有名な激辛唐辛子といえば、「ハバネロ」。スナック菓子にもなっているので、食べ慣れているなどと思わないように。実際のハバネロは、超激辛です。

ブート・ジョロキア

バングラディシュ原産の「ブート・ジョロキア」は、2007年に「世界一辛い唐辛子」としてギネス世界記録に認定されました。別名「ゴーストペッパー」。ハバネロの約10倍辛い、まさに「悪魔の唐辛子」です。

トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー

先端がサソリの針のようにとがっていることから、スコーピオンと呼ばれている唐辛子。トリニダード・トバゴ原産の唐辛子をもとに誕生した品種で、2011年に「世界一辛い唐辛子」として、ギネス世界記録に認定。その世界一の差を奪ったのが……

キャロライナ・リーパー

この「キャロライナ・リーパー」です。スコーピオンを超え、現在「世界一辛い唐辛子」に輝く、別名「キャロライナの死神」。アメリカでは度々「キャロライナ・リーパーの大食い大会」が開催されており、2016年の優勝者は1分間に22個を平らげたとか!

激辛料理をダイエットや健康にも効果が…メニューのヒント

唐辛子に含まれる「カプサイシン」には、代謝を上げて脂肪を燃焼させる効果があります。体温が上昇し発汗作用で、ダイエット効果が期待できます。ただし、辛いものはカロリーの高いご飯や麺など炭水化物との相性が良いので、つい食べ過ぎてしまう傾向があり注意が必要です。また、辛いものは血流を良くするので冷え症の改善など、適量ならばよい効果も期待できるでしょう。
とはいえ、唐辛子の刺激は、体にあまり望ましくない影響を与えることのほうが多いようです……。

トラブルを回避する…大量摂取に対する注意喚起を

辛さは痛みに似ているため、痛みも繰り返せば痛くなくなるのと同様、辛い物も食べ続けていると辛さに強くなります。激辛料理が得意な人は、痛みの感じ方が鈍いだけでなくさらに胃腸も丈夫であると考えられますが、過度の摂取では健康被害が生じる可能性があるので、飲食店の場合は後でトラブルが発生するのを防ぐためにも、注意喚起を行っておくことが重要です。

胃炎や胃潰瘍になるリスク

唐辛子の辛み成分として有名なカプサイシンは、少量摂取であれば健康に良い効果があります。例えば、胃酸の分泌を抑え、胃粘膜の血流を増加させるなどです。その効果もあって、胃粘膜保護作用になり、胃炎や胃潰瘍を起こしにくくなるというメリットがあります。
一方で、大量摂取した場合には健康に悪影響が生じます。例えば、胃酸の分泌が促進されて胃粘膜障害を起こし、胃炎や胃潰瘍を起こしやすくなってしまうなどです。また、それらの症状が悪化すると、食道がんのリスクも高くなります。何事も度を越えてしまうのは良くないと言えるでしょう。

その他の症状を発症するリスク

小腸や大腸にもカプサイシンに反応する組織が見られます。特に組織が集中しているのが、肛門側にあるため、痔を抱えている人の場合には症状が悪化する可能性があるので注意が必要です。潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の人は摂取を控えた方がいい場合もあるため、注意喚起を徹底する必要があるでしょう。
辛い物を食べた後は腸を刺激するため、下痢になりがちです。また、気管支を刺激するため、喘息が悪化する可能性もあります。激辛料理は、話題性が強いですが、取り扱いには細心の注意を払うようにしましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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