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スイーツバイキングで元をとる方法は?お店はどのくらい儲かるの?

スイーツバイキングで元をとる方法は?お店はどのくらい儲かるの?

いろんな種類のスイーツを少しずつ、お腹いっぱい食べられることで人気を集めているスイーツバイキング・ビュッフェ。
しかし、ケーキ屋などで売られているスイーツ1個の値段を考えると、食べ放題は割に合わないようにも……。
スイーツバイキング・ビュッフェはお店側にとってお得なスタイルなのでしょうか。
スイーツバイキング・ビュッフェの仕組みを知って、儲かる方法を考えましょう。

スイーツの原価率ってどれくらい?

1個100円を下回るものから1,000円を超えるものまで、さまざまな価格で売られているケーキですが、一般的には、400円~500円前後の設定が多いようです。
ケーキの1個あたりの原価は、60円~80円前後と言われ、仮にケーキ1個を400円とすれば、原価率は15%~20%です。
ケーキの材料は、主に小麦粉と砂糖、鶏卵、そして生クリーム、フルーツ。
小麦粉や砂糖は季節に左右されること少なく、比較的安定した価格で仕入れることが可能ですが、新鮮さが求められるフルーツや生クリームをふんだんに使えば、原価率もその分高くなります。

また、アイスクリームの材料も新鮮な生クリームが欠かせません。
一度に大量に作れるため原価は低めに抑えられると思われがちですが、ひとつあたり原価はおよそ30円~50円といわれています。
専用マシンなどの導入やメンテナンスのことを考慮すれば、店側にとってのメリットが大きいとは言えません。
しかし、衛生面に配慮すれば比較的保存が利き、暑さの厳しい季節などには多くのお客様に好まれるメニューでもあります。
スイーツビュッフェを提供する場合には、この原価率に着目し、当然ながら原価が低いものを多くラインナップする必要があります。

スイーツバイキング・ビュッフェ価格設定のカラクリ

スイーツバイキング・ビュッフェ形式にして気になるのは、その制限時間や価格の設定です。
首都圏のスイーツバイキング・ビュッフェ専門店は、80分~90分、1,000円~2,000円程度というのが相場でしょうか…。

「儲けが出る価格設定」を鑑みれば、特別なケーキやクレープを使ったケーキ、季節ものならアイスクリームやかき氷など、基本は「メニューの豊富さ」を“ウリ”にしているケースが多くみられます。
スイーツはバイキングやビュッフェに限らず、原価の高い「フルーツ」をどう提供するか?で大きく価格が変わってきます。
バイキングやビュッフェは、よく見てみるとフルーツのケーキなどは少なめだったりするのです。

スイーツ専門店でなくてもできるスイーツバイキング・ビュッフェとは?

スイーツバイキング・ビュッフェはフルーツパーラーや洋菓子店など、専門店に限ったサービスではありません。
例えば、ホテルのレストランでは、「デザート食べ放題」とうたったプランが数多くあります。
オプションとして、ローストビーフやサンドウィッチ、フライドチキン、パスタ、ピザなどのメニューを提供していたり、ドリンクもお茶類やソフトドリンクだけでなく、アルコール類もフリーにしていたりするコースもあります。
おやつという感覚よりも、ランチやディナーを兼ねて訪れているお客様もたくさんいるようです。
なかにはティータイム限定で、ドリンク付きのスイーツバイキング・ビュッフェ形式にしているところもあります。
これなら街のカフェやレストランでも応用できますね。

ズバリ!スイーツバイキング・ビュッフェは儲かる?

お客様にとって、90分1,500円のスイーツバイキング・ビュッフェでは、通常400円で提供されているコーヒーとケーキなら、コーヒー1杯とケーキを3個以上食べることで、おおよそ“もと”がとれる計算になります。
この場合、店側にとって、どのくらいの利益があるのかといえば、スイーツバイキング・ビュッフェの設定価格から原価を引いた値段、つまり、ケーキ同様に原価を60円としたコーヒー1杯とケーキ3個で、利益(粗利)は1,260円となります。
スイーツバイキング・ビュッフェでなければお客様1人あたり、コーヒー1杯とケーキ1個の注文がせいぜい。
粗利は680円です。客単価もスイーツバイキング・ビュッフェには到底かないません。
スイーツバイキング・ビュッフェは、使う材料次第では、店側の利益面での大きなメリットとなり、お客様の“別腹”にとっても、非常に満足度の高いシステムなのです。

スイーツバイキング・ビュッフェはリピーターを作りやすい

スイーツバイキング・ビュッフェで行列のできる人気店を見てみると、毎日のランチタイムとディナータイム、あるいはティータイムでメニューを変えて、リピーター客を飽きさせない工夫がなされているのがわかります。
スイーツビュッフェなら、メインディッシュより比較的メニューの変更や新メニューを出しやすいのが利点。
季節限定の旬の食材、クリスマスやハロウィーンといったイベントにちなんだメニュー、映画やドラマ、小説にでてくるスイーツの再現など、目で見てわかりやすく特徴のあるテーマを掲げやすいので、「以前来たときは違うメニューがたくさんある」と、集客を図りやすくなります。
たとえば同じ主婦層がターゲットであったとしても、ディズニーの物語のテーマなら子どもと一緒に、インスタ映えするスイーツの特集ならママ友と一緒にと、さまざまな来店動機を作ることができるのも、スイーツビュッフェのおもしろさです。

スイーツバイキング・ビュッフェが儲かるもうひとつの理由

原価は大切なポイントですが、利益を決めるのは原価だけではありません。
儲けから場所代や光熱費などの必要経費を引かなくてはなりませんが、なかでも支出の多くを占めているのが「人件費」です。
通常の飲食店なら、お冷やおしぼりなどの提供から始まり、細かなオーダーを取り、料理を運び、食べた皿を下げ、会計をするまで一通りのことをこなさなければなりません。
人気店となるには、スタッフのサービスの質というのも評価の大事なポイントとなりますので、アルバイトでは賄いきれないことも多くあるでしょう。
その点、スイーツビュッフェ形式なら、ホールの責任者と、テーブルへの案内と会計レジができるスタッフにベテランを配置しておけばOK。
あとは少なくなった料理の補充やテーブルの片づけがメインなので、比較的経験値の少ないスタッフでも対応でき、総じて人件費を抑えることができるのです。
小さな洋菓子店やカフェでは、ビュッフェタイムは食器の返却をお客様にお願いしているセルフサービスの店もあります。

スイーツバイキング・ビュッフェを行う際はルールを決めること

食べ放題ではありますが、皿に盛るだけもって、食べきれずに残してしまうマナーの悪いお客様も少なくありません。
こうした食べ残しのロスがかさむと、いくら儲かる仕組みになっているスイーツバイキング・ビュッフェとはいえ、利益が上がらない危険性があります。
まずは、一度にたくさん取れないよう、皿の大きさを小ぶりにしたり、「一度に取れるスイーツは2個まで」といったルールを決めたりすることによって、お客様にお腹の具合を考える機会を与えるというのも一案です。
いわゆる“バイキング”のような一カ所のテーブルから取り放題にするのではなく、ワゴンに全種類を載せ、都度テーブルを回ってサービングをするというのも、マナー対策には有効です。
しかし、それでも食べ残しが減らない場合は、「取ったものを必ず食べ終えてから新しい皿を提供します」「食べ残しの場合は1個500円で買い取りをお願いしております」などのルールを事前に伝えて、徹底させましょう。
「食べ放題なのに?」と不満をもらすお客様への対策としては、「その代わり、食べ残しの無かったお客様には、次回使えるクーポンを提供します」などとすれば、気持ちよく利用してもらえます。
リピーターを作るにも有効な手段です。

この記事の監修

株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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