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開業・起業に必要な資金はいくら?使える資金調達方法を紹介

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新規事業を始めるにあたっては、いくら資金を用意すればよいのか、資金調達にはどのような方法があるのか気になるもの。そこでこの記事では、起業に必要な初期費用の目安とともに、資金調達の具体的な方法について詳しくご紹介します。

資金調達の方法とは

起業に伴う初期費用が自己資金だけではまかないきれない場合、外部からの資金調達を検討することになります。

起業に必要な資金を調達するには、大きく以下の3つの方法があります。

1.出資
2.借入・融資
3.補助金・助成金

資金調達をする際は「いくら借りられるのか」と考えるのではなく、「事業に必要な資金はいくらなのか」と、あくまでも自分の事業を基準に検討することが大切です。3つの資金調達方法それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、これから始める事業の規模や内容に合う方法を選びましょう。

そもそも起業に必要な初期費用は?

そもそも起業にはどれくらいの初期費用がかかるものなのでしょうか。

事業者の取り組みを支援する「日本政策金融公庫」の調査によると、2021年度における開業費用の平均値は941万円でした。この金額は調査開始以来最も少なく、開業費用の平均値は年々減少傾向にあります。とはいえ、個人事業主の独立開業でも目安として300万円程度の資金は必要となるでしょう。

また、開業費用を金額別に「500万年未満」「500万〜1,000万円未満」「1,000万〜2,000万円未満」「2,000万円以上」の4つに区分すると、「500万円未満」の割合が全体の約4割を占めていることがわかりました。一部の層が平均値を押し上げているものの、実際のところは「500万円未満」で開業する層が増加傾向にあるようです。

参照:日本政策金融公庫『2021年度新規開業実態調査』

独立開業(起業)の場合

店舗を持たずに自宅の一室などを利用して個人で起業する場合、物件費用や手数料は発生せず、少ない初期費用で始められます。独立開業するにあたって取得が必要な資格もないため、当面の生活費(3ヶ月程度が目安)さえ確保できれば、すぐにでも起業することができます。

ただし、パソコンや携帯電話、メールアドレスなどは、性能やセキュリティの観点からプライベート用・ビジネス用で使い分けるのがおすすめです。また、自宅の住所や電話番号を名刺やホームページなどに載せたくない場合は、バーチャルオフィスを利用する手もあります。

ビジネスを始めるとなればそれ相応の準備が必要ですが、店舗を持って起業する場合と比べ、自宅での独立開業は大幅に初期費用を節約できます。必要な開業資金は事業規模や内容によって異なるものの、自宅での独立開業であれば数十万円から始められるでしょう。

個人事業主(自営業主)の場合

個人事業主とは、株式会社などの法人を設立せずに、個人で事業を営んでいる人を指します。個人事業主になるには、開業後1ヶ月以内に税務署へ開業届を提出する必要があります(1ヶ月を過ぎても罰則はなし)。

会社を設立する場合は定款の認証手数料などの費用がかかりますが、個人事業主の開業手続き(開業届の提出)は一切費用がかかりません。開業届は税務署に持参もしくは郵送するのみで手続きも非常に簡単です。

個人事業主として開業し、店舗を構える場合に必要な資金項目には以下が挙げられます。

・店舗の敷金・礼金・保証料
・リフォーム費用
・備品購入費用
・水道光熱費
・広告費

事業の規模・内容によって大きく変わってきますが、実店舗を持って起業する場合は初期費用だけでも100万円単位の資金の準備が必要となるでしょう。

会社を設立する場合

会社を設立する場合にかかる費用は以下のとおりです。

・定款認証代:30,000円〜50,000円
・収入印紙代:40,000円(電子定款であれば不要)
・謄本手数料:約2,000円
・登録免許税:150,000円

株式会社の設立には法定費用として20万円以上かかります。

合同会社であれば定款の認証手数料はかからないため、登録免許税(60,000円)と収入印紙代のみで会社を設立できます。なお、株式会社と同様に、電子定款であれば収入印紙代はかかりません。

会社の設立は司法書士や行政書士などの専門家に手続きを代行してもらうこともできますが、その場合は別途報酬を用意しておく必要があります。株式会社の場合は10万円程度、合同会社の場合は8万円程度が報酬額の目安となります。

参照:日本公証人連合会『Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。』

バーチャルオフィスで住所だけ借りる場合

バーチャルオフィスとは、実際の事務所を構えない「仮想のオフィス」でありながら、事業に必要なインフラ機能をレンタルできるサービスです。バーチャルオフィスを利用すれば実在する事務所を持たなくても、法人登記が可能な住所を格安で借りられます。

バーチャルオフィスの月額料金は2,000〜5,000円程度が相場です。
料金はエリアによって異なり、都心部であれば10,000円程度、地方であれば1,000円程度で利用できるバーチャルオフィスもあります。また、住所だけ借りる場合、住所と電話番号を借りる場合など、運営会社のサービスやオプションの内容によっても料金は変わってきます。

登記に必要な住所だけが欲しいのであれば、レンタルオフィスを持たずに、バーチャルオフィスの契約だけでも十分に事足りるでしょう。

事業の始め方

事業の始め方には、個人で開業する方法と、法人として会社を設立する方法があります。
起業する際は、まず「個人」と「法人」のどちらで事業を行うのか決めることになります。

●個人事業主として独立開業する
個人事業主として事業を始めるには、税務署に開業届を提出する必要があります。
届出に伴う費用・手数料は一切かからないため、個人事業主であれば実際に事業にかかる資金のみで起業することができます。

●会社を設立する
会社を設立して事業を始めるには、法人登記をする必要があります。
法人登記には法定費用として20万円以上かかり、専門家に代行依頼する場合は別途7〜10万円程度の報酬が上乗せされます。さらに、事業をする上での元手金である資本金の用意も必要です。

開業資金が必要になるタイミング

会社を設立する場合

開業資金が必要になるタイミングは、法人として会社を設立するときです。会社を設立する場合は、法人登記の費用と資本金を用意しておく必要があります。

法人登記は、自分で手続きをするにしても20万円以上の法定費用がかかります(株式会社の場合)。一方、資本金には「最低資本金」という概念がなく、制度上は資本金1円でも会社を設立できます。目安として100万円程度の準備が必要となるでしょう。

ただし、資本金は会社の信用に関わってくる部分でもあるため、極端に少ない資本金は取引先や銀行とのやりとりでネックになる可能性があります。事業の規模・内容によっては、ある程度の資本金を設定しておいた方が安心でしょう(資本金の平均額は300万円程度)。

事務所や実店舗が必要な場合

事務所や実店舗を持つ場合も、開業資金として不動産の仮契約に必要な頭金程度は用意しておくべきです。また、事業所や実店舗を運営するには運転資金(家賃や光熱費など)が継続してかかることも頭に入れておく必要があります。

開業資金を準備する方法としては、日本政策金融公庫で借りる選択肢があります。日本政策金融公庫では「新創業融資制度」として、新たに事業を始める人を対象に設備資金や運転資金の融資を行っています。資金の使いみちや事業計画についての面談を経て融資が決定されるため、その辺りを詳しく説明できるようにあらかじめ準備しておきましょう。

資金調達方法

出資

出資とは、事業を営むための資金を提供してもらうことです。
出資は事業や会社の成長を期待して行われるものであり、出資を受けたお金は返済する必要がありません。後から返済しなければならない「融資」とは全く異なる資金調達方法の一つです。

主な出資の資金調達方法とそれぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。


●自己資金
自分の預貯金などの自己資金を事業に充てる方法です。他からの資金調達を検討する前に、まずは自己資金をどれだけ充てられるのか考える必要があるでしょう。

自己資金には利息がかからず返済不要のメリットがある一方で、事業に充てられる資金には限りがあります。お金を貯めるにしても時間がかかり、その間にビジネスの勝機を逃してしまうことも考えられます。


●他企業からの出資
他企業から出資を受け入れることは、資金面での援助はもちろんのこと、経営面での助言・協力も期待できます。しかし、他企業からの出資が多くなると発言力も大きくなるため、自由な経営ができなくなることが懸念されます。


●エンジェル投資家(個人投資家)からの出資
エンジェル投資家とは、起業して間もないスタートアップに出資する個人投資家のことです。エンジェル投資家はスタートアップのビジネスに魅力を感じ、事業の将来性や大きなリターンを期待してお金を出しています。そのため、エンジェル投資家が持つノウハウやアドバイスを得られたり、ビジネスパートナーを紹介してもらったりと、事業を後押しするさまざまなサポートが期待できます。

一方で、そもそも日本は欧米と比べエンジェル投資家の数が少なく、なかなか出会う機会がありません。接点を持てたとしても、余程有望なスタートアップでない限り、起業後すぐに資金調達に結び付けることは難しいでしょう。


●ベンチャーキャピタルからの出資
ベンチャーキャピタルとは、将来性を見込んだ未上場企業(ベンチャー企業、スタートアップ企業など)に出資する投資会社のことです。その企業が上場した際に株式を売却し、ハイリターンを得ることを目的としています。

ベンチャーキャピタルは出資する企業に経営コンサルティングを行うことが多く、経営に関するノウハウを提供してもらえるメリットがあります。しかし、それはベンチャーキャピタルの意向や方針に従うことになるため、自分が思い描く事業活動ができなくなるかもしれません。


●クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金提供してもらうシステムです。クラウドファンディングには主に「購入型」「寄付型」「投資型」といった種類があり、起業を目的に出資を募るには「投資型」がメインとなります。

クラウドファンディングはリスクが少なく、起業前から一定の宣伝効果を見込めるメリットがあります。一方で、近年はクラウドファンディングが飽和状態にあることから、強いメッセージ性がなければ他のプロジェクトに埋もれてしまうでしょう。

借入・融資

借入や融資で調達した起業資金は、相手が指定する期日までに金利も含めて返済しなければなりません。返済する義務のない出資とは違い、借入・融資はあくまで「お金を借りている」状態だからです。

主な借入・融資の資金調達方法とそれぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。

●個人借入
個人借入とは、自らの信用をもとに銀行や信販会社からお金を借りることです。
資金調達方法の中では比較的簡単に手続きを行えるものの、高い利息が発生する点は大きなデメリットとなるでしょう。

●親族・知人からの借入
親族や知人からの借入は、審査がいらず、経営権を保持しやすいメリットがあります。
一方で、事業がうまくいかなかった場合は人間関係に亀裂が入るおそれも。親しい間柄であっても、借入の条件についてはきちんと書面に残しておきましょう。

●制度融資
制度融資とは、小規模事業者の融資のハードルを下げるために、信用保証協会が信用保証をしてお金を借りやすくする制度です。制度融資を利用すれば、低金利かつ長期間の融資を受けられます。ただし、手続きには時間がかかるため、すぐに資金調達が必要な場合には向かないでしょう。

●公庫融資
日本政策金融公庫では、新たに事業を始める方を対象に「新創業融資制度」を取り扱っています。融資限度額は3,000万円(うち運転資金は1,500万円)で、担保や保証人は原則として必要ありません。金利の負担はあるものの、起業に伴う資金調達としては最もポピュラーな方法といえます。

補助金・助成金

補助金・助成金とは、国や自治体などから受けられる返済不要の給付金です。

主な補助金・助成金の資金調達方法とそれぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。

●創業補助金
創業補助金のメリットには、基本的に返済義務がないこと、起業前でも補助金申請できることが挙げられます。しかし、創業補助金は常に申請を受け付けているわけではなく、決められた申請期間内に申し込まなければなりません。また、一定以上の収益が出た場合は、交付された補助金額を上限に一部を返納することがあります。

●再就職手当
再就職手当とは、雇用保険受給資格者が早期に再就職または事業を開始した場合に受けられる給付金です。一定の受給要件を満たしていれば、返済の必要がないまとまったお金を給付してもらえます。特にデメリットはありませんが、事業開始後1ヶ月以内に申請する必要があることは覚えておきましょう。

まとめ

起業にかかる資金は、自宅で独立開業する場合、個人事業主として店舗運営する場合、株式会社を設立する場合など、状況によって大きく変わってきます。起業の資金調達方法には出資や融資、補助金があり、資金調達を検討する上では目先のメリットだけではなく、デメリットや注意点も理解しておくことが大切です。まずは自分の事業に必要な資金はいくらか算出し、その金額や事業規模・内容に適した資金調達方法を検討しましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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