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2020年から続くコロナ禍で飲食業界は大きな打撃を受けていますが、そんななかでも台湾グルメの勢いは衰えていません。タピオカブームの派手さは一旦落ち着いたものの、最近起きた「台湾パイナップル」の買い支え運動などからも、台湾グルメがいかに日本に浸透しているかがうかがえます。その背景から、新しいビジネスのヒントを探ってみましょう。
目次
台湾グルメが人気の理由
台湾は親日家が多く、飛行機で3時間ほどの近さもあり、日本旅行業協会の調査でも毎年、1位、2位を争う人気観光地。
日本と同じ島国ということで、どこか共通の懐かしさを感じられる文化をもっています。台湾グルメの第1次ブームは1995年頃で、安くておいしい屋台系の小皿料理を提供する店が全国的に大ヒット。
歴史的な背景から、さまざまな国の影響を受けつつ発展してきた台湾料理は、こってりとした中華料理とは違って薄味で、ヘルシー。日本人の嗜好にもマッチしていました。
そして、2015年頃から台湾かき氷などの第2次ブームが到来。そのままタピオカブームに突入し、若い世代にも急速に認知が広がることになります。流行に敏感でグルメを支える30代から10代の女性層を中心に取り込んだことが要因でしょう。2021年、人気急上昇の台湾グルメ6選
では、タピオカの次は一体何がくるのか? なかでも今、日本で人気が高まっている注目のメニューをご紹介しましょう。
台湾カステラ
次にくるブームの大本命といわれているのが、このカステラ。焼き上がったときはテーブルに乗りきらないほどの巨大な大きさで、それを切り分ける様子がSNSで話題になっています。
お皿に乗せるとプルプルと揺れるふっくらとした生地は、まるでシフォンケーキのよう。
間にクリームやフルーツを挟んだり、生地にフレーバーを加えたりするなど、アレンジ性が高いのもポイントです。
豆花(トウファ)
豆乳を固めたプリンのようなスイーツで、茹でたピーナッツなどを添えてほんのり甘いシロップをかけて食べます。シロップは冷たくも温かくもでき、トッピングも小豆、タピオカなどを組み合わせられるので、飽きることがありません。
魯肉飯(ルーローハン)
豚肉を甘辛いタレで煮込んでご飯にかけたもので、台湾の屋台では目にしないことがないほどの定番メニュー。八角のスパイシーな香りが食欲をそそらせます。漬物や目玉焼き、煮卵などのトッピングを加えたりするのも人気です。
麺線(メンセン)
素麺のような細い麺を、モツやカキなどが入ったとろみのあるスープで煮込んだもの。現地では朝昼晩の食事に加え、おやつ感覚でよく食べられています。台湾黒酢やおろしニンニクなどでの味変も楽しい1品。
牛肉麺(ニュウロウミエン)
肉うどんならぬ、牛肉をドンと乗せた台湾のラーメンといったところでしょうか。バリエーションは豊富で、スープは大きく分けて辛めとあっさり系、牛肉も赤身を煮込んだものや牛筋のほか、本場では牛の胃袋(ハチノス)をトッピングすることもあるのだとか。
鶏排(ジーパイ)
台湾風唐揚げ。胸肉をたたいて薄く伸ばしているので、顔が隠れるほどの大きさがあり、そのサイズ感がSNS映えすることでも話題になりました。揚げ粉が「地瓜粉」と呼ばれるさつまいものデンプンで、カリカリした食感が特徴。さらに梅味などの味付け粉を振りかけて仕上げるので、ファストフードならではの楽しみ方ができます。
コロナ禍でも需要が増えているのはなぜ?
人気が定着しつつあったとはいえ、緊急事態宣言下で飲食店の経営が難しいなか、なぜ台湾料理の需要が拡大しているのか。その背景を分析してみましょう。
家庭料理のマンネリ化が引き金
ステイホームが推奨され、自宅で料理をする機会が増えましたが、「もうレパートリーが限界」「外食に行けない」などの事情もあって、ストレスがたまっている人が多く見受けられます。
そんなマンネリ打破の一手として、“手近な海外旅行気分が味わえる”と注目されたのが台湾料理。
クックパッドなどのレシピ検索数も急上昇しています。また食材が手に入りやすいなど、再現性が高いことも需要を促した一因でしょう。
ヘルシーブーム
コロナ禍で、昨今のヘルシー志向にさらに拍車がかかったことも大きな要因と考えられます。
もともと台湾には食で健康を保つ「医食同源」という考え方があり、メニューにはショウガやナツメ、クコの実などを使った「薬膳料理」がベースになったものがたくさんあります。
また、全体的に薄味で、豆乳などのヘルシーな食材を使っているため、免疫力を高めたい、コロナ太りを解消したいといった今のニーズにも合致しました。
テイクアウトやECサイト需要の高まり
主に屋台で提供されていたこともあり、台湾料理はハンディで、持ち運んでさっと食べられることが特徴。
コロナ禍でも店内での飲食からテイクアウトやデリバリーへの切り替えが比較的スムーズに進んだのではないでしょうか。
また、宅配を使った「お取り寄せ」に対応する店も増え、スイーツ系は気軽に新しい味を試したいという消費者のトレンドにうまくマッチしたと考えられます。
台湾グルメを皮切りにエスニック料理がブーム
ステイホームで食に関心が集まるなか、台湾料理をきっかけに、さまざまなエスニック料理もブームが加速しつつあります。
韓国料理
ステイホーム期間中、Netflixなどの動画配信サイトで楽しんだという人が急増し、その結果「第四次韓流ブーム」が起きたのは記憶に新しいところ。
コロナ禍以前から、チーズドッグなどの韓国発のグルメがヒットしていましたが、BTSをはじめとするK-POPアーティストや「愛の不時着」「梨泰院クラス」といった韓流ドラマなどにはまったことで、その背景にある文化、食への興味が高まったことが再ブームへと繋がりました。インド料理
最近、さまざまなスパイスを使った本格的なカレーに挑戦する人が増えているようです。
特にインド料理はその代表的な存在。在宅の時間を上手に使い、材料をじっくり炒めたり、コトコト煮るといった作業に集中することで、ストレス発散やイライラした気分が落ち着くのでは?と考えられています。
インド料理といえば、その場でナンを焼いてくれるキッチンカーもまた人気があり、テイクアウトを併設する店舗も多いので、持ち帰って食べるという新しいスタイルにもフィットしたのではないでしょうか。タイ料理
台湾料理に次いで勢いがあるのはタイ料理かもしれません。
カレーはインドに負けず劣らず種類が豊富ですし、ライスに各種のおかずを乗せた“ぶっかけ飯”や、パッタイ、ガパオ、カオマンガイなど、テイクアウトしやすいメニューがそろっています。
スーパーのエスニック・コーナーでも、レトルト商品や調味料などの品揃えが充実しています。まだまだ伸びしろがある台湾グルメに今後も注目!
コロナ禍が明けて旅行に行けるようになったら、近場の台湾はこれまで以上に人気スポットになると予測されます。
タピオカのイメージが強かった台湾グルメですが、昨今は料理メニューの多様さも日本で認知されるようになり、新しいグルメ情報もさらに注目を集めることでしょう。
最近では台湾の朝ごはんとして定番の豆乳スープ「鹹豆漿(シェントウジャン)」を出す専門店が次々とオープンしたり、台湾発のライフスタイルショップ「神農生活」の日本初出店も話題になりました。
この流れに乗り、まだ日本でメジャーではない台湾グルメをメニューに取り上げるなど、新たな展開を考えるのもよいかもしれません。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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