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飲食店をオープンする際に意外と忘れがちなのが、ゴミ処理についての取り決め。
ただ捨てればいいというわけではなく、分類や処理方法など、ゴミ処理のルールを守らなければならず、周囲への気遣いも非常に重要です。
適当に処理をすれば周囲とのトラブルに発展する可能性もあります。
ゴミ処理をする上で気をつけないといけないポイントと対処法について紹介していきます。目次
家庭用ゴミと同じ感覚がヤバい…飲食店のゴミ事情
一般的な事業の場合には、シュレッダー後の紙ゴミや社員の飲食物などのゴミが出ますが、飲食店の場合には、一般的な事業よりも大量にゴミが出るので注意が必要です。
飲食店で生じるゴミと一口に言っても、お客さんの食べ残しや料理に使うことなく廃棄になった食材、ジュースのプラスチックの蓋やストロー、包み紙や紙ナプキンなど様々です。
他にも料理に使った缶詰の空き缶や洗剤の容器、使い古した油、割れた食器などがあります。家庭用のゴミとは同じではないので注意
「ゴミが多く出ると言ってもそれらのゴミをきちんと分別して各地域のゴミを出す日程に合わせて出せば問題ないでしょ?」と思っている人もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
各自治体のホームページにも家庭ではなく店舗等から出たゴミの場合には、一般的なゴミ捨て場に捨てることを禁止する内容が記載されているケースがあります。
店舗棟から出たゴミは、「分別していても家庭用のゴミとは一緒に出すことができない」「量の多い少ないは関係ない」という点に気を付けておく必要があります。強敵!生ゴミの液垂れ対策
どの飲食店でも必ず食べ残しや余った食材等の生ゴミが発生します。
中には水分を含んだ生ゴミもあるため、袋に穴が空けば液垂れが起こります。
漏れ出した液体によって通路を汚したり、また、ゴミ捨て場でも液体が漏れ続けるため、回収業者や同じゴミ捨て場を利用する方の迷惑になります。
ゴミ袋を二重にするなど、液垂れが起きないよう注意しましょう。
また、万が一液垂れが起きても放置せず、液体を雑巾で拭く、外からさらに袋を被せるなどの対応をとりましょう。分かっているのに実は絶えない問題…ゴミの長時間の放置が危険!
生ゴミを長時間放置してしまうと悪臭がする、害虫が発生してしまう、カラスなどにゴミが荒らされてしまうなどの問題が発生します。
そうなると近隣の店舗や住民に迷惑をかけてしまい、周囲からの評判も悪くなってしまいます。
このような自体にならないように、ゴミ処理のルールを作成し、スタッフ全員で共有できるようにしましょう。
実は、「ゴミ処理ルールの策定」というのは、後に回しがちな作業。
SNSやグルメサイトなど、個人が何でも発信できる時代では、だらしないゴミ処理ルールがお店を炎上させる危険をはらんでいます。業者を使え!廃棄物処理の方法
飲食店から出るゴミは産業系一般廃棄物として処理しなければならないため、自身で清掃工場に搬入するか、業者と委託契約を結ぶ必要があります。
自身で搬入するには非常に手間がかかるため、基本的には業者に依頼するケースがほとんど。
これから業者を探される方は、次の問題に注意して選ぶことをおすすめします。業者選定のポイント7点
1. 日時指定の可否
営業時間の決まっている飲食店では、定休日や営業時間に合わせてなど、ゴミを回収して欲しい時間はだいたい決まっているはずです。
希望の時間に回収してもらえないとゴミが溜まり、悪臭や害虫の発生など周囲に迷惑をかけることにもなりかねないため、しっかりと日時の指定できる業者を選定しましょう。2. 即日作業の可否
飲食店を営んでいれば、集客数の変化に応じてゴミの量も変動します。
いつまでに依頼すれば最短で回収してくれるのかなどの条件もしっかり確認するようにしましょう。3. 業者に依頼する費用
対応の善し悪しもそうですが、同じく重要なのが費用。
処分にかかる費用に関しては、各自治体によっても金額が変わるのはもちろん、業者によっても当然異なります。
複数社の条件を聞き一番信頼ができる業者を選定するようにしましょう。4. 産業廃棄物収集運搬業の許可があるか
ゴミ処理を業者に依頼する際は、処分してもらう予定のゴミの品目の許可を収集エリアと降ろすエリアの両方で得ておく必要があります。
例えば、東京都で回収したゴミを千葉県で降ろす場合は、東京都の許可だけでなく千葉県でも許可を受けていなければならないため、しっかりと許可を受けている事業なのかどうか確認しておきましょう。5. 処理フローが明確になっているか
契約を行ってから廃棄物の最終処理を行うまでの処理フローがどのようになっているのか明確にホームページなどに掲載、もしくは契約書類に明記している業者を選定することが重要です。
内容に問題があるにも関わらず、そのまま契約してしまった場合は、業者だけでなく連帯責任になるので注意しましょう。6. 収集車両の台数が十分か
業者が所有しているゴミ収集用の車両の種類や台数などは、業者のゴミ回収の業務効率の良さを表しているのでしっかり確認しておくことが重要です。
特に、パッカー車と呼ばれるゴミ収集車や瓶や缶などを回収するコンテナ車などを揃えている、従業員が多いといった条件を揃えている場合には、スムーズなゴミ回収が期待できるでしょう。7. 従業員の教育がしっかりできているか
飲食店で生じたゴミは、契約した業者に持っていくわけではなく、契約した業者が飲食店に回収に来ます。
店舗にゴミの回収業者の従業員が出入りすることになるため、時間次第ではお客さんと何らかの接点が生じる可能性があります。
業者の従業員の教育が行き届いておらず、見た目が汚らしい、挨拶をしないなどの状況では、いくら飲食店がおいしくて評判が良かった場合でも、マイナスの印象を抱かれる可能性があるので注意が必要です。
飲食店の従業員の教育だけ意識するのではなく、契約した業者の従業員の教育が行き届いているのかどうかも確認しておくようにしましょう。ゴミ処理で罰金?ごみ処理責任は重んじること
「上記の7つのポイントに基づいて業者を選んだので、ゴミ処理に関するトラブルに巻き込まれることはない」と安心している人も多いのではないでしょうか?
しかし、ゴミ処理をいくら業者に任せたとしても、ゴミを排出した飲食店の責任は終わっていないので注意が必要です。
業務に関わるゴミの処理については廃棄物処理法という法律が適用されます。
廃棄物処理法では、排出者処理原則というものがあります。
排出者処理原則とは、ゴミを排出した飲食店などが責任をもってゴミ処理を行うというものです。
しかし、実際には飲食店がゴミの処理を行うことができないため、ゴミ処理を業者に依頼しますが、依頼したからといって業者に責任が移るのではなく、ゴミの処理の完了まではゴミを排出した飲食店に責任があることになります。
ゴミの処理費用を安く抑えようと、無許可の業者にゴミ処理を依頼した場合には、飲食店と業者の両方が5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金に科せられる可能性があります。
ちゃんと業者に依頼していても、業者が横流ししていた場合には責任に問われる可能性があるので業者選びは手を抜かないようにしましょう。ゴミ処理は気遣いの心から
ゴミの処理は飲食店を経営していれば必ず発生する問題です。
行政も関わってくる問題でもあるので、専門家(回収業者)を使用しての対応が望ましいです。
しかし、ただ業者を使えばいいというわけではなく、いかに周囲に気を遣えるか、効率良くゴミを処理するためにどんなルールを設けるかなど、自分たち自身で対応しなければいけないことがたくさんあります。
よい業者の選定とルールの徹底で効率的なゴミの処理を行えるようにしましょう。
また、ゴミ処理問題の基本は、スタッフ全員のリテラシーから。
スタッフ個々人が、飲食店のスタッフとして、食品を扱っている意識、自分がお客様だったらゴミ処理が適当なお店にはいきたくないな…というユーザー目線、また、清潔感の感度などで大きく変わってくるものです。
SNSで、節度の無いゴミ処理を拡散され、近所からの評判が落ち、最終的には廃業に追い込まれる…という例も聞きます。
ゴミ処理は大事な仕事であるとオーナー自身が認識し、スタッフ全員で取り組むべき問題です。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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