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競合店視察では高い料理をオーダーせよ!競合・ライバル店視察のチェックポイント

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視察というと、なんだかうしろめたい感じがしますが、マーケティング策として実施することは必須だと言えます。
消費者だと簡単に入れるお店も、視察となると行きにくくなるもの。では、どのようなことに注意して行なえばよいのでしょうか?

まずは、視察するお店を選ぼう

視察する競合店・ライバル店の選び方には2つの方法があります。
まずは同系統(フレンチならフレンチ、カフェならカフェなど)で話題のお店を選ぶ方法。
その場合、流行っている理由を分析して学ぶという姿勢が大切です。
例えば、味やインテリアなどは自分の店の方が上だと思ったとしても、決してそこで安心してはいけません。
流行のお店には必ず人気が出るそれなりの理由があるのです。
謙虚な気持ちで視察し、いったい何がお客様を引き付けているのかを観察します。
なお、流行の店舗は、ガイドブックやネット情報など、客観的な視点から評価されているものを参考にしましょう。
もうひとつは、近所にある競合店・ライバル店。
自分のお店と比べてみて、差別化するためにはどうすればいいかを考えます。
ただし、新規オープンの場合は、1ヵ月程度経過してから視察に臨みましょう。
オープンしてから最初のうちは、セールや物珍しさで混んでいることが多く、お店の本質的な要素や客層の見極めが困難だからです。

一般のお客として視察する場合

最もスタンダードな視察方法です。
予算の都合もあるかと思いますが、できれば男女数人で行くとさらに効果的。
異性の目線での意見というのは非常に重要です。
視察する時間帯は、そのお店の客層が一番わかる、混む時間帯を狙いましょう。
ディナー中心の飲食店なら夜7時から9時。
カフェならランチタイムの11時から13時などが理想的です。
曜日によって客足が変わるようなら、レストラン系は金曜か土曜日の夜。
カフェ系は土日、祝日がおすすめです。

視察であることを告げてしまう場合

お店によっては、あらかじめ電話で視察させてほしい旨を伝えると応じてくれるところもあります。
ただし、この方法は遠方のお店の場合に限ります。
近所の店の場合は失礼に当たりますし、お互いに嫌な思いをしかねないので避けましょう。
相手のお店次第では、厨房まで見学させてもらえるなど、有益な情報が得られる可能性もあります。

競合店・ライバル店のチェックポイント

競合店・ライバル店の視察は、短時間でさまざまな要素をチェックする必要があります。
そのため、あらかじめチェックポイントをリストアップしておくと効率よく観察できます。
以下にいくつかのポイントをまとめたので、参考にしてください。

QSC

まず、はじめにQSCをチェックします。
QSCとは、クオリティ(Quality)、サービス(Service)、クリンリネス(Cleanliness)のことで、それぞれ品質、サービス、清潔感を意味します。
クオリティでしたら、料理の味や盛り付け、提供の際の温度、食器のセンス、インテリアやBGMがお店の雰囲気やコンセプトに合っているのかもチェックします。
サービスは入店した時の挨拶から始まり、オーダーをとる時の態度、料理の知識の有無(オーダーの時に軽く質問してみるとよいでしょう)、料理が出てくるまでの時間など。
クリンリネスはテーブルやレジ周りは当然のこと。
一番チェックしたいのはお手洗いです。
お手洗いをキレイな状態に保っているお店は、クリンリネスに気を使っている証拠です。

料理のチェックポイント

お客として視察する場合は、料理のオーダーも行いましょう。
その際、
①調理の技術力が高くないとできない料理
②調理に時間がかかりそうな料理
③保存の難しい食材を使っている料理
④なかなか手に入らない食材を使っている料理
などを優先的に頼みます。
その中で、調理レベルやシステム、管理方法がどうなっているかを推測できるなら、視察としては非常に有益です。

店員のチェックポイント

基本の接客サービスに加え、空いたお皿を下げるタイミングや追加オーダーの確認の有無などもチェックします。
これにより、従業員への接客教育のレベルを知ることができます。

同業他社の立地のチェックも忘れずに

お客様がお店を選ぶ理由は、QOCや料理のよしあしだけではありません。
お店がある場所も、足を運ぶかどうかを決める重要なポイントです。
競合店はどのようなところにあるのでしょうか。

人通り

たとえば、ラーメン店や定食屋、テイクアウトを扱うカフェなどの客単価が低いお店は、回転率を上げることが重要です。
そのため流行の店は、立地条件のなかでも通行量が多い場所を優先して選んでいるということが考えられます。
いつも通っている道なら、気軽に「入ってみようか」という気持ちになりますし、席が埋まっていたり、行列ができていたりするのを目にすれば、特に大きな宣伝をしなくても「おいしいに違いない」と、口コミ効果で集客につながっていることもあります。
一方、カフェやレストランでは、ゆったりとした時間、日常とは違う空間を望むお客様が少なくありません。
こうした業態の人気店は、概ね駅から徒歩10分程度の静かな場所、雑多な場所でも2階や地下、路地の奥など、雰囲気を重視した立地にあることが多いものです。
郊外店であれば、車の通行量、駐車場の確保がどの程度できているかもチェックしましょう。

周辺の属性

立地条件でもう一つチェックしたいのが、お店がターゲットにしたい客層と、お店の周辺に集まる人の層がマッチしているかどうかという点です。
ビジネスエリアであれば、昼間は手軽なランチがとれ、夜は仕事帰りに1杯やりたいお客様を狙うようなレストランや居酒屋がぴったり。
ショッピングモールや娯楽施設の近辺であれば、家族連れやカップルを狙う親しみやすいレストランやカフェがいいでしょう。
「ほかとはちょっと違う空間」を求める意識の高い客層を狙って、あえて高級住宅街の一角にひっそりとたたずむようにお店を構えているレストランもあります。
いずれもターゲットと立地が合っているお店ほど、安定した人気を得ています。
同じ場所でも、平日と週末、時間帯によって、周辺環境や通行量、見込み客の層が変わる場合がありますので、気になる競合店は条件を変えて数回訪れ、チェックをしてみることをお勧めします。

顧客視点になり、飲食店重要のありなしも考える

よく「ランチ難民」という言葉を耳にすることがありますが、飲食店が多いものの需要に供給が追い付いていないエリアがある一方、飲食店がほとんどないことで、需要に供給が追い付いていないエリアもあります。
現在、流行している店舗の周辺も、何らかの理由で飲食店の需要が大きいエリアであるということが考えられます。
視察の際には、ほかに飲食店が何件あるか、営業時間や定休日はどうなっているか、飲食店のテナントの空きの増減に変化があるかどうかなどを一緒に調べてみましょう。
また、人気店の近隣には同じターゲットを狙う異業種の店が出店していることも。買い物のついでに食事をする、食事のついでに買い物をするなど、相乗効果が生まれている可能性があります。

まとめ

競争の激しい飲食業界は、流行している同業店を参考にしたり、近くにある競合・ライバル店をチェックしたりすることは欠かせません。
新規の開店を検討している場合、近くの競合店・ライバルとなりうる店をチェックし、差別化を図るためのコンセプトを考える必要があります。

近くの店は、商圏のお客様を取り合うことになるのですが、そこで「勝負」と考えることが正解なのかどうか…を考えてみる必要があります。
広義に捉えれば、飲食店のライバルは、スーパーやコンビニなどの非飲食店だと考えることもできます。
この場合、同じ商圏の競合店と協力して、「外食を促す」という販促も考えられるわけです。

個人事業である飲食店は、「販促」「集客」という視点を後回しにしがちな傾向がある、と言われます。
競合・ライバル店すらも味方につけ、ひとりでも多くのお客様に来店していただける策を講じましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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