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繁盛店になるとウエイティング客、つまり入店を待つお客様の対応が必要となります。お客様が待つことをひとつのイベントと捉えてくれればいいですが、残念ながらイライラしてしまうお客様もいます。そのようなお客様は満足して「また来たい」と思ってくれるでしょうか。
料理を提供できる時間は変えられないにしても、待っているお客様を極力不快にさせない方法はあります。顧客満足優良店では、ウエイティング客の対応も重要アクションとされ、リピート率向上に繋げているのです。その基本をここでは解説していきます。待ち時間の限界は何分?
駅のホームなどでも、しっかり並んで順番待ちをしている日本人の性格を考えると、ある程度飲食店で待たされたとしても我慢してくれそうですが、限界は何分なのでしょうか?
人によっては毎日使用しているかも知れませんが、エレベーターの呼び出しボタンを押してから何秒までなら待つことができますか?あるアンケート結果によると、30秒で約3割、1分で約5割の人が待つことに対して限界を感じるという結果が出ています。
「意外と我慢できないんだな」と思った人もいるかもしれませんが、早く来るのが当たり前と思っているものほど、また急いでいるときほど意外と待ち時間を我慢できないのかもしれません。では、飲食店の場合には、どのくらいまでならお客さんは待ってくれるのでしょうか?ランチタイムの待ち時間
ランチタイムはディナータイムとは異なり、時間が限られることが多いため、どちらかというと、エレベーターの待ち時間と同様、あまり長く我慢できなさそうな気がします。
1時間と言っても、食べる時間が1時間というわけではなく、オフィスからの行き帰りの時間も考慮する必要があるため、実際に確保できる時間はかなり限られています。
ランチタイムの空席を待つ時間の限界で最も多かった回答は10分で、全体の85%を占めています。また、オーダーしてから料理が出てくるまでの待ち時間の限界は10分で、全体の46%を占めるという結果になりました。なお、待ち時間が15分となると75%の人が限界と感じるという結果になっています。
そのため、ランチタイムの待ち時間の目安として言えることは、オフィスから飲食店まで移動時間が往復10分、空席の待ち時間が10分、料理が出てくるまでに15分の計35分が限界です。それでも、食べる時間を除いて35分かかることになるため、いかに待ち時間を短くできるかがお客さんを逃さないためにも重要になってくると言えるでしょう。ファミリーレストランの待ち時間
時間帯に関係なく、ファミリーレストランで店内に入って、注文をしてからは何分くらい待つことができるのでしょうか?
こちらもアンケート調査の結果を見てみると、オーダーから料理が出てくるまでの時間は10~15分が限界という結果になっています。ファミリーレストランは、他の飲食店と比較しても早く料理が出てくるという印象を抱いている人も多いと思います。
そのためか、料理を出すまでに15分以上かかった場合には、「お待たせして申し訳ありません」と謝罪することがマニュアルに記載されている店舗もあるようです。
人間の心理では飲食店の外で待たされる分には、比較的待てるようです。しかし、店内に通された後は「もうすぐ食べられる」という心理状態になっているため、あまり長く待つことができない人が多いようです。そのため、厨房が混んでいる場合には、無理に店内にお客さんを入れようとするのではなく、余裕が出るまで外にいてもらうのも、1つの選択と言えるでしょう。一般的な飲食店の待ち時間
各種飲食店の昼・夜も含めたアンケート結果によると、料理が出てくるまでに待つことができる限界の時間は、10分と答えた人が35%、20分と答えた人が70%以上という結果になっています。
「この結果はそこまで重要なの?」と思っている人もいるかもしれませんが、お客さんの要望に対してすぐにこたえることができた場合には、追加注文につながる可能性が高まります。実際に料理を食べに行った時を想像してみると、追加注文をする際に「さっき注文した料理を持ってきた時に追加しようか」といった会話をしたことがある人も多いと思います。結局は、料理を提供するスピードが早い飲食店の方が追加注文をもらえる可能性が高いため、売上に大きな差が生じることになると言えます。また、あまりにも料理が出てくるのが遅い飲食店の場合には、「あそこの店に行くのはもうやめよう」と、リピーターを失ってしまう原因にもなるため、注意しましょう。待ち時間の目安をお客様へ共有
お客様の席待ちが出た場合は、何組待ちで、どれくらいの待ち時間(目安)なのかを共有することが大切です。
どれくらい待つのか分からないまま待ち続けるのは大変なストレスです。待ち時間の目安をお客様へ共有しましょう。
席待ちだけでなく、料理の提供にも時間がかかるような場合には、事前にお客さんに共有しておくことが重要です。例えば、「Aランチは10分かかりますが、Bランチはすぐに提供できます」といった時間の情報を提供しておくなどです。そうすると、お客さんも自分の都合に合わせて料理を選択できるため、仮に時間がかかるAランチを注文しても、「自分が待たされる方を注文したのだから仕方ないか」とストレス軽減につながるでしょう。ちょっとした心配りでお客様への気遣いを
・定期的に声掛け
・メニュー表を配布
・ドリンクの配布
・お子様向けの絵本やマンガなどの設置
・夏はうちわ、冬は膝掛けなどを配布
少しの心遣いが、「待っている」お客様の心的ストレスを和らげます。
また、配布するメニュー表にも少し工夫しておくことがポイントです。例えば、時間的にすぐに提供できるメニューを左上段に記載しておくという方法です。メニューを見る時は、通常左上から始まり、右横、続いて左下、最後に右下に視線が移動すると言われています。この習慣のことをZの法則と呼ばれています。
飲食店のメニューを作成する際には、収益率が高い料理や飲食店のおすすめの料理などを左上に持ってくることが多いと言われています。その理由は、最初に目に入るためです。先ほど、すぐに提供できるメニューを左上に記載すると言ったのもこれが理由で、左上のすぐに提供できるメニューを頼んでくれるお客さんが増えれば、回転効率を高めることができるためです。このような対策は、手間をかけずに取り組むことができるため、容易に取り入れやすいと言えるでしょう。ウエイティング対応の指導とマインドの教育
テイクオーダー、料理提供などのマニュアルは揃っているが、ウエイティング対応はしっかりと教育できていないという店が多いのも現状です。マニュアルを作成し、スタッフ全員にしっかり指導しましょう。お客様にお待ちいただくことについて申し訳ないという気持ちと、感謝の気持ちをしっかり教育することが大切です。
人員配置の見直しを!
忙しくてウエイティング対応にまでスタッフが回らないというお店がクレームを発生させがちです。スタッフのシフトをしっかりと組み、忙しい時はウエイティング対応専任のスタッフを置き、責任を持ってお待ちのお客様へのフォローをさせましょう。どうしてもスタッフが不足する場合は、当日にシフトインするスタッフで不足しがちなポジションを誰がどうカバーするのか、事前にしっかり打ち合わせをすることが重要です。
まとめ
ウエイティングのお客様の気持ちに共感し、普段の運営からトレーニングを行うことが、ウエイティングの満足度を高め、リピート及び売上向上を実現していくためのコツと言えます。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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