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飲食店ではお客様同士のトラブルは少なくありません。喧嘩の原因は些細なことが大半ですが、場合によっては暴力にエスカレートしてしまうことも。これでは他のお客様に迷惑をかけるばかりか、スタッフなど身内も巻き込んでしまう危険性があります。お客様同士の喧嘩には店側が毅然とした態度でいることが大切ですが、対応を誤ってしまうとその後の営業に影響が出てしまうことも。有効的な対処法についてみていきましょう。
目次
お客様同士の喧嘩が起こりやすいシチュエーション
隣のグループの会話がうるさすぎる、泥酔して他のお客様に絡む、飲み物をこぼされた…このようにお客様同士の喧嘩が起きてしまうシチュエーションは多々あります。他にも喧嘩が起こりやすいシチュエーションはどのようなものが想定されるか、実際に多いケースをみていきましょう。
居酒屋などのお酒を出すお店
お酒が入ってしまうと、人によっては声ばかりか気も大きくなってしまいがちです。特に場が盛り上がってしまうと、そうした態度は顕著になってしまうことも。またアルコールで自制心が利かなくなり、結果として見境なく他人に絡んでしまう、床やトイレで寝てしまうといったことも。そういった振る舞いは他のお客様に不愉快な印象を与えるばかりか、迷惑以外の何物でもありません。
店内が狭く、隣り合う席が近い場合
店内が狭いと、どうしても隣り合う席が近くなってしまいます。そのため、自分たちの領域に隣の荷物がドカッと置かれてしまったり、勢い余ってぶつかったりといったことがあります。また席が近いと隣の会話が嫌でも聞こえてしまい、次第にイライラが募るといったケースが見られます。
挑発や女性客への絡み
最近では若者たちの間でナンパが盛んになっている飲食店もあり、中には集客につながるからと歓迎している店も少なくありません。マナーをわきまえたナンパならある種、微笑ましいものがありますが、女性客が明らかに嫌がっているにも関わらず、席を離れようとしなかったり、強引に女性の腕を掴むなどといった悪質なケースも。また、目が合った、睨まれたと一方的にいちゃもんをつけたり、会話に難癖をつけてくるといった挑発行為は酒の席ではあり得ることです。
商品をこぼされた
お客様が何かの拍子で転んだり、ぶつかったりして近くにいたお客様の洋服や持ち物に飲み物や食べ物がかかってしまうケースもよく起こります。こぼしてしまった当人が謝罪をするなどしてその場で丸く収まれば問題ないのですが、被害を受けた方が激昂したり、強く弁償を求められたことで揉め事に発展するといったケースがあります。
隣のグループ客がうるさい
自分たちの会話まで遮られるような度を越えた騒ぎを起こしているグループは目につきやすいもの。しかし盛り上がっているお客様は会話に夢中になっているので、自分たちの声が周囲に迷惑をかけていると気づきにくいです。「このお客様たちの会話のボリュームは大きすぎるかも」と感じたのであれば、トラブルになる前に店側からやんわりと「もう少しお静かにいただけますでしょうか」などとお願いすることも大切です。
すぐに実践!効果的な対処法
お客様同士が揉めている場面を見つけたら、すぐ間に入って対処しましょう。早めの段階であれば、その場で事態を収束させることは不可能ではありません。例えば席が隣り合ったことで何らかのトラブルが生じ、お客様同士が口論を始めたら、店としてまずやるべきことは当事者同士を離すこと。その際、「店内が狭く、ご迷惑をおかけしております。別途、他の席をご用意しました」などとお願いし、移動してもらいましょう。こうした仲裁で落ち着けばよいのですが、双方ヒートアップしてどちらも一歩も引かない場合は「他のお客様のご迷惑になりますので、申し訳ありませんが今日はお引取ください」と当事者に退店してもらうという選択を取るべきです。
暴力沙汰になりかけたら「警察」
口論がエスカレートするばかりか、仲裁に入った人間の制止を振り払い、暴力沙汰に発展しそうな気配を感じたら、警察の力を借りることです。暴力は周囲のお客様にも迷惑をかけてしまいますし、最悪の場合、仲裁に入った人間や他のお客様が巻き込まれケガをしてしまう危険性があります。ただし、通報する前に「今から警察を呼びますが、よろしいですか?」と当事者に確認を。どんなに熱くなっていても「警察」という言葉で一瞬にして冷静になる方は意外と多いものです。
間違ってはいけない!お客様の喧嘩、対処時のポイント
お客様同士の喧嘩に店が仲裁に入る場合、どんなことに注意して対処すればよいでしょうか。被害を最小限にとどめるためにも、必ず覚えておきたい大切なポイントがいくつかあります。
店側で白黒をつけない
当事者同士の言い争いがおさまらず、警察を呼ぶことも辞さない状況になった場合、店のスタンスは「喧嘩両成敗」でいることです。店が第一にやるべきことは事態を収束させることですし、状況をよく知らないまま、どちらかが悪いと白黒はっきりつけてしまうと、事態は余計に悪化するばかりか、逆恨みを買ってしまいかねません。客同士の喧嘩はあくまでも当人同士の問題であり責任。だからこそ店側は「何があっても店での喧嘩は許さない」という強い態度でいることです。
常連客を贔屓しない
店にとって常連のお客様はとてもありがたい存在です。しかし、いくら馴染みのお客様でも他のお客様に迷惑をかけるようなことがあれば、うやむやに収めてはいけません。例えば酔って執拗に絡むことが一度ならずとも何度も続くようであれば、絡まれた方は店に対しても悪い印象を抱くことになりますし、常連客であっても商売の邪魔をする存在になってしまいます。トラブルを起こした場合、常連客だからと贔屓せず、他のお客様と同じように毅然とした態度で対処することです。
責任者の対応が原則
店内のトラブルはオーナーや店長など責任者が対応することが原則です。お客様同士の喧嘩で暴力沙汰に発展しそうになったら、責任者は周囲のお客様やバイトなどスタッフを速やかに安全な場所に退避させ、身の危険を守りましょう。当事者とは関係ないお客様やスタッフに危害が加えられ、ケガを負わせるようなことがあれば、別の問題になってしまいます。また男性客同士の喧嘩に女性スタッフが間に入り仲裁するのは危険を伴うことがあります。責任者が女性であっても、決して無理はせずに警察の力を借りることを優先しましょう。お客様同士の喧嘩が起きた場合を想定し、店としてどう対応するのかマニュアルを決めてスタッフ間で共有しておくことが重要。
賠償責任を負担するのはお店?喧嘩をしたお客様?
店内で起きたお客様同士の喧嘩。当事者同士がヒートアップし、被害が大きくなってしまった場合、店側に責任はあるのでしょうか?結論からいうと、原則として店側が責任を負う必要はありません。また喧嘩によって当事者がケガをしたり、周囲にいたスタッフや他のお客様が巻き込まれて負傷してしまった場合、また店舗の壁やテーブル、食器類など備品が破壊された場合も同様です。責任はあくまでも喧嘩をした当事者にあり、損害賠償責任を負担するのも喧嘩をした当事者になります。店内の被害が大きく、その後の営業に差し障りが出てしまったり、大切な財産など破壊された場合は、喧嘩をした当人に賠償するよう求めることができます。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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