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「お金は足りなくなる」が基本…〇〇〇〇〇で追加融資をしてもらう

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事業計画書に従って十分な資金を用意したつもりでも、想定外の事態や出費によって資金が減り、収益が赤字の状態が続いてしまうこともあります。
事業計画はあくまで予想であり、ビジネスの予定が計画通りに進むことの方がまれとも言えるでしょう。
こんなとき、追加融資が受けられれば、事業を黒字に転化させるまでの運転資金にできるのに、と思う経営者の方も多いはずです。
果たして、起業後に追加で融資を受けることは可能なのでしょうか。

資金調達の重要性…「お金は足りなくなる」が基本

中小企業白書の2011年度版では、起業時にクリアすべき課題として資金調達を挙げており、ビジネスにおいては、資金の流れが悪くなることで経営は成り立たなくなると言われています。
そのため、起業する前に十分な資金を確保することが重要。資金の代表的な調達先としては、自己資金、親戚や知人からの借入れ、金融機関などでの融資などが挙げられます。
そのほかにも、助成金や賛同者による出資などで資金を確保するパターンも。
しかし、注意すべきなのは、資金需要もないのに多額の融資を受けること。
返済時に利息の分だけ損をしてしまいます。そのため、自己資金の割合を可能な限り増やし、本当に必要な分だけ融資を受けるようにしましょう。

追加融資は起業時よりも難しい…「足りなくなったから貸してくれ」はあり得ない

起業する前の融資は、当然ながらビジネスとしての実績がない状態で行われます。
そのため、融資の際の審査では書面としての事業計画の内容が重視されます。
しかし、起業した後はビジネスの実績の方が重視されます。
そのため、起業後間もないビジネスで実績が少なく、さらに収益が厳しい場合、融資する側は慎重になる必要があるのです。
そのため、基本的に起業後の追加融資は難しいと考えておきましょう。

追加融資が可能なパターンはある

追加融資を受けるには、ビジネスが順調に成長しており、それが今後も継続していくとアピールする必要があります。
実際に起業から1年以内に追加で融資を受けられる場合もあります。
健全なビジネスとして当たり前の増収増益の実績があり、安定して収益を上げられると判断できれば、返済可能な優良取引先として金融機関からの融資を受けやすくなると言えます。
簡単にまとめると「業績が順調である」、「月間に一定の収益がある」、「今後も安定して成長の見込みがある」といったポイントを、わかりやすく事業計画に落とし込んで示す必要があるのです。

追加融資の種類を知って攻略

追加融資と一口に言っても、追加融資は全部で3種類あるため、違いについて理解しておく必要があります。
それぞれの追加融資の違いについて見ていきましょう。

増額融資

増額融資とは、現在借りている融資を一度返済して、改めて当初借りていた融資額あるいはそれ以上の融資を借り直すという追加融資の方法です。
返済が残っている分は、追加融資の実行と同時に融資額から返済を行うため、返済費用を別途準備する必要はありません。
この追加融資の方法は、いきなり追加融資を行うのではなく、完済したという実績を作ることになるため、追加融資を受けやすくなるという特徴があります。
金融機関の融資担当者などがノルマを達成させるために、手っ取り早く融資残高を増やす方法として用いられています。

別枠融資

別枠融資とは、違う融資方法で不足している分の融資を受ける追加融資の方法です。
例えば、当初は保証協会付き融資で取り上げておき、次にプロパー融資を実行する方法と、プロパー融資を当初は取り上げておき、次に保証協会付き融資を実行する方法などです。
増額融資は、同じ融資方法でしたが、別枠融資は異なる融資方法であるほか、現在利用している金融機関でしか対応できないのが特徴です。

借り換え融資

借り換え融資とは、現在利用している金融機関の融資を異なる金融機関から追加で融資を受けることで返済を行う追加融資の方法です。
例えば、A銀行から融資を受けていて追加で融資を受けたい場合に、B銀行からA銀行の残っている残高以上の融資を受けて返済を行います。
借り換え融資の場合には、同じ金融機関内で行う増額融資や別枠融資よりも、審査や融資条件の面で有利になるケースもあるのが特徴です。

なぜ追加融資が必要になるのか?

追加融資が必要になる時は、事業計画がうまくいっておらず、資金が底をついたため、追加融資が必要になったというケースが考えられますが、他にどのようなケースが考えられるのでしょうか?
追加融資が必要になる要因について詳しく見ていきましょう。

売上の低下や増加

事業計画に沿って事業を行っていても、何らかの原因で売上が低下した場合でも、仕入れや人件費といった経費は継続してかかるため、追加の資金を用意する必要があります。売上が増加した場合でも、すぐに売上を回収できないケースも多く、追加の受注に対する仕入れや従業員を増やすことによって人件費が増えるため、結果的に追加の資金を用意する必要があります。売上が低下した場合だけでなく、増加した場合にも追加融資が必要になることを覚えておきましょう。

利益の低下

売上が低下した時は、仕入れや人件費を補うために追加融資が必要になりましたが、利益が低下した時も同様に追加融資が必要になります。利益の低下は、売上の低下が長引くまたは売上が増加してもそれ以上に経費が生じている場合などに生じます。結果的に支出が多くなってしまうため、切り崩していた運転資金も底をついて追加資金が必要になってしまうという流れです。この状況は、売上の低下よりも状況が悪いため、事業計画が破綻している状況に近いので、追加融資の許可が下りにくくなります。そのため、状況が完全に悪化してしまう前になるべく早く対策を打った方が良いと言えるでしょう。

回収条件や支払い条件の変化

こちらは売上や利益の問題ではなく、顧客や仕入れ先との関係で、取引条件が以前と大きく異なった場合に追加資金が必要になるものです。なるべく追加融資が発生しなくても済むように、仕入れ先や顧客などと交渉を行いますが、ほとんどのケースで交渉が決裂してしまいます。そうなった場合には、顧客や仕入れ先に合わせるしかないため、追加融資によって一時的に資金を準備しなければならないと言えるでしょう。

まずは余裕を持った事業計画書を作る

追加融資を受けられる可能性があるとはいえ、やはり起業時の方が断然融資は受けやすいでしょう。
基本的に予定通りにいかないのが現実のビジネスです。
想定以上に経費が掛かる、思うように集客できないなど、資金繰りが厳しくなることも見越して、余裕を持った事業計画を行う必要があります。飲食店の場合なら、赤字の状態が続いても半年から1年は経営が続けられる資金を準備しておくことがポイントです。
また、起業後は定期的に事業計画を見直すことを忘れてはいけません。
状況に合わせて綿密に事業計画を更新しておけば、いざというとき追加融資を受けやすくするための準備にもなります。

起業後はより緻密な資金計画の作成を

起業する際はビジネスの将来の収益性で融資を受けられますが、追加融資はビジネスの実績で判断されるという違いがあります。
追加融資を受けようとするなら、より綿密な資金計画を作っておく必要があります。
また、担保なしで受けられる融資は月商の数カ月分程度です。
そのため、ある程度の売上げを確保できているレベルに成長しているなら、起業後でも追加融資を受けられる可能性はあるでしょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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