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すべての食材を市場や契約農家から仕入れたり、一から調理したりするのは大変です。こだわりは必要ですが、時間や費用に見合った効果が得られるか疑問に思っているなら、食材の仕入れやメニューづくりの選択肢のひとつに、冷凍食品を加えてみてはいかがでしょう。冷凍食品は「まずい」、「手抜き」といったイメージがありますが、現在はそんな既成概念を覆す商品がたくさんあるのです。
業務用冷凍食品のメリット
業務用なので「容量が多く、価格が安い」ことはもちろん、すぐに冷凍処理しているので、採れたての食材を求めて下手に遠出するよりも「新鮮」なものが手に入る可能性があります。そして、飲食店として最も便利な点は「下処理・調理済みで時間が短縮できる」こと。コロッケや煮物などの“あとは加熱するだけ”という商品も多いのですが、こうしたものに加え、「おろし大根」や「ソテー済みの玉ねぎ」などもあり、手間がかかるものをいくつか冷凍食品で代用することによって、余力をほかの調理や顧客へのサービスに回すことができます。
利点の多い冷凍食品
「必要な量だけ出して使えるので、食材のロスがでない」ということも経営者としては押さえておきたいところ。特に賞味期限が短い生鮮食料品は、カット済みやボイル済みのものが重宝されます。コンパクトなスペースでも調理が可能なので、人手が少なくて済んだり、調理場を極力清潔に保てるということにもつながるので、特に個人経営の店にとって、冷凍食品を活用することは多くのメリットを生みます。最近は異常気象が続いているので、野菜などの「価格が安定している」こともポイントです。廃棄する食品が少なくなるということは、それだけ生じるごみの量を削減することにもつながります。飲食店から生じるごみは一般家庭ごみとして出すことができず、回収業者に回収を依頼することになります。量単位での契約になっている場合には、ごみの量を減らすことによってごみの処理にかかるコストを軽減できることも大きな利点と言えるでしょう。
バリエーション豊富な冷凍食品
野菜や魚、肉などの調理用の素材も便利ですが、冷凍食品はそれだけではありません。パンやケーキなどのデザート類も種類が豊富です。丸ごと解凍するだけという商品もありますが、パン生地やパイ生地だけを冷凍食品にして調理し、オーブンで仕上げるという手も。店でデコレーションを施したり、中に詰めるものを工夫すれば、オリジナルのメニューに簡単に変身させられ、しっかり手作り感も伝えられます。
商品は大手メーカーのほか、容量の多さと価格を重視するなら業務スーパーがおすすめ。また、海外の冷凍食品の輸入代行業者もあり、フランスから高級冷凍食品メーカーが進出しているので、本場の味を選びこともできます。進歩する冷凍食品のお届けサービス
冷凍食品の輸送や保管にはきちんとした温度管理が必須なので、配送方法は気になるところですが、輸送業者には、冷凍食品専用の保管倉庫や、「フローズン」や「チルド」といった、商品に合わせた温度管理ができるトラックが揃っているので安心です。また、取扱い業者には24時間注文を受け付けているところもあるので、在庫状況を見ながら発注することが可能。当日配送を受け付けてくれる業者、365日無休の業者もあるので、意外にも手軽に利用することができるのです。
業務用冷凍食品のデメリット
食材によっては、解凍や調理のテクニックが必要になるケースがあります。解凍状態次第で料理が水っぽくなったりする、調理中に油はねが生じる、加熱しすぎたことで触感を損なうなどの可能性があるので注意が必要です。また、業務用冷凍食品の中でも、加工されている加工済食品を提供した場合には、他店とのメニューの差別化、味の差別化ができない可能性があります。「冷凍食品を使っている飲食店」という印象を与える可能性もあることがデメリットと言えるでしょう。また、業務用冷凍食品の扱いを増やすことで、通常の冷凍庫だけでは容量が足りなくなる可能性があります。大型の業務用冷凍庫を複数台設置することになると、設置コストが増えるほか、電気代といったランニングコストの増加にもつながることがデメリットと言えるでしょう。
業務用冷凍食品を取り扱う場合の注意点
業務用冷凍食品は、必要な時に必要なだけ使うことができるため、無駄な廃棄を防ぐことができるなどのメリットがありましたが、取り扱う際に注意しなければ、それらのメリットを失ってしまうことになるので注意が必要です。業務用冷凍食品を取り扱う場合の注意点について見ていきましょう。
低温をキープする
業務用冷凍庫の温度は-30℃程度と、家庭用冷凍庫の-20℃と比べると低温に設定されているのが特徴です。そのため、家庭用冷凍庫よりも高い冷凍状態を維持できると言えますが、調理に使用する食材を取る際に頻繁に開閉した場合には、いくら業務用冷凍庫でも温度が上がってしまうことになります。かといって、開閉時の温度上昇による影響を抑えるために冷凍庫の設定温度を下げた場合には、その分電気代が増えてしまうことになるので注意が必要です。開閉しても冷凍庫内の温度を上げないようにするためにはどうすればいいのでしょうか?まずは、調理に必要な食材が何なのかを前もって確認します。それらを確認してからまとめて食材を取り出すように工夫すれば、頻繁に開閉を繰り返すことを防ぐことができます。また、庫内の隙間が多いと、開閉時に庫内にある食品が外気に触れる面が増えるため、温度変化による影響を受けやすくなります。そのため、隙間なく食品が詰まっている方が外気に触れず、互いに保冷材の役割を果たすため、食品が傷むことを防ぐことができるでしょう。
適切な保存を心掛ける
業務用の冷凍食品を購入した場合は、上記のように低温をキープする工夫を心掛けながら食品を保存すれば問題ありません。自身で購入した食材などを冷凍する場合やスムーズに料理を提供するために店舗内で調理した料理を冷凍する場合は、保存時に注意が必要です。調理した食品を冷凍する際は、庫内の温度を上げてしまうことがないように、冷ましてから入れるのが基本です。冷凍庫とは別に急速冷却加工機器を使って食材が早く冷えるようにするのもポイントです。もし、急速冷却加工機器を持っていない場合は、早く冷えるように小分けにする、薄く広げる、アルミトレイに乗せるなどの工夫を行うことによって、庫内の温度を上げるのを抑えながら食品を保存できるでしょう。
解凍方法には注意する
食品をしっかりと保存できる環境を整えていても、解凍方法を誤ってしまうと冷凍食品のメリットを失うことになるので注意が必要です。自然解凍を行うのが一番食品を傷めずに解凍できると思っている人が多いのではないでしょうか?しかし、20℃~50℃の範囲内で解凍する場合は、細菌が発生しやすい温度であるため注意が必要です。特に厚みのある肉を自然解凍する場合は、中まで解凍するのに長時間放置しておくことになるため、細菌発生のリスクを高めてしまいます。細菌発生のリスクを抑える解凍方法としておすすめするのが、解凍専用機器を導入することです。解凍までに時間がかかるため、使用日の前日に使用する分だけを解凍専用機器に移動させる手間が生じることになりますが、細菌発生のリスクを抑えることができるでしょう。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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