更新日:

低アル・ノンアル飲料が人気!お酒が弱くても楽しめる飲み物って?

低アル・ノンアル飲料が人気!お酒が弱くても楽しめる飲み物って?

アルコールの消費量が世界的に減少傾向にある一方で、低アルコール・ノンアルコール市場は右肩上がりに成長を続け、若者を中心に世界のトレンドとなりつつあります。日本の酒類メーカー各社もこぞって低アルコール・ノンアルコール商品の開発に注力し、居酒屋やバー、レストランでも当たり前に提供されるようになってきました。
低アルコール・ノンアルコール飲料が支持を集める理由とは何なのか?今押さえておきたい関連キーワードも交えながら、詳しく解説します。

低アルコール・ノンアルコールの需要が高まる背景

健康志向の高まり

適度な飲酒は気分転換やリラックス効果といった良い影響を与えますが、過度な飲酒は肝臓に負担がかかり、肥満にもつながるなど健康を害する要因になります。
ここ数年ではコロナ禍による外出自粛や運動不足をきっかけに、心身の健康を気遣い、飲酒習慣を見直す人が増加中。飲酒量や頻度を減らしたり、低アルコール・ノンアルコール飲料を取り入れたりする傾向が高まっています。

お酒との付き合い方の変化

コロナ禍をきっかけに大人数での飲み会は減少傾向に。その結果、自分の好きなお酒を自分のペースで楽しむ人が増えたことも、低アルコール・ノンアルコール飲料の需要増に影響を与えています。
また、普段からお酒を嗜む人であっても、その日の気分や体調によって、低アルコール・ノンアルコール飲料を選ぶなど、お酒との付き合い方も変化しています。

お酒を飲まない層の増加

アサヒビールの調査によると、日本の20代〜60代の人口約8,000万人のうち半数が日常的にお酒を飲まない(飲めない・あえて飲まない)層に該当するといいます。あえてお酒を飲まない層に関しては、若者を中心に年々増加傾向にあり、アルコール離れが加速化しています。

低アルコール・ノンアルコール需要に関連するキーワードを押さえよう!

ソーバーキュリアス

ソーバーキュリアス(Sober Curious)とは、お酒をあえて飲まない、または少量しか飲まないライフスタイルのこと。sober=しらふ、curious=好奇心旺盛・~したがるを組み合わせた造語で、欧米のミレニアル世代を中心に広がっている新たなお酒のカルチャーです。
お酒を飲まない方がクールという意識が強く、健康のために我慢して禁酒するのではなく、あくまでも前向きに「飲めるけど飲まない」という選択をするのが特徴。コロナ禍による健康志向や価値観の変化が要因とされており、心身の健康と豊さを保つ目的で取り入れている人が多い傾向にあります。
ソーバーキュリアスについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事 あえて飲まない「ソーバーキュリアス」って何?ノンアル時代突入の狼煙が上がっている件について

モクテル

モクテルとは、バー文化が盛んなイギリス・ロンドン発祥のノンアルコールカクテルのこと。「似せた」という意味の“mock”と“cocktail”を組み合わせた造語です。お酒が苦手な方やアルコールの摂取を控えている方でも楽しめるドリンクとして、世界中で人気が高まっています。
日本では、コロナ禍の緊急事態宣言下で飲食店での酒類提供が禁止されたことをきっかけに、モクテルを取り入れる動きが活発化。モクテルだけを提供する専門店も続々と誕生しています。

代表的なモクテル例として、以下が挙げられます。

シャーリーテンプル
グレナデンシロップ、ジンジャエール、ライムまたはレモンを合わせたノンアルコールカクテルの代表格です。

モクテルサングリア
ぶどうジュース、お好みのフルーツ、砂糖またはシロップ、シナモンなどのスパイスを使用。ぶどうジュースの代わりにノンアルコールワインを使うのもおすすめです。

モクテルモヒート
ミントの葉、ライム、炭酸水、砂糖またはシロップを使用。フレッシュなミントと搾りたてのライムにこだわることで、ノンアルコールであっても奥行きや香りを感じられる一杯に仕上がります。

モクテルシャンパンストロベリー
ノンアルコールシャンパンにイチゴを加えるだけ。見た目も華やかで、お酒を飲んだ気分を楽しめると人気の定番モクテルです。

どの飲食店でも飲めるソフトドリンクとは違い、モクテルはちょっとした工夫で自店のオリジナリティを出せるのが利点です。思わず写真を撮ってSNSにアップしたくなるような見栄えも重要で、ここでしか飲めない特別感は集客の役割も果たします。

微アル

微アルとは、アルコール度数0.5%程度の低アルコール飲料のこと。大手ビールメーカーのアサヒビールがアルコール度数0.5%のビールテイスト飲料「アサヒ ビアリー」を発売するにあたって作り出した、新たなお酒のカテゴリーです。
お酒は飲みたいけど酔いたくないという方や体質的にお酒に弱い方にも支持され、「アサヒ ビアリー」の販売量は右肩上がりに拡大中。他のビールメーカーも続々と微アルジャンルへの参入を始めています。

法律上では同じノンアルコール飲料に該当するノンアルコールビールと微アルビールですが、この2つには製法に大きな違いがあります。アルコール発酵をさせずに作られるノンアルコールビールに対し、微アルビールでは、ビールを醸造してからアルコール分だけを分離して取り除く製法を採用。ビール好きの方でも満足できる本格的な味わいだと高く評価されています。
微アルについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事 ビール市場の新ジャンル「微アル」 って何?ノンアルとの違いは?

ハードセルツァー

ハードセルツァーとは「アルコール入り」を意味する“ハード(Hard)”と、炭酸水を意味する“セルツァー(Seltzer)”を組み合わせたアルコール入り炭酸水です。ほんのり甘いフルーツフレーバーとすっきりとしたのどごしが特徴で、アルコール度数は2〜5%程度が主流となっています。
2018年頃からアメリカの若者を中心に広がり始め、今やアルコール飲料市場の新たなトレンドとして世界中で注目される存在に。健康志向が高まる現代において、低アルコール、低カロリー、低糖質、グルテンフリーである点も評価され、多くの消費者から支持を集めています。

チューハイとの違い
アルコール入りの炭酸水といえばチューハイが有名ですが、製法や味わい、アルコール度数などに大きな違いがあります。

ハードセルツァーチューハイ
製法サトウキビなどを発行させた醸造酒を炭酸水と果実フレーバーで割る。酎ハイやウォッカなどのスピリッツ(蒸留酒)を炭酸水と果実で割る。
アルコール度数2~5%程度

4~6%程度

7~9%の強アルコール商品も人気がある

味わいやさしいフルーツフレーバーで甘さは控えめ。ジュースのような強い甘さを感じられるものが多い。
飲まれるシーン運動や仕事後のリフレッシュタイムに。食事中やお風呂上りに。



代表的なハードセルツァー商品例

▼コカ・コーラ「トポチコ ハードセルツァー」
世界20カ国で愛されている「トポチコ ハードセルツァー」は、2021年9月から関西エリアのスーパー、コンビニ限定で販売されています。アルコール度数は5%で、日本限定の「アサイーグレープ」と「タンジーレモンライム」「パイナップルツイスト」の3種類のフレーバーがあります。

▼サッポロ「サッポロ WATER SOUR」
2021年8月から全国販売されている「サッポロ WATER SOUR」はアルコール度数3%で無糖のハードセルツァーです。レモンとオレンジ、どちらのフレーバーも爽やかで飲みやすく、無糖なのでどんな料理とも相性が良いのも魅力です。


▼アサヒビール「アサヒ FRUITZER(フルーツァー)」

ハードセルツァーの特徴である甘さ控えめですっきりとした後味はそのままに、人工甘味料を使用せず、果汁由来の自然な味わいに仕上げた商品。アルコール度数は4%です。

低アルコール・ノンアルコール飲料を取り入れた店づくりを

アルコール飲料を取り巻く環境は、ライフスタイルや価値観の変化に伴って刻々と変化を遂げています。低アルコール・ノンアルコール飲料は、今やアルコールを我慢するためのものではなく、心身の健康を意識して積極的に取り入れるツールに。普段からお酒を飲む人にとっても、気分によってお酒の種類やアルコール度数を選ぶことが当たり前になりつつあります。
日本の20代〜60代の人口約8,000万人のうち半数が普段お酒を飲まない状況である今、そうした層を意識した店づくりは、今後の飲食店経営に欠かせない要素となるでしょう。

ライター:上田はるか(フリーライター)

大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。

この記事の監修

株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

canaeruは年間300件以上の開業サポート実績!

メールアドレスの登録で
開業までのサポート完全無料で受けられます!

個人情報の取り扱いについて

メールアドレスを入力してください

無料会員登録でできること
① 「日本政策金融公庫」の創業融資をはじめとする資金調達の相談が出来る!
② 開業時に必要な事業計画書の作成サポートが受けられる!
③ 店舗開業や運営に関するさまざまな疑問点・お悩みを何度でも相談可能!
※ 金融機関出身者、元飲食店オーナーら店舗開業のプロが対応します

PAGETOPへ