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現場経験ゼロから飲食業界へ――新進気鋭の若手会社経営者が語る、成功への想い

当たり前のことでも別の角度から見ることで新たな発見がある

  • 中元 孝太/株式会社ヴィクセス

現場経験ゼロから飲食業界へ――新進気鋭の若手会社経営者が語る、成功への想い_記事画像

2010年に飲食事業で起業を果たした中元孝太代表取締役社長。飲食店の現場経験ゼロからのスタートだったが、今では新進気鋭の若手経営者として注目を集めるまでに。起業・経営への想い、ビジネスアイデアの発想方法など、ヴィクセス中元とは、どんな人物なのか、その秘密を探ってみた。

「25歳までに独立」起業の準備はサラリーマンをしながら進めたという中本社長の独立を見据えた行動とは?

ーー中元社長のキャリアは、新卒で入社した店舗流通ネット株式会社からスタートしています。入社した頃から、すでに起業を意識していたのでしょうか?
いいえ、まったくしていませんでした。当時の店舗流通ネットは、上場したばかりのバリバリのベンチャー企業だったので、「お金が稼げて、カッコイイ人たちが働いているから」という理由で入社を決めましたね。ですが、飲食業に対する関心がまったくなかったんです(笑)。しかし、営業の立場で飲食店の出店などをサポートし、さまざまな経営者と接していくうちに、「飲食店っておもしろいな」、「こんな社長になりたいな」という思いが芽生え始めました。それが23歳頃。この時に「25歳までに独立」という目標を立てました。

ーーその後、「塚田農場」などの飲食店を運営する株式会社エー・ピー・カンパニーに転職し、再び店舗流通ネットに戻ってきたそうですね。
エー・ピー・カンパニーでは社長との距離が近く、一社員として働きながら社長の偉大さを目の当たりにする機会が多くありました。いわゆる“サラリーマン”の限界を感じていた僕にとって、社長の行動ひとつひとつが起業への想いをいっそう強めるキッカケになりました。エー・ピー・カンパニーに在籍した1年ほどの間、エリアマネージャーを担当したり、店舗開発にも関わったりして、さまざまなノウハウを吸収させてもらいましたね。
店舗流通ネットに戻った時には、独立を確実に見据えていました。この頃、業者さんとのパイプを作る部署を立ち上げたんです。実は、この仕事でつながった業者さんのうち、今も4~5社くらいとお付き合いがあります。図らずも、サラリーマンとして働きながら起業の準備をしていた形になりました(笑)。

独立・起業の夢を叶えたものの苦戦の日々、企業理念「他人本位」 が生まれた裏話

ーーようやく起業の夢が現実味を帯びてきたのですね。
東京・渋谷で最初の物件を見つけた時は、まだ肝心の店舗業態が決まっていない状態でした。居酒屋などの自社業態でやっていくことも考えましたが、何から着手したらよいのか分からず……。そこで、飲食の先輩である、エムグラントフードサービス株式会社の井戸社長に連絡したんです。井戸社長とは以前からお付き合いがあり、たまに起業の相談に乗っていただいていました。相談しているなかで、井戸社長からエムグラントフードサービスが運営する「CONA」というイタリアンをフランチャイズでやってみないか、と提案していただいたのが始まりです。

ーー2010年8月、目標だった25歳で1店目となる「UeCONA渋谷道玄坂離れ」をオープンしました。
オープンから半年くらいは、とにかく試行錯誤の日々が続きました。特に集客の面で苦戦して、最初の3ヵ月は赤字経営でしたね。創業スタッフはほとんどが僕の友人で、飲食店経営に関しては僕を含めて全員が素人でしたから、どうすればお客様を呼び込めるのか分からず、手探りで何とかやっているという状況でした。

ーー決して順調とは言えない滑り出しから、現在の成功に至るまでにターニングポイントとなったのは何でしょうか?
1店目のオープンから半年ほど経った頃、偶然、スタッフの入れ替わりがあったんです。今となっては運命のように感じますが、現在の役員や幹部社員が一斉に入社し、店の雰囲気はガラッとよい方向へ変わりました。彼らは、周囲への感謝や思いやりを大切にしたいという僕の想いに共感してくれた人たちです。その後、震災の影響で厳しい時期もありましたが、想いを同じくしているからこそ、一緒に乗り越えることができました。今もまだ発展途上の会社ですが、ここまで来られたのも彼らのおかげですね。”人のために”という意味を込めた「他人本位」という企業理念が生まれたのも、この時期だったと思います。

起業で大成したいなら、人脈がすべて。独立後の困難も 周囲の助けがありました

ーー自社業態の店舗では、70種類以上のワインをセルフで飲み放題にするなど、お客様を喜ばせる仕掛け作りをされています。どんなところから発想を得ているのですか?
ビジネスのヒントは、日常生活のあちこちに転がっているので、さまざまなことにアンテナを張っています。ワインのセルフ飲み放題の例で言うと、ビュッフェやサラダバーにはたくさんの種類の食べ物を自由に取りに行ける楽しみがありますよね。さらに、これを時間無制限で楽しめたらもっと喜ばれるはずだと思い、この発想をワインバルに落とし込んだんです。
大それたアイデアではありませんが、どこの店もやっていない試みでした。すでに世間で当たり前とされているものでも、別の角度から見てみれば新たな発見があるものです。ゼロからアイデアを生み出すのは難しいことですが、周りにある「当たり前」に目を向けてみることでビジネスの可能性はもっと広げられるはずです。

ーー中元社長と同じく、起業を志す人に向けて、アドバイスをお願いします。
起業で大成したいなら、人脈がすべてでしょう。僕自身は、相手が自分にしてくれる以上のことをお返しすることで、強い信頼関係につなげてきたと思っています。起業を目指す人は、起業そのものに意識を集中させがちですが、実際は事業を継続することのほうがもっと大変。人脈さえあれば、独立後も何とかうまくやっていけるものです。自分の経験を振り返ってみても、困難が立ちはだかった時は、いつも周囲の助けがありました。心から信頼できる先輩経営者や仲間、友人がいるかどうかが、成功を左右すると言っても過言ではないかもしれませんね。

中元 孝太

中元 孝太

株式会社ヴィクセス代表取締役社長。1984年生まれ。専門学校卒業後、2社でのサラリーマン経験を経て25歳で独立。たくさんの仲間に出会い、新たな挑戦をしていきたいという考えから、現在、スタッフ1万人企業を目指して邁進中。

株式会社ヴィクセス

株式会社ヴィクセスhttp://viccess.biz/
東京都渋谷区円山町15-4近藤ビル4階

株式会社ヴィクセス
東京・神奈川を中心に、イタリアンバルなど全国26店舗(プロデュース店舗含む/2016年8月時点)の飲食店を運営する株式会社ヴィクセス。2010年にライセンス業態である「UeCONA渋谷道玄坂離れ」をオープンし、以降、ワインバルや焼肉店といった自社業態の店舗を各地で展開している。

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