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【小阪裕司コラム】第235回:「手芸店」で「お菓子」を売る1

【小阪裕司コラム】第235回:「手芸店」で「お菓子」を売る1

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

新規客獲得のためにはじめたお菓子の販売

 今回は、手芸店が菓子販売を始めたことで、既存客との絆作りや新規客の獲得につながっていったお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員のある手芸店からのご報告だ。
 手芸店は、手芸に興味・関心のない人には入りづらい店だ。ならば手芸用品にこだわらず、誰にとっても身近な商品で手芸店の狭い間口を広げ、新規客を集めることはできないか。店主はそう考えた。そこで「お菓子」というわけだが、なぜ菓子なのかといえば、ずばり「店主が好きだから」。
 そうして早速仕入れはしたものの、なにしろ手芸店での菓子販売だ。売れるかどうかは未知数。正直不安もあったが、実際行ってみると、意外にもお客さんの反応は上々。「なんでお菓子売ってんの?」という質問が多くあり、なかには「これ、よくできてるねー」と、手芸店だけにリアルなハンドメイド作品ではないかと勘違いして、「手芸店」と「お菓子」が結びつかず、思考が追いついていないお客さんも多くいたという。そして、そのことを説明すると勘違いに気づきスタッフと笑い合うという、ほっこりした場面もしばしば見られた。
 それもこれも、「手芸店でお菓子?」という一見ミスマッチな取り組みがきっかけだ。そこに会話が生まれ、笑い合い、会話を通して顧客の意外な一面が垣間見れたりと、「“絆作り”はこういうところからも生まれるんだ」との気づきがあったと店主は言う。
 そして、当のお菓子は。最初に準備した在庫が4日ほどで底をつき、すぐに追加仕入れを起こさなければならないほど、よく売れ、その後も売れ続けた。

お菓子の販売は好調だが

 そうして半月ぐらい経った頃、あることに気がついた。それは、菓子は順調に売れているが、当初の趣旨である「手芸店の狭い間口を広げ、新規客を集める」ができていないことだった。この半月間、菓子を買ってくれた方々は皆、手芸用品を目的に来店され、その“ついでに”菓子を買っていった方ばかり。新規客を増やすことにはまだつながっていなかったのだ。
 そこで店主は考えた。既存客にこれほどお菓子がうけているのだから、見知らぬ方々にもうけるはず。中でもダントツに売れている、ある“せんべい”を軸に新規客が思わず来店したくなる仕組みを考えてはどうか。そう考え店主が打った一手は、たちまち多くの新規客を集めることとなった。それはどんな手だったのか。この続きは次回に。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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