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【小阪裕司コラム】第241回:「風変わりな問い合わせ」が秘める可能性とは②

【小阪裕司コラム】第241回:「風変わりな問い合わせ」が秘める可能性とは②

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

それ、メニューに書いてある?

 前回、お客さんからの「風変わりな問い合わせ」が大きなビジネスチャンスであることを、ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の生花店からのご報告を通じてお伝えした。そして生花店主は実際このチャンスを掴みに行ったが、「風変わりな問い合わせ」の重要性に気づいたなら、次はそれをどう掴むかだ。今回はその「掴み方」のポイントの一つをお伝えしよう。実践会員のあるお二方の会話から。
 このお二人のうち一人は、店頭で鮎焼きを提供しているドライブインの店主。もう一人は飲食店主だ。ここでは便宜上、前者をAさん、後者をBさんと呼んでおこう。
 あるとき二人が「風変わりな問い合わせ」について話をしていたときのこと。Aさんがふと、あるお客さんご夫婦から「ワンちゃん用に、鮎を無塩で焼いてもらえますか?」と、何度も同じ「風変わりな問い合わせ」があることを思い出した。そのことをBさんに告げると、Bさんからこんな問いを投げかけられた。「それ、メニューに書いてある?」。
 Bさんのこの問いかけの真意は、まさに「風変わりな問い合わせ」からのビジネスチャンスの掴み方だ。前回もお伝えしたように、「風変わりな問い合わせ」は、そういう誰かのニーズの現れであり、自分すらも気がついていない自社・自店の可能性を、他者が見つけて教えてくれているようなもの。つまりこの場合なら、ペットの犬とともに来店したお客さんが、店頭で供されている焼き鮎を自分の愛犬にも食べさせたいというニーズがあり、愛犬用に塩抜きで焼いてほしいとの要望があるということだ。

ビジネスチャンスに気づいた後のステップ

 そこでBさんの問いかけだ。Bさんは、そのニーズがあるとしても、わざわざ「風変わりな問い合わせ」をしてくれるお客さんはごく稀だ。しかし、そのビジネスチャンスに気づき、問い合わせを待たずして、メニューに、例えば「あなたのワンちゃんに! 『犬用・塩抜きの鮎焼き』あります」などと表記し価格を記しておけば、わざわざ問い合わせをしなくてもお客さんは買うことができる。そういう手立てを打っているかと尋ねているのだ。
 「風変わりな問い合わせ」からビジネスチャンスに気づいたら、次はそれを商品として、商品名を付け、価格を決め、お客さんにアピールすること。そうすれば、同様のニーズがある多くのお客さんがそれを見つけてくれるだろう。そうしてヒット商品が生まれることは少なくないのである。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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