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味噌汁はもっとも偉大な万能メニュー。活用しない手はない!

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鎌倉時代から親しまれている料理といえば「味噌汁」。食生活の欧米化などで、味噌汁を飲む機会が減ったともいわれていましたが、近年の発酵食品ブームを受け、味噌汁を再評価する声が高まっています。飲めば誰もがほっとする日本のソウルフード・味噌汁について改めて考えてみましょう。

子どもたちの食育を願い「みそ汁グランプリ」が開催

2017年11月に千葉県東金市で開催された「東金みそ汁グランプリ」。もともと東金市は古くから「味噌の発酵の町」としての成り立ちがあるそうで、東金市産の黒大豆をみそに加工した「黒豆みそ」を特産品としてPRするほか、子どもたちの食育のためにも味噌汁を改めて見直す機会づくりの場としたいと実施されました。同大会は県内の飲食店など13の団体が味噌汁のレシピを競うもので、栄えある第1回大会を制したのはごろっとした野菜と団子が入った「ごろごろ野菜ともち団子入りおっかさんのてづくりとん汁」(アグリライフ東金)。2位はいわし団子が入った「たべてみそ いわし団子汁」(九十九里町商工会女性部)、3位はかき揚げがのった「東金活気↑美素汁(かっきあげみそしる)」(ひまわり倶楽部)でした。この他にも、具材にハーブやトマト、餃子などを入れたもの、味噌をベースに豆乳仕立てにしたものなど、バラエティに富んだ味噌汁がエントリーされていたそうです。このように味噌汁は具材によっていかようにもアレンジできますし、アイディア次第で主役メニューになる可能性を秘めています。

味噌汁の復権

食生活の変化などにより出荷量が減り続けていた味噌ですが、2016年には9年ぶりとなる出荷量の増加がみられたそうです。発酵食品ブームなどが後押ししたそうで、和食ブームが続く海外への味噌の輸出も過去最高を更新。この発酵食品ブーム、塩麴や甘酒、納豆などがありましたが、味噌本来が持つ栄養価などが再評価され、味噌汁をベースにした新しい商品や専門店も続々登場し、“進化系味噌汁”として話題を集めています。

パンと合う洋風味噌汁

味噌製造の大手マルコメはフレッシュネスバーガーと共同開発した「パンと合うみそスープ」を2017年3月に販売しました。朝食は栄養バランスを心がけ和食をとりたいと思いながらも手軽に食せるパン派が増えている現状を踏まえ、マルコメの新入社員がアイディアを出し合い、パンにも合うみそスープを提案。改めて日本の伝統的な発酵食、味噌の魅力を再発見して欲しいという想いや、これまでにない組み合わせで、国内はもとより海外にも味噌の素晴らしさを伝えていくことも狙いにあるそうです。「パンと合うみそスープ」はトマトみそベースで洋風にアレンジされ、後から好みで追加できるバジルオイルが味のアクセントをつけてくれるそう。サンドイッチや総菜パンとの相性がよいと評判の一品です。

和にも洋にも合う「みそポタ」

2016年3月に京都にオープンした「MISO POTA KYOTO(ミソポタキョウト)」は味噌汁をベースにしたポタージュスープを楽しめる専門店です。食の欧米化や外食の機会が増え、味噌汁を飲む人が少なくなったといわれる中、ひとりでも多くの人に飲んで欲しいと味噌汁とポタージュをミックスした新しいスタイルの味噌汁を開発。イートインも可能なお店では、カフェでテイクアウトするような感覚でカップに入ったみそポタをいただくことができます。栄養をまるごと取り入れるホールフーズという概念のもと、具材となる野菜を丁寧に下ごしらえして、味噌をベースにした濃厚なポタージュスープに仕上げています。季節によってメニューも変わり、パンやごはんにもマッチするみそポタ。ビーガン対応・グルテンフリーのみそポタもあり、お取り寄せ商品も人気だそう。

味噌汁が主食

味噌汁そのものを主役にした専門店もオープンしています。「美噌元」は添え物ではなく、食のメインとなるような新しい価値観で味噌汁を提供する専門店。ちなみに店名の「美噌元」は、味噌汁を毎日食べてキレイになっていただきたい、という想いからつけられたそう。東京・丸の内にある商業施設「KITTE」には美噌元のイートインショップがあり、主食として具材たっぷりの味噌汁をいただくことができます。厳選された各地のみそを使った味噌汁は具材のみならず、味噌そのものの味わいも堪能できます。「美噌元が監修するみそ汁のレシピ本(「味噌汁専門店の具だくさん味噌汁100」世界文化社)も発売されているのですが、タイトルにもある通り味噌汁だけでなんと100のレシピを掲載。贈答用などの商品ラインアップも充実し、フリーズドライの味噌汁を最中で包んだ「味噌汁最中」は贈り物として喜ばれているそう。

「新しい味噌汁」という考え方

出荷量が増えたとはいえ、ファストフードや洋食を好む傾向が強い若者にとって味噌は身近な食材とは言い難い存在。そこで若者の味噌離れを解消しようと、マルコメと電通がタッグを組み、2014年に「これまでにない新しい味噌汁」開発プロジェクトを立ち上げました。はるか昔からある味噌汁どのような手法を用い、現代の若者にアプローチすることができたのでしょうか。

ロックを効かせた味噌汁

これ、マルコメが発売した即席味噌汁の商品名なんです。一度聞いたら忘れられないほどのインパクトがありますよね。味噌汁に関心がない人でも、ネーミングの強さで興味を持たせることができる好事例ではないでしょうか。この商品はロックバンドの「味噌汁’s(みそしるず)」とコラボレーションして開発されたもの。商品名にある通り、実際に味噌汁’sのメンバーがロックを演奏し、味噌に聴かせ(その味噌を使って商品を製造、工場内での演奏動画も製作)、カロリーも69(ロック)キロカロリーにしたりと、遊び心満載の仕掛けが散りばめられています。他にも音楽フェスでブースを出展し、試飲してもらうことで実際の商品に使う味噌を投票してもらったり、期間限定のコラボショップを竹下通りにオープンするなど、実際に若者が味噌汁を知るきっかけや、手に取り食べてもらうという道筋を作り上げました。

世界初カワイイ味噌汁 原宿味

「これまでにない新しい味噌汁」開発プロジェクトの第2弾が、「MISO KAWAII」をテーマにした即席味噌汁の「世界初カワイイ味噌汁 原宿味」です。日本独自の文化“HARAJUKU CULTURE”を世界に発信し、きゃりーぱみゅぱみゅさんが所属することでも知られるアソビシステムとのコラボレーションで生まれました。2016年2月に発売されたこの味噌汁、カワイイをテーマにしているだけあってピンクを基調にしたパッケージには「マルコメちゃん」なるキュートなキャラクターが描かれ、乙女心をくすぐるデザインに。この商品でも様々な仕掛けがされており、第1弾のロックを聴かせるに続き、世界4か国で収集された「カワイイ」という声をマルコメ工場の味噌に聴かせて「カワイイ味噌汁」を製造。たくさんの声を受けた24割糀のやさしい甘みのある糀みそに、化学調味料を使用せず、かつおだし・煮干しだし・昆布だしなどを加え、風味豊かに仕上げています。また青文字系の雑誌「mer(メル)」 ともコラボレーションをして開催した「初代マルコメちゃんオーディション」、原宿に期間限定でオープンした1杯100円の味噌汁スタンド「カワイイ味噌汁屋さん」も話題となりました。

実はこのプロジェクトをきっかけに、マルコメに入社を決めた若者がいたそうです。味噌汁の若者離れを何とかしたいという願いからスタートしたプロジェクトでしたが、味噌そのものに興味を持ち、作り手になりたいという若者が出てきたことは何とも心強いですよね。

マルコメの「これまでにない新しい味噌汁」プロジェクトから学べるのは、作り手のアイディア次第で既存の料理でも新たな魅力を引き出すことができるということ。普遍的な存在ゆえに、工夫ひとつで可能性が広がるのが味噌汁です。ぜひ、新しいメニューとして加えてみてはいかがでしょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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