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ここ1、2年でぐっと身近な存在になったフードデリバリーサービス。新たな販路を広げたい飲食店としては魅力的なツールですが、新規参入の企業も増えるなか、パートナーとしてどのサービスが最適なのか迷うところです。その選び方のポイントをご紹介していきます。
目次
そもそもフードデリバリーとは?
フードデリバリーは「Uber Eats」に代表されるような、配達代行のサービスのこと。配達手段を持たない飲食店でも、このサービスを利用すれば、店に代わって配達を代行してもらえます。
かつて日本のデリバリー文化といえば、ラーメンや蕎麦といった一部の業態に限られていました。その後、自社の配達機能を持つピザなど専門店の「注文」を請け負うネットのサービスが誕生。
さらに「決済」から「配達」まで一元化できるシステムとして発展し、認知が広がっています。2020年以降に需要が急成長! 要因は?
近年、成長基調にあったフードデリバリー市場ですが、米国の市場調査会社NPDグループによると、2020年の日本の市場規模は50%も増加しているとのこと。その急成長の理由は何なのでしょうか。
オンライン上で注文できる
オンライン上のオーダーシステムはPCだけでなく、アプリ開発も加速。使い勝手が格段にアップしたことがユーザー拡大の大きな一因とみられています。
一度、登録してしまえば住所を繰り返し伝える必要がなく、クレジットカードのほか、各種モバイル決済でシンプルに支払いも可能。お気に入りの飲食店を登録しておくこともできるので、若い世代を中心に手軽にリピートしやすい環境が整いました。共働き世帯の増加
共働きの世帯が増えたことも要因にあげられます。仕事が忙しく買い物や料理をする時間がないときに、デリバリーのためにいちいち電話をかけるのは面倒なもの。
帰宅途中でも、電車の中からスマートフォンで「ポチッ」とするだけで、家に戻れば食事にありつけるという状況は非常に助かります。フードデリバリーはファストフードだけでなく、大人世代のニーズにも応えられる人気レストランの加盟も増えています。コロナ禍による巣ごもり需要
最も大きな要因となっているのがコロナ禍による「ステイホーム」の影響です。
人との接触を避けなければならないという状況は、「存在は知っていたけれど」という人に利用をうながす強い動機付けとなりました。
また、コロナ禍で仕事を失った人の大きな雇用先になったことも、認知を上げるきっかけになったと考えられます。国内外からデリバリー企業が続々参入!
予想以上の速さで需要が高まるフードデリバリー。それまで利用率が低かった日本には、外資系企業も熱い視線を送っています。
Uber Eats
米国発祥で、日本は2016年9月の東京を皮切りに、2021年7月に青森、秋田、福島、滋賀の4県を加えて計40都道府県でサービスを提供しています。加盟店は10万店以上。
東京23区で近距離での配達を徒歩で行える仕組みの試験運用を行うほか、タビオ株式会社と提携して「靴下のデリバリー」を始めるなど、新たなビジネスの開拓にも力を入れています。出前館
加盟店7万店以上の老舗の国内企業。デリバリー注文を請け負うプラットフォームとして20年前にスタートし、現在は注文だけでなく、配達機能を持たない飲食店の代わりに配達を担う「シェアリングデリバリー」を全国47都道府県で展開しています。
2020年にLINEと資本業務提携を結び、LINEアカウントを使った注文が可能になりました。foodpanda
2020年9月に参入したドイツ系企業。横浜や札幌などの地方都市からスタートした後、2021年4月に東京でサービスを提供していた「FOODNEKO」とブランド統合を果たし、現在25のエリアで展開中。
大手コンビニのローソンと提携するほか、2021年後半には、日用品の在庫をもち、配送まで行う「Dマート」と呼ばれるサービスも開始する予定です。Wolt
フィンランドが発祥で、日本には2020年4月に参入。広島、札幌、仙台からスタートし、地方の都市圏を中心に2万7000店を超える店が加盟しています。
地域に根付いた有名店や実店舗を持たない飲食店が多く利用しているようです。お店から1.5km以内は配送料が一律99円と安価な点が支持されています。DoorDash
米国でウーバーイーツを超えるトップシェアを誇り、アジア市場としては初めて2021年6月に仙台でサービスを開始したばかり。
地域経済を活性化し、働き方や生活における新しい変化を生み出すことを企業理念に掲げています。menu
2020年の4月からわずか1年で47都道府県、6万店以上の加盟店を獲得した成長株。
KDDIと資本業務提携を結び、「au ID」との連携で「au Pay」での支払いを可能にするなど、新しい顧客の取り込みを図っています。導入前にコレだけは知っておこう!
フードデリバリーにはメリットはもちろん、デメリットもあります。導入を検討するなら、まずはその前に「サービスそのものが自分の店に向いているかどうか」を確認しましょう。
【メリット】
導入するメリットはズバリ、初期費用を抑えられること。注文システムの構築、バイクや自転車の購入、配達専用の従業員の雇用は金銭的な負担につながります。
また、注文の受付や、配達までの流れを管理する担当者を育成するのも費用と時間がかかるでしょう。こうしたオペレーションが簡素化されることは、特に小規模の店舗にとってメリットが大きいといえます。【デメリット】
そもそもデリバリーに向かない業態もあります。酒類の売上比が大きい居酒屋は、その一例。
できたての味にこだわる店では、数十分の配達時間が味への評価の低下につながるおそれもあります。現状、店の認知度が不足しているのであれば、期待するような売上増につながらないこともあると心得ておきましょう。デリバリー・サービスを選ぶポイント
それではいよいよ、本題に入りましょう。デリバリー・サービスを選ぶ際、大きく4つのポイントがあります。
①登録者数
出前館は2020年11月に登録者数が600万人を突破。直近1年間に1回以上オーダーしたアクティブユーザーは471万人にも上っています。
当然、登録者数が多いほど“引き”はありますが、こうした大手は加盟店の数も多いので、埋もれてしまわないようにメニューや価格設定で差別化を図る必要があります。②サービス料・手数料
注文システムの使用料や配達手数料は各社で異なります。例えばUber Eatsでは、売り上げに対して配達手数料を含めた35%を支払うことになり、これを踏まえてメニューの価格設定が必要になります。利益が見込めるかどうかを慎重に見極めましょう。
③配達範囲
仮にA社にデリバリーをお願いしたい場合、自分の店が配達範囲に含まれているか確認しましょう。
含まれていなければ、客側からの注文を受けらず、サービスそのものを導入することもできません。たとえ東京であっても企業によっては、未対応のエリアもあります。④休業時や客都合のキャンセルに伴う対応
休業日や営業時間外に注文ができないようにシステムを設定する必要がありますが、コロナ禍ということもあり、急な変更にも対応してくれるサービスを選ぶと安心です。
また、ユーザーからのキャンセルは一定時間が経過した後は受け付けない仕組みになっていますが、各社条件が異なるので、事前に問い合わせておきましょう。自店にあったフードデリバリーサービスを選ぼう
コロナが収束した際は一時的に落ち着くかもしれませんが、これをきっかけにまだまだ利用は伸び続けると見る市場関係者は少なくありません。各社のサービス内容を吟味し、自店にとって何がプラスになるのかを見極めたうえで、パートナーとなる企業を選びましょう。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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