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事業を始める際や融資を受けるときに必要な事業計画書は作成しておくと事業の可視化ができるだけなく、さまざまな場面で役に立ちます。今回は事業計画書の書き方や疑問点、注意点についてご紹介します。作成する際の参考にしてみてください。
目次
事業計画書の書き方は?決まったフォーマットはある?
事業計画書には法的に決まったフォーマットはなく、書き方は基本的に自由です。しかし、社名や住所など、最低限書かなければいけない項目はあります。
しかしながら、もし日本政策金融公庫で融資を受ける場合は、提出が必要な事業計画書の様式があらかじめ決められています。その他、民間の金融機関も独自のフォーマットを用意している場合があります。融資を受けたい機関が決まっているのであれば、事前に事業計画書のフォーマットについて相談に行くとよいでしょう。
参考記事:飲食店の始め方 飲食店開業マニュアル
融資への影響大!そもそも事業計画書とは?
事業計画書の融資への影響力は大きく、説得力のあるものを書くことで融資や出資の金額や条件が良くなることもあります。
事業計画書とは会社の状態、具体的な事業内容や収益、先々の経営プランを詳細に記載したものです。融資を受ける際の判断材料として金融機関から提出を求められることがあり、ベンチャーキャピタルや個人投資家が出資する際の判断材料にもなります。事業計画書が何年分必要になるかは融資機関によって異なりますが、一般的には3〜5年分を求められることが多いようです。
収支計画書とは
収支計画書とは、会社や事業に関わるお金の流れを細かく説明するための書類です。現在の売上・仕入れ、将来の予測売上・仕入れ、経費などをすべて含めて算出するため、今後どれくらいの利益が期待できるのかを具体的に示すことができます。
収支計画書が必要になるのは、金融機関から融資を受けるときです。将来的にどれくらいの利益を生み出せるのかを示すことで、返済能力の判断材料となります。また、収支計画書は事業を運営する指針のひとつになるため、新規事業のデータ分析や戦略策定にも役立ちます。
融資に直結!事業計画書のテンプレートについて
受ける融資によってはテンプレートが用意されている場合があります。
・日本政策金融公庫
・金融機関
ここでは上記の2つのテンプレートをご紹介します。
事業計画書のテンプレートについてはこちらの記事で詳しく解説しています
>>事業計画書のテンプレートについて詳しくみてみる
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫のホームページには、「創業計画書」や「借入申込書」、「月別収支計画書」など、目的別のテンプレートがあります。最もポピュラーなフォーマットと言われているため、融資を考えている人は確認しておきましょう。
金融機関
金融機関で融資を受ける場合は、特定のテンプレートがある場合も多いです。各金融機関に問い合わせてテンプレートを入手しましょう。ただし、金融機関は数枚しかテンプレートが用意されていない場合もあるため、別途自身で作成した事業計画書を添付すると良いでしょう。
こんなにある!事業計画書を作成するメリット3つ
事業を始めてすぐは先の見通しが不確かで、事業計画書の作成をためらってしまう人も少なくありませんが、事業計画書を作成することで得られるメリットは大きく、作成しないのはもったいないです。ここでは主に3つのメリットをご紹介します。
必要な資金調達を可能にする
融資を受ける際には必ず事業計画書の提出が求められます。融資担当者は提出した事業計画書を吟味して融資審査を行います。しっかりとした事業計画書であれば信用を得られ、審査に通りやすくなります。逆に事業計画書の内容が曖昧で信頼性に欠けると判断されれば、審査で落とされ、融資を受けられなくなることも考えられます。
店舗経営の内容を可視化
事業計画書の作成のために事業や会社について具体的に書き出していくことで、事業内容が可視化され整理できます。こうすることで、より客観的に店舗経営の方針を見つめ直し、内容の修正や補強を考えることができるでしょう。
経営方針の共有
事業計画書を作成、共有することで、経営者がどのような経営方針を持っているか従業員に伝わりやすくなります。経営者と従業員が経営について共通認識を持つことで、両者が同じ目標に向かい事業成長へ取り組むことができるでしょう。
これだけはおさえよう!事業計画書に入れる代表的な項目
ここでは事情計画書に盛り込んでおくべき代表的な項目をご紹介いたします。フォーマットによっても項目は異なるため、必要に応じて調整してください。
創業者・創業メンバーのプロフィール
創業者の略歴、資格などを記載します。金融機関や投資家は、創業者の職務経験や保有資格を見て、事業を成功させられる人物かどうかを判断します。できるだけ詳細に記載しましょう。
ビジョン・理念・目的
事業の目的や経営理念、ビジョンなどを記載します。情熱や思い入れを熱く語ることで、融資担当者の共感を引き出すことができます。これからの経済情勢や時流にふさわしいものかも見られますので、内容は入念に考えましょう。
事業内容
具体的にどのような事業内容を行うのかを記載します。事業内容では「誰に」「何を」「どのように提供するか」の3点を意識すると、相手にわかりやすく伝わります。
自社サービスや商品の強み・特徴
具体的に提供する自社商品やサービスを記載します。その際、競合他社と比較してどのような独自性や強みがあるのかを伝えることが大切です。競合他社と同じような商品であれば成長の見込みが少ないと判断され、融資の審査に通りにくくなる場合があります。
事業環境・競合について
事業を取り巻く環境について端的に記載します。自社商品やサービスが市場のニーズとマッチしているか、競合他社がどの程度いるのかなどを示すことで事業の存続性をアピールします。
販売・マーケティング戦略
どんなにいい商品やサービスでも、認知されないと意味がありません。この項目では、世間に対してどのような宣伝で広めるのか、どのような販売戦略で顧客を獲得するのかを記載します。戦略に割く予算など現実的なプランを記載すると信頼性の高い内容になるでしょう。
取引先、取引関係について
取引先について記載します。取引先とは販売先、仕入れ先、外注先などです。取引先の名称やシェア率、取引関係を記載するとより事業の実態が伝わりやすくなります。
資金調達に関する計画
事業に必要な資金額とその調達方法を記載します。具体的に見積もりをとり、根拠のある数字を出すことが大切です。わかりにくければ、表を用いて見やすくすると良いでしょう。
収支計画
一定期間の事業収支を予想して記載します。現在の収支を記載し、隣に一定期間後の予想数値を記載するのが一般的です。損益決算書を簡易的にしたものと考えてもらうとよいかもしれません。
収支計画に記載する内容には売上高、売上原価、一般経費、利益があります。
売上予想は客単価×設備単位数(座席)×回転数で計算するのが一般的です。
どれも根拠ある数字で記載し、説得力を持たせるようにしましょう。
事業の見通し
収支計画にあわせて、「3年間で従業員を1.2倍」「5年後に店舗をさらに1つ増やす」など、具体的な事業成長の見通しを記入します。収支計画と齟齬がないように予想をたて、実現可能な見通しを記載しましょう。過大な記載をするのはNGです。
秘訣はこれだけ!事業計画書作成時のポイント
事業計画書は書き方が決まっておらず自由に作成可能ですが、かえって迷ってしまう方も多いようです。ここでは事業計画書を書く際に注意したほうが良いポイントをご紹介します。
内容はできるだけ詳細に書く
事業計画書は内外に開示するものです。相手にどのような事業を行うのかが伝わるように内容はできるだけ詳細に記載しましょう。しっかりと書き込むことで、事業に対しての情熱を伝えることができます。また内容に論理性と整合性が取れているかを客観的に確認することも忘れてはいけません。
根拠のある数値を使う
収支計画などの数値は具体的な根拠や裏付けを持って記載しましょう。特に融資の審査の際は、根拠をある程度提示できないと納得してもらえません。一般的に売上予想などは厳しめの数字を出すのが無難とされています。
将来の売上高の計算方法
将来の売上高のもっとも基本的な計算方法は「単価×数量」です。飲食店の場合は客単価や客席などをもとに、営業日数を加えて計算する場合もあります。
融資担当者が分かりやすい文章、構成で作成する
内容が良くても分かりにくい文章や構成だと読む意欲を削いでしまいます。簡易な表現や簡潔な文章の作成を心掛けましょう。また文章だけで伝わりにくい場合はグラフや図解を効果的に使うこともポイントです。
まだ間に合う?事業計画書の準備と作り始める目安について
融資を受ける場合、事前相談→申し込み→面談→審査→融資決定の流れが一般的ですが、事業計画書は申し込み段階で必要となります。金融機関に事前相談に出向き、必要書類やスケジュール等の情報収集をしてから書き始めましょう。融資の決定希望日から逆算して事業計画書の完成日を定めるのが良いでしょう。
事業計画書は融資を得るはじめの一歩!飲食店経営で安心のスタートを切ろう
事業計画書は、融資を受けるために必須の書類です。適当に書かれたものでは審査を通過できないので、事業計画書をしっかり作成し安心の事業スタートを切りましょう。また事業計画書は飲食店経営の大切な指針にもなります。自分の事業を見直すためにも、ぜひ今回の記事を参考に事業計画書を作成してみてください。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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