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飲食店の経営にお客様の声は欠かせません。トレンドの移り変わりが早い業界だからこそ、お客様が何を求めているのかいち早く掴んでサービスにフィードバックし、顧客満足度を高めておかなければならないのです。
お客様の声を知るのに便利なツールが「お客様アンケート」。しかし、効果的なアンケートをつくるためにはコツがあります。
せっかく作ったアンケートなのに、作り方が雑でお客様が答える気をなくしたり、知りたい情報を得られなかったりしたらもったいないですよね。
そこで今回はお客様に答えていただける効果的なアンケートの作り方をご紹介いたします。最初にアンケートの目的を明確にしておこう
効果の上がるアンケート調査を設計し、実施するためには、最初にアンケート調査の目的を明確化しておく必要があります。
ここでは顧客満足度を高める目的で調査を行うと仮定して話を進めていきます。
まず確認しておきたいのは、なぜ顧客満足度を高める必要があるのかということ。
顧客満足度調査の最終的な目的は、基本的には「既存顧客の維持(リテンション)」です。
既存顧客を維持するためには、商品やサービスをお客様に合わせて改善する必要が出てきます。そのために、顧客が気軽に回答することが可能で生の声を知ることができるアンケート調査という手段をとるわけです。
アンケート調査の目的が明確になっていないと、基本的にアンケートの質問項目を設定できません。
明確にせず質問項目を並べてアンケート作成もできますが、役に立たない情報ばかりが集まって非効率なアンケートになってしまうでしょう。
「アンケートでやっと知りたいことがわかった」と遠回りな上にコストもかかる結果になることも考えられます。
せっかくお客様が時間をかけて答えてくれたにもかかわらず、調査目的が曖昧で設問が的外れでは、コストもお客様の善意も無駄になってしまいます。アンケートを作成する時は最終的な目的を常に念頭に置いておきましょう。目的を明確化したあとは仮説を立てる
目的を決めたあとは、それに基づいて仮説を立てていきます。
例えば、「最近料理を残す客が多い」という情報があるとすると、そこからヒントを得て「顧客満足度が低下している要因は料理にある」と仮説を立てます。
そして「料理の味に満足いただけましたか」「素材の味は生かされていますか」「料理のボリュームに満足されていますか」といった質問項目を設定します。
ここで重要なのは、仮説に合わせて質問項目を工夫していくこと。一口に顧客満足度といっても顧客満足度はさまざまな要素で成り立っています。
料理の質、店の雰囲気、従業員のサービスなどなど。このようなお店の提供する商品やサービスと価格がみあっているかどうかが顧客に見られているのです。
お店の顧客満足度を成り立たせている要素をひとつひとつ検討したあと、自分の店舗の強みあるいは弱みを知りたい時、弱みを改善したい時など、目的に合わせて質問項目を作成していきましょう。
仮説を立てると「調査対象者」「調査対象サービス」「調査時期」「調査対象店舗」などが明確になってきます。
調査対象者などが具体化していくので、アンケートの目的もより明らかになり、質問項目も作りやすくなっていきます。質問項目の設定は具体的かつシンプルに
仮説を立て、調査対象者などが明確になった後は、具体的な質問項目の設計に移っていきます。顧客満足度のアンケートの質問項目の作成にはコツがあるので、それぞれ見ていきましょう。
性別、年齢、利用頻度などお客様のステータスは必ず聞いておこう
「顧客の性別」「利用頻度・回数」「年齢(年代)」「職業」などは集計と分析を行う基準となる要素なので、必ず聞いておきましょう。
これらの要素があることで、既存商品・サービスの評判や課題がわかりますし、ニーズを拾える可能性もあるため、新たな商品開発に繋がっていきます。
このような必ず聞いておくべき質問項目は、アンケートの冒頭部分にまとめておきます。
また、名前や住所を聞く場合もありますが、その場合は個人情報の扱いに注意しておきましょう。選択肢の作り方
記述形式よりも回答しやすい選択肢を用意すると有効回答を集められます。
ただ、選択肢も「はい/いいえ」のイエスノ―で答える方法や「非常に好き/好き/どちらとも言えない/嫌い/非常に嫌い」の5段階で答えるものまで複数あるため、目的に応じて最適なものをチョイスする必要があります。質問項目は具体的に
曖昧な質問だと回答者が混乱します。例を挙げると「今後、このお店に期待することはなんですか?」といった漠然としたものです。
質問が曖昧なままでは顧客によって解釈が大きく変わり、集計時に参考にならない可能性があります。
「店員のサービスはどうでしたか?」というような回答者が何を聞かれているのかすぐに理解できる具体的な質問項目を用意しましょう。自社が提案する形の質問項目も用意する
顧客に提供できる価値を店側からいくつか提示すると、顧客が期待していることがわかります。
例えば、前項で見た「今後、このお店に期待すること何ですか?」という質問項目は、選択肢方式で「美味しさ、ブランド力、価格、品揃え」など、選択肢を与えておけば十分に機能します。選択肢に「その他」を設け、その他の内容を自由記述させる方式にするなどの工夫もできます。ひとつの質問項目で複数のことを聞かない
例えば、「料理のクオリティと量にご満足いただけましたか」という質問項目を設定し、選択肢が「はい」と「いいえ」の場合、クオリティには満足しているが量には満足していない、あるいはその逆の意見を持っている顧客が、どのように回答すればよいのかわかりません。
ひとつの質問項目で必ずひとつの答えが出るように作成してください。質問項目はできるだけ少なめに
せっかくアンケートを取るのだから、せっかくならあれこれ聞いてみたいと考えてしまいがち。しかし、質問項目が多すぎると、回答に時間がかかるため回収率が下がります。
質問項目はアンケートの目的を達成できる最小の数まで抑えるのがベストです。本当に必要な項目だけを選び出してください。最後に自由回答欄を設けよう
最後に自由回答欄を設けましょう。アンケートの8~9割は選択肢方式の方が回答も集まり集計もしやすいですが、顧客の生の声や選択肢にない意見・要望を拾うために自由回答欄を設置するのは構いません。
集計・分析時の扱いに困る可能性もありますが、思わぬ視点からの指摘を得られるでしょう。ただし、回答必須にするとアンケートの回収率が落ちてしまうので、必須にしないことが重要です。顧客満足度を高めていくために必要なこと
アンケートは取っただけでは意味がありません。アンケートを取ったあとは集計・分析を行ってお店のサービスにフィードバックしてやっとその効果を発揮します。
また、アンケートは数ある調査手法の中のひとつにすぎません。目的によっては、インタビュー調査など他の手段の方が効果覿面であることも考えられます。
アンケート調査を実施する際には、「アンケート形式で調査しなければならない理由」を明らかにしておきましょう。
「アンケートの作成の時間がない」「設計が難しい」という方向けに無料でテンプレートを配布しているウェブサイトも数多く存在しています。行いたいアンケートに応じて質問項目のアレンジも可能なので、ぜひ参考にしてみてください。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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