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【特集:黒字なのに倒産?】利益と支出を知るために損益計算書を作成!

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いくら儲けて、いくら支出し、いくら利益が残ったのか。このような経営成績を把握するための収支表を“損益計算書”と言います。損益計算書は金融機関から融資を受ける際にも必要で、お店の経営状態を知るためにも欠かせないデータです。

損益計算書の基本的な仕組み

損益計算書の基本算式は、「売上-費用=利益」です。しかし、利益といっても品物やサービスを販売して得た利益から原価を引いた「売上総利益」や、そこから人件費や賃料などを引いた「営業利益」などがあります。損益計算書は、「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引き前当期利益」「当期純利益」の5つの利益を算出することで、より正確な経営成績を明らかにできます。

売上総利益

売上高から、売上原価を差し引いたおおまかな利益のこと。“粗利益”とも言います。

売上高※1-売上原価※2=売上総利益(粗利益)

※1.売上高=商品や飲食、サービスを提供した際に得たすべての収入
※2.売上原価=原材料費のこと

営業利益

売上総利益から、人件費や賃料などのすべての経費を差し引いた、営業活動の成果を示す利益のこと。

売上総利益-経費※3合計=営業利益

※3の経費に当たるもの
・人件費=社員やアルバイト、パートにかかった人件費用。飲食店では支出の大半を占めるため、最適なコントロールが必要
・賃貸料=店舗の家賃及び共益管理費など
・水道光熱費=電気、水道、ガスの使用料
・消耗品費=レジロールやトイレットペーパー、洗剤、事務用品などの消耗品費用
・その他=広告宣伝費や、電話・インターネット通信費、リース費用、減価償却費など

経常利益

営業利益に対して、支払利息や本業以外の収支を加減した金額のこと。本業以外の利益を含めた、会社の日常的な利益を指します。

営業利益+営業外収益※4-支払利息※5=経常利益

※4.営業外収益=受取利息や、不動産賃貸料収入など、本来の営業活動以外から生じた収益
※5.支払利息=借入金、社債などに対して支払う利息

税引き前当期利益

経常利益に対して、臨時で得た利益や臨時で損失した支出を加減した利益のこと。

経常利益+特別利益※6-特別損失※7=税引き前当期利益

※6.特別利益=本業以外で臨時に生じた利益のこと。例えば、固定資産や投資有価証券を売却して得た利益など
※7.特別損失=本業以外で発生した損失のこと。固定資産や投資有価証券を売却してマイナスになった金額や、災害や盗難などで偶発的に発生した損失を指します。前期までの損益を下方修正する場合も特別損失に計上します

当期利益(純利益)

税引き前当期利益から事業税や固定資産税、法人住民税など会社で支払う税金を差し引いた利益のこと。“純利益”や、“最終利益”とも言います。

税引き前当期利益-法人税など=当期利益

「5つの利益」がマイナスになっていないかを確認

損益計算書を作成したら、「5つの利益」がマイナスになっていないかチェックしましょう。すべての利益がプラスになっている場合は、儲かっている証拠です。ただし、特別利益など臨時で得た収入で大きくプラスになっている場合は注意が必要です。特別利益がなくなった途端に当期利益が減ってしまう恐れがあるため、経営の改善を図る必要があります。
損益計算書は経営成績を明確にするだけでなく、算出した数値を使って経営状態を分析することが可能です。例えば、効率よく儲けているかを計る“収益性”や、支払能力や事業を維持する力があるかを計る“安全性”など、さまざまなデータに活用できます。経営成績を知るだけでなく、利益を圧迫している経費はないか、無駄な支出がないかを調べることで、より健全で余裕のある店舗経営を継続することができるでしょう。

損益計算書の書き方のルールは?

損益計算書を書く上で気をつけたいことが、「借方(かりかた)」「貸方(かしかた)」で項目を割り振ることです。費用や支出を左側の借方に、収益を右側の貸方に記入していきましょう。収益から費用を引いた差額の利益は、借方に並べます。そうすることで、「費用+利益=収益」で借方と貸方の金額が一致し、損益の流れが明確になります。

損益計算書の書き方のルールは?

損益計算書で“儲け”を知ったら、貸借対照表で“財産”も知る

貸借対照表とは、会計期間中の財政状態を表したものです。日々の営業活動で“儲け”が出ていても、資産と負債のバランスが崩れれば経営状態は良好とは言えません。損益計算書とともに貸借対照表も作成し、財政能力があるかもしっかりとチェックしましょう。

帳簿を制した者こそ、成功を手にすることができる!

日々の利益や支出を管理し、さまざまな項目に区分することは大変な労力を要します。しかし、お金の管理をおざなりにしてしまうと、経営が立ち回らなくなったり、融資が受けにくくなったり、最悪の場合、破産に追い込まれてしまいます。まずは会計管理におけるルール作りをし、帳簿マネジメントに取り組むことこそ、円滑かつ安全な事業運営へと繋がるのです。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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