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寒い季節が近づくにつれて、温かい料理への関心が高まります。特に、この冬は「とろみ鍋」という新しいスタイルの鍋が注目を集めており、早くもSNSで話題になっています。
では、なぜとろみ鍋が2023年のトレンド鍋Ⓡになったのでしょうか? 本記事では、とろみ鍋とはどのような料理かを解説し、その魅力と人気の理由を掘り下げます。目次
2023年のトレンド鍋「とろみ鍋」
「トレンド鍋」とは、株式会社ぐるなびがトレンドや独自データ、アンケート調査をもとに選定した、その年の流行が期待される鍋のことです。過去の例を挙げると、2022年は定番の鍋に“今らしさ”を加えてアップデートした「平成リバイバル鍋」、2021年は食材をまるごと使い切る「まるごと鍋」などが選ばれました。
2023年は、夏場の気温が観測史上最も高かったこともあり、夏場に冷たい料理をよく食べた影響から、「冷え疲れ」を感じている方が多いと懸念されています。そこで今年の冬は「温活」で体を内側から温め、体調を整えようとする動きの活発化が予想できます。
そのような世情を踏まえ、2023年のトレンド鍋として発表されたのが「とろみ鍋」です。とろみ鍋は、その名の通り、スープにとろみを加えた鍋料理です。従来の鍋料理と比較して、スープが具材にしっかり絡むことで、味わい深く、満足感のある食事が楽しめます。
とろみ鍋の定義は以下の通りです。
具材やスープを工夫し、とろみをつけることで、冷めにくく体を芯からあたためる鍋。出汁にとろみをつけあんかけ風にしたり、キノコやとろろ、チーズなどの具材を使用してとろみをつけた鍋。
出典ぐるなび
とろみの秘訣は、片栗粉や米粉、山芋、チーズなど自然由来の増粘剤を使うことです。これらの成分がスープの保温性を高め、温かさを長持ちさせる助けにもなります。
とろみ鍋が人気を集める理由
とろみ鍋が人気の主な理由は、「温活」「食感と味わい」「SNSの話題」の3つの要素に起因します。
保温性があり温活にぴったり!
夏バテや冷え疲れを解消したいという想いから、この冬は温活に取り組む方が多いことでしょう。とろみ鍋は温活の一環として、非常に有効な手段です。
とろみ鍋が冬の温活に最適な理由の一つは、その保温性にあります。とろみがあることで、鍋の中の熱が逃げにくく、最後の一口まで熱々の状態を保てます。寒い日にとろみ鍋を食べ、体を芯から温めれば健康管理にも役立つでしょう。
独特の食感と味わい
キノコやとろろ、チーズなどのとろみを加えることで、一般的な鍋料理とは一線を画す独特の食感を楽しめます。とろみのあるスープは、具材の味を強く引き出し、滑らかで心地よい口当たりを体験できます。
また、スープ自体が具材に絡むため、素材の味に加え、スープと一体感のある味が堪能できるでしょう。
とろりと伸びる具材がSNSで話題に
SNSでは、とろみ鍋の具材がとろりと伸びる様子が「食べる前の一幕」としてしばしば投稿され、多くのユーザーの間で話題になっています。チーズや長いもなど、伸びる食材を使いユニークなビジュアルを演出することで、視覚的に楽しい経験を提供し、食の新しいトレンドを形成しているのです。
SNSの投稿を見ていると、とろみ鍋はその温活効果とともに、食の楽しさを追求する多くの人々に支持されていることがわかります。
飲食店オーナーから見る、とろみ鍋が持つ魅力やメリット
この章では飲食店オーナーである筆者が、とろみ鍋に対して感じた魅力やメリットをお伝えします。
手軽で簡単に作れる
とろみ鍋は簡単に作れるため専門的な技術を必要とせず、調理経験の浅いアルバイトスタッフに任せることが可能です。また、片栗粉やチーズなどがあれば食材を選ばずとろみを作れるため、コスト調整や食材の在庫コントロールにも役立ちます。
さらに準備が簡単なので、忙しい時間帯でも迅速に提供できるというメリットもあります。
満足感を得られやすい
とろみ鍋は濃厚な味わいとともに食べごたえがあるため、顧客に高い満足感を与えます。その結果、リピーターの増加や、口コミによる新規顧客の獲得にも繋がります。
熱々のチーズが伸びる様子など、見た目にもインパクトがあるため、SNSなどでのシェアが期待できる点も魅力的です。
多様な食材の組み合わせを楽しめる
とろみ鍋は、複数の食材を組み合わせることができるため、メニューのバリエーションが豊かになります。季節の野菜や海鮮、肉類など、食材の組み合わせによって多様な味わいが産まれるので、メニュー開発の幅が広がるでしょう。有料のトッピングや鍋料理ならではの“締め”を数種類用意すれば、容単価アップも狙えます。
また、とろみ鍋の種類を増やせば、「ほかの鍋も食べてみたい」と考える顧客に再来店を促せるため、リピーター対策としての効果が期待できます。
とろみ鍋に関する飲食店の反応
飲食店経営者の多くは、とろみ鍋の人気をとても前向きに捉えている可能性があります。トレンド化は市場のニーズと消費者の興味が高まっていることを示しており、経営者にとっては新たなビジネスチャンスとなるからです。
とろみ鍋のような新しい流行をメニューに取り入れることで、客足の増加や売上向上を期待できるため、多くの飲食店で積極的にこのトレンドに乗る戦略を立てていると予想されます。また、手軽で簡単に作れる点や、満足感が得られること、個性の異なる食材の組み合わせを楽しめるという多様性も、経営者にとって魅力的なポイントです。
とろみ鍋を提供している飲食店
複数の飲食店が参加しているとろみ鍋のイベントや、期間限定でとろみ鍋を提供している飲食店を紹介します。
期間限定の「とろみ鍋メニューフェア」開催
2023年11月29日(水)から2024年1月31日(水)の期間中、全国約50店舗の飲食店でオリジナルの「とろみ鍋」を楽しめる「とろみ鍋メニューフェア」が開催されます。
例を挙げると、中華料理を主に提供する「永福楼」では、石鍋の中に熱々の麻婆豆腐を入れた「石鍋麻婆豆腐」、すき焼き・しゃぶしゃぶ料理の老舗「日本橋 伊勢谷」ではランチタイム限定で、和牛・白滝・焼き豆腐などにとろろをつけて食べる「すき焼き、すうぷ煮のタレにとろろをつける」セットなど、寒い冬に食欲をそそる料理が用意されています。
「とろみ鍋メニューフェア」で提供される料理は限定メニューにつき、特別感を演出できます。同時に、期間限定であることから、緊急性をもって客足を促進できるところがメリットです。これに習い、独自のイベントを開催し、集客に役立ててみてはいかがでしょうか。とろみを取り入れた新メニューの提供
とろみを活用した新しいメニューを開発することで、既存の顧客に新たな驚きを提供し、店のブランドイメージを刷新する機会にもなっています。特にクリエイティブな料理を提供するレストランでは、とろみ鍋にオリジナルのアレンジを加えることで、独自性を強調しています。
和食ダイニング「ごちそう村」では、2023年11月7日(火)から2024年2月29日(木)の期間限定で、新メニュー「8個の発酵とろみ鍋」を販売中です。8つの発酵食品とは、納豆・キムチ・チーズ・味噌・醤油・かつお・豆板醤・コチュジャンのことです。
和風のかつお出汁をベースにした鍋料理で、鶏肉や鶏つくね、キノコや野菜をたっぷり入れた味噌チゲ風に仕上げています。ここにとろろを加え、とろみ鍋のアクセントにしています。
このように発酵食品をはじめ、健康的なイメージの食材を使用すると、健康意識が高く、温活にも取り組んでいる顧客の興味関心を引きやすくなるでしょう。自店のメニューにとろみ鍋を取り入れる際は、温活目当ての顧客のニーズをよく考えて食材や調理法を決めることが大切です。
いま話題のとろみ鍋を取り入れて、店の新たな名物を開発しよう
とろみ鍋の人気にはまだまだ成長の余地があります。飲食店オーナーは、このトレンドを利用して、自店の新たな看板メニューを開発するチャンスです。季節や地域の特色を活かしたオリジナルのとろみ鍋を創出し、冬の寒さを乗り切るための温かいメニューの提供を通じて、顧客の心をつかみましょう。
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