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開店前の朝礼を有意義にする方法とは?

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朝礼の目的や意義、期待する効果は、店舗によってさまざまです。しかし、ルールだからとダラダラと事務的に朝礼をこなしている職場も多いのではないでしょうか。時間を取って朝礼を行うのですから、明確な目的や役割を持たせた方が有意義です。

朝礼の目的と現状

一般的な朝礼は、一緒に働く従業員同士の連絡や共有事項の伝達、目標の進捗状況を確認などのために行います。また、テンションを上げて大声をあげる元気系、ラジオ体操、上司からの講話、社員が持ち回りスピーチを行うところも。
しかし、「古くからの慣習」として事務的に行われている朝礼に意味を見いだせず惰性で参加している方もいるでしょう。リーダーシップの発揮や情報のインプット、アウトプットの場として、本来ならば朝礼は大いに役立ちます。朝礼をする意味をもう一度考えてみましょう。

朝礼はスタッフ・社員の育成に繋がる

従業員が一生懸命やっていることが店の目指している方向とずれていたら、それは店にとっても従業員にとっても不幸なことですよね。経営者がどういったビジョンをもっているのかを理解して、はじめて個人としての目標が生まれます。従業員全員が共通の認識をもち、一人ひとりが自覚をもって進めることで仕事の質はぐっと上がります。
とはいえ、店の目標をメールや社内報のようなもので形式的に伝えても、従業員はいまひとつ実感がわかないのではないでしょうか。オーナーや店長の思いを、直接相手の目を見て伝えることができるのが朝礼。そうして従業員のやる気、使命感を高めることで、自発的な行動をうながすことができるのです。5年後の店の目標を達成するために、今日1日で自分は何をするべきなのか――朝礼は、そんな風に考えながら動ける人材の育成につながります。
ただ、朝礼を人材育成の場として機能させるには、ある程度の時間が必要です。従業員から「朝礼をする意味はあるの?」「面倒くさい」という声があがることもあるでしょう。しかし、すぐに結果がでなくてもあせってはいけません。まずは1年通してみて、成果を確かめましょう。そのなかで、少しずつやり方を見直していき、効果的な時間の使い方ができるようにしていけばいいのです。

朝礼は開店前に必ず行い情報共有を

朝礼は必ず開店前に行うようにしましょう。その理由として従業員とのコミュニケーションをはかったり、お客様の情報を共有、顔を合わせることで従業員の体調やモチベーションなどもわかるからです。お客様に万が一でも失礼な態度をとってしまうと、たったひとつのその行動がお店の評判を落としかねないからです。一般企業で行うようなスピーチや、社訓を読み上げるなどをやらなければいけない!と考える必要はありません。業務をスムーズに行うための情報を共有する場として考えておきましょう。
【朝礼で話すべき、やるべき項目】
・お客様の情報共有
・従業員とのコミュニケーション
・従業員の体調チェック
・「いらっしゃいませ、ありがとうございました」等の挨拶の練習
・シフトのチェック
・売上に関する情報
・在庫に関する情報
・その他連絡事項

朝礼時間は5分~10分程度

いくらコミュニケーションをはかるからと言っても、ダラダラと長くしゃべり続けてはいけません。朝の忙しい開店前を利用して朝礼をします。開店が遅れれば、当然お客様にも支障が出ますし、何より、お客様の来店機会を失うことにもつながってしまう可能性だってあるのです。

朝礼が生み出す効果

朝礼が人材の育成に役立つことはすでに述べた通りですが、さらに使い方次第でその効果は上がります。その具体例を見ていきましょう。

売上が上がる

モチベーションを上げることは大切ですが、漠然と「がんばれ」と言って精神論を説いても、売上は上がりません。そんなときは、朝礼で売上目標を数字にして伝えてみてはどうでしょうか。前日1日の売上金額、来客数、商品別売上数を示し、曜日や時間、天候などによってどの程度変わるか、そして、その数字を上げるにはどうしたらいいか、具体的なコツを教えるのです。売上達成が各従業員の給料にも反映するということも併せて認識させれば、単に指示されてやっていると感じることもなくなります。
また、挨拶や報告、連絡といった仕事の基本を軽んじる従業員は、接客にも手を抜くようになります。朝礼でしっかりと繰り返し身につけさせ、習慣化させることが大切です。

コミュニケーションの活性化

基本的には店長がしきることの多い朝礼ですが、一部をチームリーダーに任せることで、従業員同士のコミュニケーションの場にもなります。チームメンバーの帰属意識と結束が高まりますし、リーダーにも責任感をもたせることができます。時にはテーマを与えて、一般の従業員にも順番にスピーチをする機会をもたせてもいいでしょう。最初はとまどうかもしれませんが、これは簡潔に、相手にわかりやすく伝える訓練になります。大きな声も出せるようになり、引いては接客能力の向上につながるときちんと説明すれば、やる意味を感じてくれるはずです。また、スピーチを作成するために、自分で事前に調べ、考え、動かなくてはなりませんので、積極的に店の経営に関わろうという姿勢が生まれます。

目標を描かせ目的をつくる

売上の数字と同時に、お客様からいただいた声や、販促企画やキャンペーンの反響、競合他店の状況なども話に交えることで、従業員は自分の置かれた立場を客観的に知ることが可能になります。お客様から褒められた心地よさ、自分のやった仕事が形となって認められたうれしさ、ライバルには負けられないというやる気が、働くエネルギーの元となります。なかには、従業員同士で良い点をあげさせたり、感謝の言葉を伝えたりする場にしている事例もあるようです。そうした思いを全員がいる前で発表して共有することで、個人の喜びがチーム全体の喜びとなって大きな相乗効果が生まれるのです。従業員にチーム内での自分の役割を再認識させ、さらに店に貢献するにはどうしたらいいか、1日の行動目標を明確にさせるのに効果的な方法です。

仕事への準備

店舗の場合、開店時間が決まっているところがほとんどだと思われますが、掃除が終わってそのままの流れでなんとなく開店……では、いきなりお客様が来店されたときに、うまく対処できません。バタバタと商品の整理やレジの準備をしていたり、おしゃべりをしていたり、ダラダラとした態度を取っていたりしては、それだけで店の評価が下がってしまいます。よく老舗のデパートでは、開店時に従業員が入口に整列して迎えてくれますが、やはりぴりっとした空気が流れ、迎えられるお客様にとっても気持ちのいいものです。朝礼は、一日の仕事の始まりの区切り。それまでに開店の準備をするという時間の目標にもなりますし、気持ちの面でオフからオンのけじめをつけるきっかけにもなります。一日の仕事にリズムとスピードをつくり、明るく元気に、前向きな気持ちで向かうために朝礼を活用しましょう。

朝礼の時間が取れない時はどうする?

シフト制をとっている店舗の場合、開店前に全従業員が集まることができません。そんな時はバッグヤードに伝達事項を記録したメッセージを残しておき、それを見れば、必要な情報が共有できるような仕組みを作っておきましょう。出勤時は必ず「伝達事項を記録したノートを見る」など、約束事を決めておけばスムーズです。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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