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閉店する飲食店…『販促をしない店は必ず倒れると心得よ』|特集:つぶれる店

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一生懸命準備をして、新しくオープンした飲食店が数ヵ月もしないうちに閉店してしまった……という例は珍しくありません。それだけ飲食業は競争が激しく、店舗を長く経営していくのがとても難しいのです。
ここでは、マーティングのポイントを学びましょう。
東京・四谷にある人気イタリアン『オステリアクロチェッタ』のオーナーシェフ・門脇稔さんが解説します。

ホームページでのPRは必須!

「お店を運営していく上で、資金を掛けずに遠方にいる人にもお店の情報を伝えることができるホームページは、PR手段としてとても大切です。もちろん、ホームページを作るだけではダメ。せっかく作っても見てもらえないのではもったいないので、可能な限り投稿の回数を増やし、日常的に更新することが大事です。投稿の際も、検索されやすいワードをしっかり盛り込んで文章を作るなど、検索結果を常に意識することが大事です」

商品・メニューは最大のアピールポイント

「提供する料理で店独自の個性を表現するためには、食材の仕入れ/メニュー開発で、オリジナリティを出していく必要があります。僕のお店を例にあげてお話すると、〈旬の食材を使ったスペシャルメニューを用意する〉。これが開店当初からのコンセプト。なので、食材選びにはこだわっています。お店で出しているサイボクハム(門脇シェフの地元・埼玉県のブランド豚)のゴールデンポークは都内では弊店しか扱っていませんし、メニューに関しても店のコンセプトに添って独自の切り口でアピールしています。以前、スポーツ選手をサポートしている栄養士の方と共同でメニュー作りをしていたことがあるのでそのときの経験を活かして、動物性と植物性、肉、魚、旬のものをバランス良く上手く使ったメニューを心がけています。お客様の体調や状況に応じて“妊婦さんにはこの食材がおすすめ”といったようなメニューのご提案もしますし、メニューブックには栄養成分についての説明を添えています。〈食べ物と健康の融合〉が料理人としての僕のテーマでもあるので、それがお店のオリジナリティになっています。お店のオリジナリティは、やはりそのお店にしかないものなので、オーナー、シェフが自身でどれだけ突き詰めて考え、それをしっかりアピールしていけるかが大事だと思います」

弱点をプラスに変えるキャンペーン戦略

「お店には“弱い曜日”があります。休み明けは予約が入らないとか、給料日前はお客さんが少ないとか。そういう時期に合わせてキャンペーンを打つのが大事です。弊店では日曜が定休日なので翌月曜日は食材が余りがちなのですが、毎週月曜日に“4000円のフルコース・生ビール飲み放題付き”というプランを出して食材のロスを防いでいます。食材は香りも味もどんどん落ちるので、お客さんのためにも新鮮なうちに出したい。これはお店の都合ですが、お客さんにも喜ばれています。こういった、弱点を逆手にとってプラスにしていくようなキャンペーンの発想が大事だと思います」

グルメ情報サイトを選ぶポイント

「サイトごとに強みがあり、例えば〈ヒトサラ〉だと料理人が主体、ぐるなびは〈歓送迎会中心〉、ホットペッパーは〈クーポン〉、一休は〈コース料理〉で、食べログは〈アラカルト中心〉といったふうに、それぞれに合わせてお店の売りを出していくことがポイントです。お客さんから電話があれば、どのサイト経由なのかもわかるので、サイトごとに客層の分析も行ないたいですね」

看板にもひと工夫を!

「看板は、ふと目に入って気になったら、そこではじめてじっくり読むものなので、路面の置き看板には、字をとにかく大きく書きましょう。特に、値段などの数字は、看板の半分になるくらい大きく書くことと。それから“大盛り300円!”などシンプルでイメージしやすい言い回しを心がけてください。看板の置き場所も重要で、店内のスタッフと目が合う高さに置くのは避けてください。低い位置に置いたりするなど、工夫が必要です」

SNSなど時代に合った広告で販促

「最近はSNSやホームページを通して食材の入荷やイベント情報などを自ら発信するお店が多くなりました。Facebookやホームページのブログを通して新着情報を届ければ、それを見て来てくれるお客さんも多い。今はネット社会ですので、お店のアドレスが書かれたショップカードなどがあれば、気にしてもらいさえすれば、みなさん検索してお店に辿りついてくれます。しかし、そのぶん、店舗自らの発信力が問われる時代になっていると思います」

お話を聞いた方:門脇 稔
埼玉県狭山市出身。都内やイタリアで修行を積んだのち、店長や総料理長として数々のイタリア料理店の立ち上げに携わる。イタリア政府公認の広尾ANGOLOのセカンドシェフを務めた経歴も。2013年からは東京都新宿区四谷にオステリアクロチェッタを開き、感度の高い食通たちに愛されている。
オステリアクロチェッタ

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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