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ロカボメニューで集客力アップ!飲食店での導入事例や取り入れ方を解説

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近年、健康やダイエットを意識して、糖質の摂取をできるだけ避けるという消費者が増えています。しかし、極端な糖質制限は長く続かない上に、健康に逆効果をもたらす可能性も。そこで注目を集めているのが「ロカボ」というゆるやかな糖質コントロールです。
おいしく無理なく続けられると評判のロカボとは何なのか? 飲食店がロカボを取り入れるメリットや導入事例なども含めて詳しく解説します。

ロカボとは?

ロカボとは、おいしく楽しく適正な糖質量を摂取する、ゆるやかな糖質コントロールのこと。北里研究所病院糖尿病センター長でもある山田悟氏が代表理事を務める、一般社団法人 食・楽・健康協会が提唱する食事療法です。
極端な糖質制限を含むローカーボに比べて、ロカボでは無理なく日常生活に取り入れられることがモットーです。糖質を含む食品を一切食べないのではなく、適正量を意識して摂取することが目標とされています。
※「ロカボ」は一般社団法人 食・楽・健康協会の登録商標です。

ロカボの基本ルール
・1日の総糖質摂取量を70〜130gに抑える。
・朝・昼・晩の1食あたりの糖質摂取量は20〜40g。間食(おやつ)は1日10g以下。
・規定の糖質量であれば、満腹になるまで食べてOK!

糖質以外のカロリー、脂質、たんぱく質などに制限はなく、白米を半量にする代わりに、肉や魚などのおかずはしっかり食べられます。
一般的な日本人の食生活では、1日平均300gほどの糖質を摂取しているといわれています。ロカボに取り組む場合には、いつもの半分以下に抑える意識を持つと良いでしょう。

なぜ糖質コントロールは健康に良いとされているのか?

糖質は、生命維持に欠かせない三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)の一つで、炭水化物から食物繊維を除いたものの総称です。糖質は米やパン、いも類に多く含まれており、体や脳を動かす大切なエネルギー源となります。また、血糖値を上昇させる唯一の栄養素でもあります。

しかし、糖質を必要以上に摂りすぎると、血糖値の急上昇によってインスリンが増加し、体内のブドウ糖が中性脂肪に変わることで肥満をまねきやすくなります。また、余分な糖質によって糖化したたんぱく質は、肌や骨の老化を加速させる原因に。高血糖は血液をドロドロにする原因にもなっており、動脈硬化や糖尿病の進行にもつながります。

こうしたことから、健康な体を維持するためには、適正な糖質量を摂取する糖質コントロールが必要です。ロカボを取り入れることで、食後の血糖値の急上昇を抑えることができ、血糖値の改善、肥満の予防、糖尿病予防効果が期待できます。

糖質の多い食品・少ない食品

糖質の多い食品例
炭水化物の米・パン・麺・芋類など、主食となる食品は全て糖質量が多いです。また、砂糖を多く使用するお菓子に加えて、根菜野菜やフルーツも糖質が多い傾向にあります。

<米、パン、麺類>
・お茶碗1杯の白米(150g):糖質量55.2g
・6枚切り食パン 1枚(60g):26.6g
・うどん(ゆで麺)1玉(250g):52g
・そば(ゆで麺)1玉(200g):48g
・ラーメン(生麺)1玉(120g):64.3g
・スパゲッティ乾麺(80g):57g

<お菓子類>
・どら焼き 1個(100g):55.6g
・ショートケーキ 1個(100g):43g

<野菜、フルーツ類>
・さつまいも 中1/2本(100g):30.3g
・かぼちゃ 1/8個(120g):20.5g
・りんご 1個(250g):35.3g
・バナナ 1本(100g):21.4g

糖質の少ない食品例
肉や魚、大豆製品、卵は糖質量が少ないです。野菜類では葉野菜も糖質が少ない傾向にあります。

<肉、魚類>
・牛肉・豚肉・鶏肉(レバーを除く)100g:糖質量0~0.6g
・一般的に食べられる生魚(100g):0~0.5g
・ツナ水煮缶 1缶(70g):0.1g

<豆、卵、野菜類>
・大豆(水煮)100g:0.9g
・木綿豆腐 1/2丁(150g):1.8g
・鶏卵 全卵 1個(50g):0.2g
・ブロッコリー1個(150g):1.2g
・小松菜 1茎(45g):0.2g
・きゅうり 1本(100g):1.9g

ロカボメニューを導入する飲食店が増加中

昨今の健康意識の高まりを受け、さまざまな飲食店がロカボメニューを導入し始めています。飲食店がロカボを取り入れるメリットとしては、以下の2点が挙げられます。

新規顧客の取り込みにつながる
低糖質なロカボメニューを提供することで、健康やダイエットを意識している顧客の取り込みが期待できます。ロカボ生活を送っている消費者であっても、毎日糖質量を計算して食事を作るのは面倒、という方は多いもの。ロカボメニューを増やすことで、リピーターの獲得にもつながります。

他店との差別化
ロカボの認知度は年々高まっているものの、ロカボメニューを扱っている飲食店はまだまだ少数です。ロカボメニューを提供していること自体が来店のきっかけとなり、他店との差別化要素にもなります。

ロカボメニューの導入事例

モスバーガー

ハンバーガーチェーンのモスバーガーでは、バンズの代わりにレタスを使った「菜摘(なつみ)」シリーズを販売しています。ラインナップは、モス野菜(パティ)、ソイモス野菜(ソイパティ)、テリヤキチキン、フィッシュ、ロースカツ、海老カツ、チキンの7種類。
また、毎月29日には「にくにくにくバーガー」という、バンズのかわりにパティを使ってさまざまな肉類を挟んだ肉づくしメニューも販売しています。

フレッシュネスバーガー

同じくハンバーガーチェーンのフレッシュネスバーガーでは、全てのバーガーで「低糖質バンズ」を選択できます。糖質が約45%カットされた特製バンズで、通常メニューの価格に+60円(税込)で変更できます。

すき家

牛丼チェーンのすき家では、ご飯の代わりに豆腐を使用したヘルシー牛丼「牛丼ライト」を販売しています。牛丼ライト、キムチ牛丼ライト、ネギ玉牛丼ライト、とろ〜り3種のチーズ牛丼ライト、高菜明太マヨ牛丼ライト、わさび山かけ牛丼ライトなど種類も豊富。野菜もたっぷり入っており、ゆずポン酢で味を調えることで、ヘルシーでさっぱりとした味わいが楽しめます。
既に販売終了となっていますが、過去にはこんにゃく麺を使った「ロカボ麺」もメニュー化されています。

リンガーハット

長崎ちゃんぽん専門店のリンガーハットでは、レギュラーサイズのちゃんぽん類を対象に、+108円(税込)で低糖質ちゃんぽんめんに変更できます。
小麦粉の使用量を減らし、でんぷんを使った低糖質ミックス粉を使用することで糖質約30%オフを実現。さらに、食物繊維は通常のちゃんぽんめんの約8倍にアップしています。
また、ちゃんぽん専門店でありながら麺の入っていない「野菜たっぷり食べるスープ」も開発。国産野菜480gがおいしく摂れる生姜入りスープで、「野菜たっぷりちゃんぽん」と比較して、糖質約60%オフを実現しています。

くら寿司

回転寿司チェーンのくら寿司では、シャリを通常の半分にした「シャリハーフ」が選択できます。タッチパネルで注文したいネタを選ぶと「シャリ通常」「シャリハーフ」の2種類が表示され、「シャリハーフ」を選択するだけでOK。一部商品を除く、にぎりの全種類に対応しています。
また、既に販売終了となっていますが、過去にはシャリを大根の酢漬けに変えた「シャリ野菜」も提供されていました。

ココス

ファミリーレストランのココスでは、+110円(税込)でパスタを低糖質麺に変更できます。糖質50%OFFを実現した低糖質麺で、約10種類のパスタメニュー全てが対象となっています。

ガスト

同じくファミリーレストランのガストでは、ほうれん草を練り込むことで糖質を約35%カットした「ほうれん草麺(翡翠麺)」を提供中。さらに、ガストオリジナルの低糖質メニューとして「レモンチキンバターソテー&海老と山芋オクラ豆腐」を販売しています。2皿合わせて糖質5.1g(1食当たり)という、ロカボ生活をしている方には非常に喜ばれるメニューです。

ロカボメニューの取り入れ方

ロカボメニューに変更できる選択肢を用意する

白米を半量にできる、サラダや豆腐に変えられる、麺なしのスープに変えられるなど、低糖質食材に変更できる選択肢を新たに用意するだけで、既存店であっても手軽に取り入れられます。新たな仕入れも必要ないため、飲食店にとって費用面での負担も少なく済みます。

ロカボ食材を仕入れる

低糖質の麺やパン、米を新たに仕入れて、それらを使ったメニューを提供する手もあります。フレッシュネスバーガーやリンガーハットのように、プラス料金で低糖質食材に変更できる方式にすれば、無理なく導入できます。調理時にパンや麺の種類を変えるだけなので、オペレーションにもそれほど影響を及ぼしません。

導入の敷居が低いロカボメニュー。いち早く取り入れて集客の武器に!

ロカボメニューの導入といっても、必ずしも特別な料理を開発しなければならないわけではありません。費用面でもオペレーション面でも比較的負担が少なく、少しの手間や工夫で取り入れられるロカボメニュー。ぜひいち早く導入して、集客力アップを目指してはいかがでしょうか。

ライター:上田はるか(フリーライター)

大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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