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飲食店開業に必要な調理器具・厨房機器まとめ|費用や選び方も解説

飲食店開業に必要な調理器具・厨房機器まとめ|費用や選び方も解説

飲食店の開業に向けて、どのような厨房機器や調理器具が必要になるのか迷う場面は多いものです。店舗の規模や業態に合わせた設備を限られた資金内で揃えることで、その後の店舗運営がスムーズに進みます。

この記事では、開業に必要な機器の種類や選び方から、導入にかかる費用相場までを詳しく解説します。新品や中古、リースといった選択肢の特徴も比較し、自店舗に適した設備を無駄なく導入するためのヒントとしてお役立てください。

飲食店の開業時に揃える主な厨房機器7選

飲食店の開業時には、さまざまな厨房機器を揃える必要があります。あらかじめ各厨房機器にかかる費用の目安を把握しておき、予算を見積もっておきましょう。

開業する飲食店の業態によって必要な厨房機器は異なりますが、下記の表に挙げる7つの厨房機器は多くの業態で必須のラインナップです。各厨房機器の費用の目安も記載していますので、ぜひ参考にしてください。

厨房機器の種類費用の目安
業務用冷蔵庫(冷凍庫)35〜65万円
食器棚

8~35万円

製氷機30~60万円
コールドテーブル15~40万円
業務用ガスレンジ25~45万円
業務用換気扇フード3万円~
業務用シンク18~40万円


※工事費が別途かかります。

それぞれの厨房機器の役割と、選ぶ際のポイントを解説していきます。


業務用冷蔵庫(冷凍庫)

業務用冷蔵庫(冷凍庫)は、食材を保存するための厨房機器です。

飲食店ではさまざまな食材を取り扱いますが、多くの食材は常温での長期保存ができません。特に、生肉や生魚などを取り扱う場合は、冷蔵庫(冷凍庫)は不可欠です。

冷蔵庫のサイズは、店舗の規模や取り扱う食材によって変わります。魚など大きめの食材を取り扱う場合は、開閉がしやすいタイプを選ぶとよいでしょう。しかし、ドアが大きすぎると、通路を塞ぐ、他の設備にぶつかるなど業務に支障が出てくる場合もあります。厨房内での導線も考えたうえで、タイプやサイズを選びましょう。

また、飲食店の営業許可を得るためには「冷蔵庫内の温度計設置」が必須です。業務用冷蔵庫であれば標準装備ですが、家庭用冷蔵庫を使う際には別途設置しましょう。

食器棚

提供する料理を盛り付けるためのお皿や調理器具を置くための食器棚も、厨房に備えなければなりません。営業許可を得るためには、扉付き食器棚の設置が1台以上必要です。

食器棚には「扉がついていること」が必須要件の一つでもあります。しかし、扉がなくても「食器の一時保管用」として認められる設置例もあります。その例は、下記のとおりです。


  • ✓目線より低い位置に棚を設置

  • ✓ひざよりも高い位置に棚を設置


食器棚を厨房に設置、もしくはお客様の目に触れない場所に置く場合は、あまり新品にこだわらずともよいでしょう。中古品を使えば、導入費用も抑えられます。

製氷機

製氷機とは、飲食店でドリンクを提供する際に欠かせない「氷」をつくるための機器です。ドリンクだけではなく、食材の保冷などにも氷は使われます。一日あたりの製氷能力は製品によって異なり、低いものでは10kg前後、高いものだと100kgを超えるタイプもあります。

製氷能力の目安は、店舗の客席数×1.5倍の数値が一般的です。たとえば客席数が16席の場合は、目安となる製氷能力が24kgとなります。

同じ規模でも、カフェやバーといったドリンクメニューを多く取り扱う店舗の場合は、夏などに氷が不足するかもしれません。そのため、製氷機を選ぶ際には製氷能力に余裕を持たせ、30kgほどの製氷能力がある製氷機を選びましょう。

コールドテーブル

コールドテーブルとは、冷蔵庫(冷凍庫)と作業テーブルが一体となった厨房機器です。

席数が多い大型の飲食店であれば、厨房に各食品を最適な環境で保管するための冷凍室や冷蔵室を設けているケースがあります。しかし、店内の厨房スペースが限られている場合は、作業テーブルとしての機能も兼ねているコールドテーブルが活躍するのです。

コールドテーブルの内部は、2つあるいは3つに区切られており、それぞれの部屋が冷蔵室または冷凍室として割り振られています。

コールドテーブルの全高は700mm以上900mm未満のものが多い傾向ですが、なかには600mmほどの低いタイプも販売されており、バリエーションは豊富です。テーブルで作業をする際は前屈姿勢になることが多いため、メインで使うスタッフの身長にできるだけ合ったものを選びましょう。

また、温度調節などを行う駆動部のユニットは、左右どちらか一律ではなく製品によって場所が異なります。コールドテーブルは、電源までの導線や各厨房機器の配置・レイアウトを考慮して選ぶことも大切です。

業務用ガスレンジ

業務用ガスレンジとは、オーブントースターとオーブンレンジ双方の使い方ができるコンベクションオーブンと、ガステーブルが一体となった業務用ガスレンジです。

業務用ガスレンジには、手動でガス栓を空けて点火する外管式、つまみを操作して点火する内管式の2種類に大きく分けられます。また、製品の中には安全装置を備えたタイプもあります。

上部に設けられたコンロと下部に備えられたオーブンを同時に使える点が業務用ガスレンジの特徴です。フライパンで表面を焼いてグリルで仕上げる肉料理などは、二つの機器を使えば効率的に仕上げられます。

トースターとレンジをそれぞれ購入して設置するよりもスペースがかさばらないため、調理場の面積が狭い店舗で重宝する厨房機器です。

レンジフード

レンジフードとは、ガスレンジの上に設置する換気扇と、換気扇を覆うカバーを指す言葉です。

飲食店を開業する際は、保健所から営業許可を取得しなければなりません。そのとき、ほこりがたまりやすい形状のレンジフードを使っていると許可がおりないことがあります。そのため、レンジフードはひさしなどの突出部がない形状のものを選びましょう。一般住宅を改装して飲食店を開業する際は、特に気をつける必要があります。

天井から床にかけて直線状に伸びている「箱型レンジフード」であれば、ほこりが溜まりにくいため、保健所の許可がおりる可能性は高い傾向です。しかし、レンジフードと天井の結合部に隙間があるとほこりが溜まりやすいと判断されるケースもあるため、注意しましょう。

業務用シンク

業務用シンクは家庭用シンクとは異なり、保健所によって設置基準が明確に示されています。飲食店を営業するためには幅45cm×奥行36cm×深さ18cmのシンクが2槽必要です。

そのため、飲食店を開業する際は、規定の内径寸法を満たした2槽タイプのシンクを用意しましょう。自動の洗浄設備がある場合は、シンクが1槽でも認められます。食洗機などがあれば2槽タイプのシンクを用意する必要がない点も押さえておきましょう。

注意すべきは、ラーメンなど油を多用する料理を提供する飲食店の場合、冬場は油が冷えて固まりやすく、油が調理機器や食器にこびりつく点です。取り扱う料理の種類によっては、温水で勢いよく洗う食洗機の導入が向いています。

開業時に揃えたいキッチン用品・調理器具・備品一覧

飲食店の開業では、業務をスムーズに進めるために多種多様なキッチン用品や備品を揃える必要があります。仕込みから提供、衛生管理まで、準備を検討すべき調理器具や備品の種類を工程別にお伝えします。

カテゴリー主な備品・器具用途
仕込み包丁・まな板・ボウル・バット・ザル食材の下準備
加熱調理フライパン・鍋・寸胴鍋・玉子焼き器加熱・調理
盛り付け・提供皿・グラス・カトラリー・トレー料理の提供
衛生管理アルコール消毒液・手袋・ペーパータオル・清掃用品衛生管理・食中毒対策

仕込みに必要な調理器具

仕込み作業の効率は、調理器具選びによって大きく左右されます。大型の厨房機器だけでなく、日々の作業で使用する細かな器具の準備も開業時には欠かせません。

最低限揃えたい基本の調理器具は、包丁、まな板、ボウル、バット、ザルなどです。これらは業態や提供するメニューによって、必要なサイズや種類が変わってきます。

購入時は、耐久性や衛生面を考慮して業務用の製品を選ぶのがポイントです。家庭用は安価ですが、毎日の過酷な使用に耐えられず買い替え頻度が高まる場合があります。結果的にコストがかさむため、初期費用をかけても専用品を導入することをおすすめします。保健所の基準を満たすためにも、手入れがしやすい素材を選ぶと安心です。

加熱調理に必要な調理器具

加熱調理に使用する器具は、メニューの仕上がりや品質に直結するため慎重な選定が求められます。ガスレンジなどの大型厨房機器とは別に、手元で扱うフライパンや鍋などを揃えます。寸胴鍋や玉子焼き器など、用途に応じた代表的な器具があります。

提供するメニューによって必要な器具は異なり、洋食や和食など業態ごとに専門性の高い器具を選びます。中華料理であれば中華鍋を準備するなど、店舗のコンセプトに合った種類を過不足なく用意します。

購入時は、一度に調理する量や想定される客数に合わせて、適切なサイズと容量を選びます。ピーク時の提供スピードを保つためにも、実際の調理手順を想定して大きさを決定します。的確な器具選びが無駄な出費を防ぎます。

盛り付け・提供に必要な食器・備品

食器類は、料理の魅力を引き立てるだけでなく、店舗の印象を大きく左右する重要な備品です。提供するメニューやお店の雰囲気に合わせて、皿やグラス、カトラリー、トレーなどを慎重に選定していきます。

カジュアルな空間なら温かみのある素材を選ぶなど、店舗コンセプトと調和させることがポイントです。また、営業が始まると、洗浄中の破損や配膳時の落下などにより、食器が不足することがあります。
そのため、ギリギリの数だけを揃えるのではなく、あらかじめ多めに準備します。

具体的には、座席数の1.5倍から2倍程度の予備を確保しておくのが一般的です。後から追加購入しやすいように、定番の形や無地のデザインを選んでおくことをおすすめします。

衛生管理に必要な備品

衛生管理は飲食店経営の基本であり、お客様に安全な料理を提供するための重要な要素です。日々の業務で必要になるものとして、手指や調理器具の殺菌に用いるアルコール消毒液などがあります。

使い捨てのペーパータオルや衛生手袋、用途別に分けた清掃用品なども挙げられます。これらは厨房内の清潔さを保ち、食中毒などのリスクを防ぐために欠かせません。

保健所の営業許可基準を満たすうえでも、手洗い場への専用備品の常備が求められます。注意したいのは、営業許可の取得時だけ揃えればよいわけではないという点です。開業後も継続的な管理と定期的な補充を行い、従業員全員で衛生的な厨房環境を維持する体制を整えましょう。

開業する飲食店の業態によって必要になる厨房機器

業務用冷蔵庫や食器棚はほとんどの飲食店にとって必須の厨房機器です。必須の厨房機器以外にも、飲食店の業態によっては導入が必要な厨房機器があります。

ここからは、3つの業態から必要な厨房機器をピックアップして解説します。

開業する飲食店の業態によって必要になる厨房機器

ラーメン屋「ゆで麺機」

ラーメン屋を開業する際に必ず用意すべき厨房機器は、麺をゆでるための「ゆで麺機」です。ラーメン屋以外にも、うどん・そば・パスタなど麺類を提供する店舗では必要になるでしょう。

一度に大量の麺をゆでられるだけでなく、お湯の温度も簡単に管理可能である点がゆで麺機の特徴です。むらなく安定的に麺をゆでてほぐせるため、工程にかける時間や手間が大幅に削減されます。

カフェ「コーヒーマシン」

カフェを開業するなら、専門店ならではの味わいを提供できる「コーヒーマシン」を導入するとよいでしょう。蒸らし時間や湯量、抽出のタイミングなどを一元管理できるため、高いクオリティのコーヒーをお客様に味わっていただけます。

主なコーヒーマシンの種類は、下記のとおりです。


  • ✓ドリップ式

  • ✓サイフォン式

  • ✓カプセル式


どのようなコーヒーを提供したいかのこだわりを踏まえて、コーヒーマシンの種類を決めましょう。

イタリアンレストラン「ピザ窯」

イタリアンレストランを開業する場合、メニューの中心となるのはピザやパスタでしょう。本格的なピザを提供するためには、高温で一気に生地を焼き上げる「ピザ窯」の導入を検討したいものです。

ピザ窯には石窯やペレット窯などいくつかの種類があるため、理想とするピザを明確にしたうえで最もふさわしいタイプを選びましょう。

居酒屋「フライヤー・焼き台」

居酒屋は調理工程が多いため専門機器が必要になります。提供するメニューの幅が広く、揚げ物から焼き物まで多岐にわたるためです。代表的な設備として、唐揚げやフライドポテトなどを効率よく調理するためのフライヤーが挙げられます。

また、焼き鳥や魚の塩焼きなどを提供する場合は、焼き台やグリラーの導入も検討します。ここで注意したいのは、予定しているメニュー構成によって必要設備が大きく異なるという点です。あらかじめ看板メニューとサブメニューを明確に洗い出し、自店舗に合った厨房機器を過不足なく選定します。

焼肉店「排煙設備・無煙ロースター」

焼肉店の開業にあたっては、調理機器と同じくらい排煙設備が重要な役割を担います。客席で直接肉を焼く業態の特性上、店内には大量の煙やにおいが発生するため、確実な換気対策が欠かせません。

具体的な設備としては、テーブルで煙を直接吸い込む無煙ロースターや、店内の空気を屋外へ排出する排煙ダクトなどを導入します。十分な排煙設備を整えないまま営業を始めると、近隣住民とのにおいトラブルに発展する恐れがあります。店舗の規模や座席のレイアウトに合わせて、煙を効率よく外へ逃がす仕組みを計画してみてください。

飲食店の厨房機器を選ぶ前に確認すること

厨房機器を選ぶ前に、下記の点をあらかじめ確認しておきましょう。


  • ✓物件のインフラ

  • ✓厨房のレイアウト

  • ✓提供メニュー


確認事項を一つひとつ解説していきます。

飲食店の厨房機器を選ぶ前に確認すること

物件のインフラを確認する

厨房機器を選ぶ際は、物件のインフラ周りついてしっかり確認しておきましょう。具体的には、電気やガスの容量と、導入したい冷蔵庫・ガスレンジなどが適合しているかを確認する必要があります。

厨房機器が必要とする電気やガスの容量が店舗に供給されていなければ、各種機器を使うことはできません。あらかじめ電力会社やガス会社と打ち合わせをして、十分な容量の電気やガスが供給されるプランを選んでおきましょう。

容量変更には工事が必要なケースもあるため、インフラが整うまで想定以上の時間がかかることもあります。開店が遅れないよう綿密な確認が大切です。

厨房のレイアウトを確認する

厨房のレイアウトを決めるときは、あらかじめ導入したい厨房機器をリストアップしてから行うことが最善です。「レイアウトに対して機器のサイズは適しているか」「オペレーションの妨げになる構造ではないか」といった点を、図面を見ながら現地で隅々まで確認しましょう。

厨房機器を選ぶ際は、設置場所やサイズ、オペレーション、搬入経路のチェックが必須です。 スタッフが無駄な動きをせず作業ができるか、料理をスムーズに提供できるかといった導線も意識しながらレイアウトを組みましょう。

関連記事 飲食店開業前に知っておきたい厨房レイアウトの3つのポイント

提供メニューとすり合わせる

厨房機器を選ぶ際には、提供するメニューと機器の種類・スペックをすり合わせることも重要です。提供するメニューには必要ないオーバースペックを備えた厨房機器を導入しても、余計な費用をかけることになってしまいます。

【提供メニューと厨房機器が合っていない例】


  • ✓揚げ物を提供する予定がないのにフライヤーを導入

  • ✓コーヒーをウリにしていないのに、高額なコーヒーマシンを導入


また、10人入れば店内がいっぱいになる規模の飲食店であれば、大型冷蔵庫の導入なども必要ないでしょう。

保健所の営業許可基準を確認する

飲食店を営業する場合は、保健所から営業許可を取得する必要があります。そのため、厨房機器の購入前に、施設基準を満たす設備計画を立てることが重要です。基準外の設備を選んでしまうと、再工事や買い直しの費用が発生します。

具体的な確認項目として、シンクや手洗い設備の基準があります。例えば、洗浄用の2槽式シンクや、従業員専用の手洗い設備を設置するなどの規定が存在します。また、十分な換気設備や、扉付きの食器棚といった衛生管理設備も不可欠です。

こうした施設基準は、管轄する自治体によって細かな条件や解釈が異なる場合があります。店舗の図面が完成した段階など、内装工事や厨房機器の購入を進める前に、必ず管轄の保健所へ事前相談に行くことをおすすめします。

厨房機器のサイズと動線を確認する

厨房機器を選ぶ際は、性能の高さだけでなく配置計画まで含めて検討します。店舗の面積に対して機器が大きすぎると、通路が狭くなり作業スペースを圧迫する原因になります。図面上のシミュレーションを通じて、店舗面積に適したサイズを見極めます。

日々の作業効率を高めるには、具体的な配置計画として調理から配膳までのスムーズな動線確保が必要です。スタッフ同士の交差を防ぐため、食材の保管から下処理、加熱から提供までの一連の流れを整理します。

とくに10坪から15坪程度の小規模店舗では、厨房面積が限られるため省スペース設計が求められます。作業台と冷蔵庫が一体化したコールドテーブルなどを導入し、限られた空間内で効率的なオペレーション環境を構築しましょう。

飲食店開業に必要な調理器具・厨房機器の費用相場

飲食店を開業する際、調理器具や厨房機器の導入にかかる費用目安について順番に整理します。店舗の規模や業態によって必要な設備は異なるため、具体的な相場を把握して開業資金の計画に役立てるための情報です。

厨房機器ごとの費用目安

飲食店の厨房機器は、開業資金のなかでも大きな割合を占める重要な設備です。初期費用を正確に見積もるためにも、それぞれの費用相場を把握しておくことをおすすめします。

厨房機器新品の費用目安
業務用冷蔵庫・冷凍庫35万~65万円程度
製氷機30万~60万円程度
ガスレンジ25万~45万円程度
シンク18万~40万円程度

一般的な新品機器の費用相場として、業務用冷蔵庫・冷凍庫は35万円から65万円程度、製氷機は30万円から60万円程度が目安です。さらに、加熱調理に使うガスレンジは25万円から45万円程度、衛生管理に必須のシンクは18万円から40万円程度を見込んでおきます。

ただし、これらの必要予算は、提供するメニューの業態や店舗規模によって大きく変わります。たとえば、カフェと重飲食では必要な火力や設備容量が異なるためです。新品で一式を揃えると高額になりますが、中古品を活用すれば価格差によって導入費用を半額程度に抑えられるケースもあります。自店舗の計画に合わせて、予算配分を検討してください。

調理器具・食器類にかかる費用目安

調理器具や食器類は単価が低く見えても、積み重なると大きな費用になります。小規模な店舗でも、全体で30万円以上の初期投資が必要になることが一般的です。事前に内訳を把握し、設備資金を割り振る準備を進めます。

内訳となる調理器具としては、包丁、鍋、フライパン、ボウルなどが必要です。提供メニューの種類や厨房の広さに合わせて、適したサイズを複数揃えます。営業中の動線を想定し、必要な個数を正確に見積もることが無駄を省くコツです。

また、皿、グラス、カトラリーなどの食器類も多岐にわたります。営業中に破損するリスクを考慮し、客席数の1.5倍から2倍程度の予備分を含めて予算化しておきます。さらに、ラップや洗剤といった消耗品の費用も見逃せません。備品は種類が多く発注漏れが起こりやすいため、リストを作成して計画的に調達します。

新品・中古・リースの費用比較

厨房機器の導入方法には、新品購入、中古購入、リース契約の3種類があります。どの方法を選ぶかで、開業時の初期費用と運用期間中の総支払額が大きく変わります。自店舗の資金計画に合わせて検討しましょう。

導入方法メリットデメリット
新品購入最新機能・メーカー保証が充実初期費用が高い
中古購入初期費用を抑えられる故障リスクや保証期間に注意が必要
リース契約初期費用を抑えて新品を導入できる総支払額は現金購入より高くなる

新品購入は、最新機能や充実したメーカー保証を受けられる点が特徴です。長期間安心して使用できる反面、初期費用が最も高額になります。一方の中古購入は、初期費用を新品の半額程度に抑えられます。ただし保証期間が短く、故障リスクや修理費用が発生しやすい点に注意します。

リース契約は、初期費用なしの月額支払いで新品を導入できる仕組みです。手元に開業資金を残しやすい一方で、金利などが上乗せされる点に留意します。契約期間満了までの総支払額は、現金購入よりも割高になります。初期の負担を減らすか、将来の総額を抑えるかを基準に判断します。

小規模店舗で費用を抑えるポイント

5坪から10坪程度の小規模な飲食店を開業する際は、まず設備の優先順位を決めることが重要です。限られた資金と厨房スペースを有効に使うため、必要最低限の設備から順次導入しましょう。

設備費用を大幅に抑える方法として、前のテナントが残した厨房を引き継げる居抜き物件の活用が挙げられます。加えて、すべてを新品で購入せず、状態の良い中古機器を組み合わせることで初期投資を圧縮できます。

また、開業当初は提供するメニューを絞り込む工夫も効果的です。調理工程をシンプルに保つことで、特殊な厨房機器や多様な調理器具を用意する必要がなくなり、結果として設備費の削減につなげることができます。

開業費用を抑えたい!飲食店の厨房機器を安く入手する3つの方法

飲食店開業にあたって、厨房機器の導入費用を抑えたいと考える人は多くいるでしょう。できる限り支出を抑えることが、開業を成功させるカギの一つでもあります。

飲食店の厨房機器を安く入手する方法は、下記の3点です。


  • ✓中古品を購入する

  • ✓リース契約で導入する

  • ✓居抜き物件を契約する


一つひとつ解説していきます。

開業費用を抑えたい!飲食店の厨房機器を安く入手する3つの方法

中古品を購入する

新品ではなく中古品を購入すれば、厨房機器の導入費用を安く抑えられます。

飲食業界は改装や廃業が多いため、中古厨房機器も市場に多く出回ります。そのため、厨房機器を取り扱う中古専門店やオンラインショップで探せば、店舗にぴったり合う厨房機器が見つかる可能性は高いでしょう。

シンクやコールドテーブル、食器棚などであれば、少し傷がついていても業務に支障はほとんどありません。費用を抑えたい人は、中古品のチェックから始めてみましょう。

リース契約で導入する

厨房機器の導入費用を抑えたい人は、リース契約での設備導入も検討してみましょう。

リース契約とは、リース会社が代理購入した機材を店舗で借りて使う仕組みです。購入費用は必要なく、支払うのは毎月のリース代金だけ。何かと費用がかさみがちな開業時に出費を抑えられるため、手元にお金を残しておきたい人におすすめです。

自らリース会社を探すのも一つの方法ですが、内装業者に依頼をすれば納入からアフターサービスまで対応してくれます。一括して任せたい人は、内装業者を通してリース契約を進めてはいかがでしょうか。

居抜き物件を契約する

居抜き物件を契約すれば、厨房機器の導入費用を大きく抑えられます。居抜き物件とは、以前に入居していた飲食店が使っていた内装や設備がそのまま残っている物件を指す言葉です。

設備が残った状態のラーメン屋の居抜き物件をそのままラーメン屋として使えば、新たに冷蔵庫やゆで麺機などを購入する必要がありません。場合によっては譲渡契約が必要になる可能性があるので、厨房機器の利用に費用がかかるかどうかはオーナーに確認が必要です。厨房機器だけでなく内装もラーメン屋のままであるため、内装を変更する必要もほとんどないでしょう。

居抜き物件を契約する際は、厨房機器が間違いなく使えるかのチェックが重要です。機器に不具合があれば、修理や交換に多額の費用がかかるだけでなく、オープンも遅れてしまいます。あらかじめ状態をしっかり確認しておきましょう。

関連記事 居抜き物件の メリット デメリット と確認ポイント

調理器具の収納と厨房レイアウトの考え方

限られたスペースで大量の調理器具や備品をどう収納するかは、多くの飲食店が直面する共通の課題です。作業効率や衛生管理にも直結する収納問題の解決に向けて、厨房レイアウトの基本的な考え方を解説します。

使用頻度に応じて収納場所を決める

調理器具や厨房機器の収納方法は、店舗の作業効率に直結します。限られた厨房スペースを有効活用し、スムーズな調理オペレーションを実現するために、機器の設置スペースやサイズを考慮したレイアウト設計を進めます。

配置を考える際は、使用頻度を基準に収納場所を決定します。包丁やまな板など毎日使用する器具は、作業台周辺の手の届く位置に配置してすぐに取り出せる状態を作ります。

一方で、特定のメニューでのみ使う使用頻度の低い器具は、吊り棚やバックヤードなどの別スペースで管理します。このように動線を意識して配置を分けることで、提供スピードを向上させ、無駄な動きのない厨房環境を構築します。

食材・食器・清掃用品を分けて保管する

衛生的な保管方法は飲食店運営の基本です。異物混入や食中毒を防ぐため、食材と清掃用品は必ず分離して収納します。洗剤や消毒液などの化学物質が食品に触れないよう、専用の戸棚や離れたスペースに配置しましょう。

洗浄を終えた食器や調理器具の衛生管理も徹底します。扉付きの食器棚や専用の消毒保管庫を利用し、ほこりや飛沫が付着しない環境を整えます。まな板や包丁などは、殺菌灯付きの保管庫を使う方法が有効です。

こうした分離保管の仕組みは、保健所の営業許可基準を満たすための対策としても重要になります。立入検査の際にも保管状況がチェックされるため、ルールを明確にしてスタッフ全員で共有し、日々の安全な厨房環境を構築していきます。

小規模店舗で収納スペースを確保する

厨房スペースが限られる小規模店舗では、限られた面積をいかに有効活用するかが重要です。まずは店舗面積を考慮して厨房機器のサイズを慎重に選び、余分なデッドスペースを減らす設計から始めます。

具体的な工夫として、壁面収納や吊り棚を活用し、目の高さや手の届きやすい位置に頻繁に使う調理器具を配置します。さらに、コールドテーブルや作業台下の空きスペースには、重い鍋や食材のストックを収納して空間を無駄なく使い切ります。

同時に、スタッフの作業動線を妨げない収納設計を意識し、通路にはみ出さないように配置する工夫も必要です。安全で効率的なオペレーションを実現するため、取り出しやすさと作業スペースの確保を両立させる配置を検討します。

飲食店の厨房機器の経費処理についても知っておこう

厨房機器を購入したあと、どのように経費処理をすべきかも知っておきましょう。

厨房機器は減価償却で処理します。減価償却とは、設備投資にかかった費用を一定の年数に分けて処理する経費処理方法です。厨房設備は「機械及び装置の飲食店用設備」に該当するため、新品で購入した場合の法定耐用年数は8年となります。

中古で厨房機器を購入した場合は「使用可能期間」によって、減価償却年数を計算します。また、厨房機器をリースする場合は、リース代を全額控除できる点も押さえておきましょう。

飲食店開業時の調理器具・厨房機器に関するよくある質問

飲食店を開業する際、多くの開業予定者が抱える調理器具や厨房機器に関するよくある疑問をまとめました。最低限必要な設備や中古品の活用方法など、失敗しないための実務的な情報を順番に解説します。

飲食店開業で最低限必要な調理器具は何ですか?

どの業態でも共通して最低限必要となる調理器具は、包丁、まな板、鍋、ボウルの4点です。これらは食材の仕込みから加熱、一時保存まであらゆる工程で頻繁に使用するため、耐久性の高い業務用の製品を選ぶことが基本となります。

また、基本的な器具に加えて、提供するメニューや業態によって追加の設備が必要になることも考慮します。例えば、中華料理店であれば中華鍋、カフェであれば専用のコーヒーマシンなどを揃えます。

厨房機器と調理器具の違いは何ですか?

両者は役割と規模が異なります。厨房機器は冷蔵庫や製氷機のように、設置工事を伴う大型の設備を指します。食材の保管や大量調理といった店舗運営の基盤を担うものです。

一方で調理器具は、包丁やまな板、フライパンなどの手持ちサイズで扱う道具を意味します。主に食材のカットや加熱といった、細かな調理作業に直接用いるのが特徴です。役割に応じてそれぞれ適切に揃える必要があります。

厨房機器にかかる費用はどれくらいですか?

厨房機器の導入費用は、店舗の規模や業態によって大きく変動します。また、すべて新品で購入するか、中古品やリースなどを活用するかといった導入方法の違いでも、トータルの金額に大きな差が生まれます。

このように、店舗規模や導入方法によって金額が大きく変わるため、一概にいくらとは言えません。まずは自店舗に必要な主要機器をリストアップして個別の見積もりを取り、実際の金額を開業資金に組み込んでください。

中古の厨房機器を購入しても問題ありませんか?

中古の厨房機器は初期費用を大幅に抑えられるため、多くの飲食店で活用されています。ただし、選ぶ際にはいくつか注意すべき点があります。

まず、製造年式が新しく、状態が良好な機器を選ぶことです。あまりに古い機器は、修理部品の生産が終了している場合もあります。また、中古品は新品と比較して故障リスクが高いため、購入後の保証期間や修理対応の条件を必ず確認します。

調理師免許がなくても飲食店は開業できますか?

結論として、調理師免許を持っていなくても開業は可能です。ただし、店舗を営業するためには保健所から営業許可を取得し、各店舗に1名以上の食品衛生責任者を設置しなければなりません。

食品衛生責任者になるためには、各都道府県が実施する養成講習会の受講が基本です。一方で、すでに調理師や栄養士などの資格をお持ちであれば、講習を受けずに食品衛生責任者の要件を満たせます。

必要な厨房機器を把握して飲食店開業を進めましょう

飲食店開業を成功させるためには、営業に必要な厨房機器を万全に整えておくことが重要です。どの設備が必要なのかを綿密に下調べし、レイアウトを確認しながら導入を進めていきましょう

参考記事 飲食店の厨房レイアウトは最重要!基本を押さえて適切な配置を組もう

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必要な厨房機器を把握して飲食店開業を進めましょう

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この記事の執筆

株式会社USEN_canaeru 開業プランナー

株式会社USEN

canaeru 開業プランナー

▼プロフィール
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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