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飲食店のお会計、券売機とレジどちらを選ぶべき?

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ラーメン屋などで見かける食券の自動券売機と一般的なレジ。券売機のメリット、デメリットからどちらの会計システムがよいのかを検証していきます。

券売機のメリット

まずは券売機のメリットを考えていきます。

金銭管理が簡単、盗難防止にも

大きなメリットは金銭の授受に間違いが出ないこと。機械が自動的に代金を計算して釣銭を出すので、釣り銭ミスがなくなります。また、お金は機械の中で、さらには鍵がなければ開けられないので盗難防止にも繋がります。

注文のミスが防げる

お客様が事前に食券を購入するため、オーダーミスによるクレームも少なくなります。また、「食い逃げ」などのトラブルも発生しません。相手が人間だと避けられないトラブルも券売機によって防ぐことができるのです。

人員管理の効率化

券売機とレジの一番大きな違いは、人が清算を行のうか、機械が清算を行うのかという点。当然、券売機があれば接客に必要なスタッフ数も少なくなり、人件費の削減に繫がります。お会計は機械に任せてスタッフは厨房の仕事など、人間でなければ対応できない作業に集中させることができるので、より効率的なスタッフ配置が可能です。

売上管理が正確

自動券売機を導入することで、より正確な売上の集計が可能になります。日々の売上をデータとして券売機内に記録できる機械もあり、月間の売上はもちろん、週間の売上、時間帯別の売上、なんと利率に至るまで自動で算出することができます。さらにそのデータをパソコンに移動して管理すれば、もう面倒な電卓での計算から解放されるのです。

衛生面のリスクを低下

飲食店では、食中毒などが発生しないように衛生管理を徹底する必要があります。一般的なレジの場合は、お客さんが食べ終わって会計する際に、お札や硬貨のやり取りを行いますが、その際に手に細菌が付着する可能性があります。
基本的に調理を行う人と会計を行う人は分かれているため、そのような会計のやり取りが原因で食中毒が発生することはまずありません。しかし、店舗の規模が小さく、会計を行う人と厨房に立つ人が同じような場合には、リスクが高くなるため、会計のやり取りをなくす券売機は衛生面のリスクを下げることにつなげることができると言えるでしょう。

券売機のデメリット

ここでは券売機のデメリットをいくつか挙げてみます。

機械の導入、初期投資がかかる

利点が多い自動券売機ですが、もちろんデメリットも。まず一番に挙げられるのが、導入の際にかかる初期費用。券売機のメーカーにもよりますが、おおよそ60万円~75万円はかかります。カウンターだけの小さなお店なら券売機もひとつでいいですが、それなりの広さのお店となると2台、3台と必要になります。結果、初期費用だけで数百万円もかかってしまうことに。しかし、これはリースを使えば回避可能。リースなら月に1万円~1万5千円でレンタルできます。

追加オーダーが取りにくい

自動券売機は頻繁に追加オーダーが発生するような居酒屋などには向いていません。ビールやおつまみをオーダーするたびに、券売機で購入してもらうことになるからです。
ちなみに、最終的にはレジでの会計になるものの、タブレットで注文ができるシステムが飲食業界に定着しつつあります。このシステムなら追加オーダーにも対応可能です。

機械の故障

券売機の導入で一番恐ろしいデメリットが故障です。お客様が少ないときや、アイドルタイムなら現金のやり取りで対応できますが、これがランチタイムなどのピーク時だと……。お客様のイライラした顔を横目に、券売機を修理。結果、厨房の人手が足りなくなりオーダーも滞ってしまう…ということにもなりかねません。また、場合によっては一時的にお店を閉めなければならない事態に陥るかもしれません。

お客さんとのコミュニケーションが少なくなる

お客さんが「また来たいな」とリピーターになってくれる要因の1つとしてコミュニケーションは重要な役割を果たしています。
例えば、「この店のおすすめはどれですか?」「今日は寒いですね」など、ちょっと会話するだけでも良いのです。マニュアル通りではないコミュニケーションはリピーターの心に響きます。
ベルトコンベアーのように「食券を買う→食べる→帰る」という機械的な流れになってしまい、冷たい印象を与えるのがデメリットと言えるでしょう。

券売機を選ぶ際のポイント

券売機と一口に言っても、その機能は豊富であるため、何が必要で何が不要かをしっかりと選別しておかないと、無駄にコストがかかってしまいます。券売機を選ぶ際のチェックしておくべきポイントについて詳しく見ていきましょう。

全札対応かどうか

ラーメン屋さんなどの単価が低いお店では、券売機で使用できる紙幣が1,000円札に限定されている場合があります。もちろん、全札対応の券売機よりも1,000円に限定されている仕組みの券売機の方が簡単であるため、導入コストを抑えることができます。
しかし、両替を求められた場合に、手間がかかるのがデメリットと言えるでしょう。

ボタン式かタッチパネル式か

ボタン式はシンプルな構造なので、導入コストを抑えることができますが、時間帯によって提供しているメニューが異なる場合には2台の設置が必要になるなど不便と言えます。
タッチパネル式では、導入コストが高くなりますが、時間帯によって内部で表示メニューを切り替えることができるほか多言語にも対応しているため、店舗によってはタッチパネル式の利便性の方が高いと言えるでしょう。

集計機能が付いているか

主な集計機能には、「日計・累計・グループ別集計機能」「時間帯別・時間帯別グループ売上集計」「入出金集計」「硬貨回収合計集計」などがあります。
オプションで機能を追加すると、導入コストが高くなるため、必要な機能を選別することが重要と言えるでしょう。

券売機に導入されている新機能

2020年の東京オリンピックまで2年を切りましたが、増える訪日観光客に向けて券売機も新機能を搭載するようになってきています。
例えば、キャッシュレス化や多言語対応です。訪日観光客は、全員が現金を持ち歩いているとは限りません。中には、カード決済しか利用しない訪日観光客もいる可能性があるため、現在のように現金しか対応していない券売機しかない場合には、不便に感じてしまいます。
キャッシュレス化の機能が搭載された券売機では、交通系のICカードやクレジットカード、アリペイ決済などが使えるようになるため、訪日観光客だけではなく、キャッシュレス化が進む日本でも受け入れられやすいと言えるでしょう。
また、券売機で何が販売されているのか分からなければ、そもそも購入が困難だと言えます。多言語対応の券売機では、英語、中国語、韓国語などに対応しているため、利便性がさらに向上すると言えるでしょう。

店舗に合わせた会計システムを

ラーメン店や定食屋など、回転率が早いお店は券売機が大きなメリットになります。しかし、追加オーダーが発生する居酒屋、券売機そのものが店舗の雰囲気に合わない、例えば、おもてなしを含めたサービスをするお店の場合、かえって評判を落とすことになりかねません。
また、券売機を置けるようなお店でも、「お客様と目を合わせてお礼をしたい」との理由から対面式のレジにこだわるところもあります。お店のジャンルや状況をみてどちらを選ぶのかを決めましょう。

【ラーメン屋】の開業方法はこちら≫「ラーメン屋を開業するには?開業資金や準備、繁盛するための対策とは?」

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この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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