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流行りのお店は取り入れてる?投資額ゼロ円から始めるバリアフリー

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開業した際は「誰でも気持ちよく過ごせる空間を作りたい」という思いを持って、積極的にバリアフリーに取り組むことが大切です。とはいえ、「バリアフリー化」と聞くと難しく考えてしまったり、設備投資にお金がかかると腰が重くなってしまう人も多いはず。しかし、本当のバリアフリーは人の意識と行動で示すことができます。

バリアフリーとは

バリアフリーとは、多様な人が社会に参加する際に生じる障壁(バリア)をなくすということです。階段にスロープを付ける、段差をなくすことと、車いすを利用している人や高齢者が暮らしやすい環境を整えていくことがバリアフリーだと考えている人が多いです。従来はバリアフリーという言葉が建築用語として用いられていたため、上記のように物理的な障壁の除去を意味していました。しかし、現在では、障害のある人、高齢者に限定されず、あらゆる人の社会参加を困難にしているすべての障壁を除去するという意味で用いられるようになっています。
社会を構成している人たちは、全員が同じではなく、外見や性格、価値観などが異なっているほか、年齢や性別、国籍なども様々です。様々な人たちで社会が構成されているにも関わらず、社会は多数を占める人に合わせて作られたため、少数派の人々が不便に感じることが増え、それらが障壁となって残っています。
身体障害や精神障害、知的障害のある人の数は、日本の総人口の7%と言われており、数でいうと15人に1人です。障害のない人が多数を占めることから、社会も障害のない人たちを基準に作られているため、障害のある人たちにとっては暮らしにくい環境と言えるでしょう。
そのため、これら少数の人たちが安心して暮らすことができるように社会全体でサポートしていくことが本当の意味での「バリアフリー」と言えます。

4つのバリアとは

障害のある人にとって、社会で感じるバリアは様々です。バリアフリーを意識する際にはどのようなバリアが社会に存在しているのかを正しく把握することが重要です。バリアは「物理的なバリア」「制度的なバリア」「文化・情報面でのバリア」「意識上のバリア」の、大きく4つに分類されます。それぞれのバリアについて見ていきましょう。

物理的なバリア

物理的なバリアとは、従来の建築用語として用いられていた意味での障壁です。例えば、車いすを利用する人にとって階段しかない、店内に段差があるといった場合は、それらがバリアになります。
公共交通機関、道路、建物といった様々な人が利用する施設において、利用者の移動面で困難をもたらしているような障壁です。具体的には、路上の放置自転車、狭くて急勾配の通路、ホームと電車の隙間や段差、エレベーターのボタンの位置が高いなどです。多数の人にとっては当たり前のことでも、少数の人にとっては大きな障壁となるため、これらの障壁をなくしていくことが重要と言えるでしょう。

制度的なバリア

制度的なバリアとは、社会のルールや制度などの影響によって障害のある人が能力以前の段階で平等の機会を奪われてしまっている障壁です。物理的なバリアは、障壁が存在することで不便に感じるというものでしたが、制度的なバリアは、障害がある人を受け入れることを拒否している状況です。具体的には、入試、就職、資格試験などにおいて、障害があることを理由に受験資格や免許などの付与を受けることができないなどの制限を加えることです。最近では少しずつ入店が認められる店舗も増えてきましたが、視覚障害の人が盲導犬を連れて行動したくても入店を断られることが多くありました。「盲導犬=ペット」ではなく、視覚障害の人にとって大切なパートナーであるという認識が広がることが重要と言えるでしょう。

文化・情報面でのバリア

文化・情報面のバリアとは、情報の提供が不十分であることが原因で、必要な情報を得ることができない障壁です。具体的には、視覚に頼って操作するタッチパネル式の操作盤、音声アナウンス、点字や手話通訳のない場所などです。視覚障害や聴覚障害がない場合は、これらの環境を何とも思わないことが多いです。例えば、回転ずしなどに行くと、最近はタッチパネル式の操作盤が増えていますが、視覚障害のある人にとっては注文が困難です。また、電車で人身事後が発生したなどの理由で、電車がその駅で停車して振り替え輸送になる際にも、音声によるアナウンスはあっても、手話によるアナウンスはないため、聴覚障害の人にとって大きな障壁になります。こちらの障壁も制度的なバリアと同様。多数の人は障壁と感じたことがないため、まずこれらが障壁であるということを周囲が認識することが重要と言えるでしょう。

意識上のバリア

意識上のバリアとは、物理的なバリアや文化・情報面でのバリアなどが取り除かれているにも関わらず、多数の人たちの意識の欠如で生じている障壁です。具体的には、周囲から心無い言葉を浴びせられる、差別や偏見、無関心などです。例えば、駅のホームなどで、視覚障害の人をサポートするための点字ブロックが備わっているにも関わらず、その上に人が立っているなどです。駅に限らず、道路でも、点字ブロックの上に自転車を駐車していることも意識上のバリアと言えます。制度的なバリアと同様、意識上のバリアは、人が作り出した障害を抱えている人たちへの障壁であるため、何に障害を抱えている人たちが困っているのかを考えて寄り添う社会が求められていると言えるでしょう。

何に困っているのかを理解する心を持つ

障害のある方も、不自由な部分は人それぞれ。漠然と何か助けてあげなくては……という義務感ではなく、実際に困っている人が目の前にいるのなら、困っていることに対して手を差し伸べるという、当たり前の感覚を身につけましょう。

実際の対応方法

視覚障害のある人

対応のポイントは、まずこちらから声をかけること。また、「これ」、「それ」などの指示語ではなく、「30cm前方にコーヒーを置きますね」と伝えたり、了解を得た上で手を取って食器に触れていただき説明するなどの方法がよいでしょう。

聴覚障害のある人

最初にコミュニケーションの手段を確認しましょう。手話の他に筆談、口話・読話(口の動きを読む)などの方法があることも覚えておきましょう。

肢体不自由のある人

車椅子を利用する人に対しては、会話の際、こちらも腰を落として視線の高さを合わせるなどを心掛けましょう。車椅子を押すなどの介助をする場合は、それを望むか、車椅子に触れてもいいかを先に尋ねることが大事です。
寒そうにしていないか、暑そうにしていないか、といったことにも気を配るようにしておきましょう。

介助犬への対応を考えよう

身体障害者補助犬法により、2003年から民間の飲食店や宿泊施設等でも、盲導犬、聴導犬、介助犬を伴った人を受け入れることが義務化されています。
盲導犬はハーネスを付けていたり、聴導犬、介助犬は、「身体障害者補助犬法附則第三条による表示」というカードを携行しているので、それを確認することでペットと区別できます。
気になる犬の衛生面ですが、身体障害者補助犬は、使用者に衛生管理を義務付けているので、基本的には気にするほどでもないでしょう。しかしそれでも万一不衛生さが目立つ犬だった場合は、誠意をこめて理由を話し、お断りすることも大切です。お互い尊重しあって解決しましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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