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崇高な飲食店スタッフはどのように育成するのか?|飲食店スタッフ教育術

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店舗運営にはスタッフを採用して業務やオペレーションを覚えてもらうための研修が欠かせません。ここで研修を円滑に進めるためのポイントを紹介していきます。

飲食店スタッフ教育は「販促」である

まずは、スタッフ教育・研修で徹底するポイントについて理解しましょう。

飲食店スタッフ教育のキモは「お客様をもてなす」ことにあります。
お客様へのおもてなしは、リピーター獲得に繋がります。
また昨今では、飲食店のサービスや雰囲気、接客などのポリシーやお店の世界観など、平たいお客様視点でSNSなどへの投稿が急増しています。
悪く書かれてしまうのを防ぐだけではなく、よい評価を拡散してもらうことが集客に繋がります。
いつ・どこで・誰が・何を投稿するのかは分かりません。
一挙手一投足、一語一句を見られている意識を、スタッフ全員が持つ必要があるのです。

教育・研修ポイント1:接客の基本

まず以下の接客の基本的な4つのポイントを徹底して教育しましょう。

・基本的な挨拶
・笑顔で接客
・人の話を聞く姿勢
・協調性を持たせる

当たり前のことのように感じますが、この当たり前をできるかで大きな差が生まれます。
接客はサービスを提供するだけではなく、お店自体が商品でありブランドです。そのお店を好きになってもらうためには、お客様に心地よく過ごしてもらうことが重要です。

教育・研修ポイント2:経営者のビジョンを伝える

研修の際にスタッフに開業した理由や店舗の今後のビジョンを伝えることも非常に大切です。
例えば「経営者の思い」や「店舗経営の理念」、「今後の目標やビジョン」、「理想のスタッフ像」などを伝えることにより、スタッフ自身がその理念やビジョンを理解し、「ただ働く」だけではなく、「目的を持って働く」ように促すことができるからです。

教育・研修ポイント:自主性を認め実践してもらう

スタッフにさらに成長してもらうためには、以下のようなアクションがさらにその効果を生むかもしれません。

・スタッフの個性を認め自発的に行動させる
・経営者とスタッフがコミュニケーションを積極的に取る

例えば、研修期間中にオペレーションやサービスなどに提案があれば取り入れるなど、スタッフの挑戦や自主性を認め、実践してもらうようにしましょう。
また、定期的なミーティングや、スタッフノート記入など、情報を共有する機会を作りましょう。できる限りスタッフと話しやすい環境や雰囲気づくりを心がけ、スタッフの現状を確認し合うことも大事です。
一方的に経営者からマニュアルを提示するのではなく、このような機会を定期的に持つようにしましょう。
スタッフの自発性を育てていくことが、開店後のスムーズな運営に繋がります。

醸成されたコミュニケーションが伝える「安心」「安全」

スタッフの存在は店舗運営の背骨と言っても過言ではありません。

店舗の運営は、経営者がひとりで行なうものではなく、スタッフとのコミュニケーションや距離感が重要です。
質のよい教育・研修は、店舗が順調に成長していくためにも欠かせない要素です。
「成長する店」には、必ずリピーターが付きます。
「また行きたい」と思わせる要素が、そこにあるからです。
心地よい空間を作り出すのは、そこで働く人たちの「和」から産み出されるものです。
その空気は、お客様に「安心」「安全」をもたらすことになるでしょう。

崇高なスタッフ教育はどうやるのか?

スタッフの採用から教育・研修をしっかり行ったからと言っても、入れ替わりの激しい飲食業界のスタッフ事情を考慮すると、社員が入れ替わるごとに研修を行うわけにはいきません。
しかし、だからと言って教育を怠ってしまうと、飲食業界の経験がないスタッフの場合には、いきなりの接客で不安に感じるなど、それがスタッフの精神的負担となって辞めてしまう原因となるので注意が必要です。

スタッフの不安や精神的負担を軽減するには、その店の基準であるマニュアルを作成することが重要です。
飲食店の場合には、キッチン、ホールでそれぞれ業務内容が異なるため、全てを統一したマニュアルを1つ作成するのではなく、それぞれの立場に合わせた分かりやすいマニュアル作成を心掛けるようにしましょう。

キッチンにおけるマニュアル

キッチンを担当するスタッフによって料理に差が出ることは、飲食店にあってはならないことです。
そのため、常に味も盛り付けも量も、誰が作っても同じものが提供できる体制を整えておく必要があります。
キッチンにおけるマニュアルには、必要な材料とその量、調理手順についてしっかりと記載します。
しかし、盛り付けに関しては文字による説明だけでは詳しい内容が理解できません。
そのため、盛り付けの仕方などの詳しい内容を理解する必要がある部分については、写真を貼るなど、ビジュアルで理解できるよう工夫しておくことがポイントと言えるでしょう。

フロア・ホールにおけるマニュアル

キッチンを担当するスタッフによって料理に差が生じないようにするのと同様、フロアやホールを担当するスタッフによってサービスに差が生じないようにマニュアルを整備する必要があります。
例えば、「お会計の際は、次回のクーポン券を表向きにして両手で渡す」「来店時、退店時はドアを支えてお客さんを通す」などです。
これらのサービスを標準サービスとして行うのであれば、スタッフごとに差が出ると、「今日はサービスが悪いスタッフだった」と勘違いを生んでしまう原因になるのでしっかりとマニュアルに盛り込んでおく必要があります。
スタッフが良かれと思って過剰サービスを行っていた場合には、統一性を保つことができなくなるため、マニュアルに沿った対応を行うよう指導することが重要と言えるでしょう。

マニュアルは適宜修正する

キッチンにおけるマニュアルもフロア・ホールにおけるマニュアルも、開店の際に作成したマニュアルをいつまでも使い続けるのはよくありません。
店舗経営を続けていく中で「このマニュアルは変えた方がいいな」と感じた部分やお客さんからアンケートで指摘のあった部分などは、適宜マニュアルを変更していった方が、スムーズな店舗経営につなげることができるだけでなく、よりお客さんの満足度の高い経営に近づけることができます。
店舗オーナーがマニュアルの権限を握ってしまうのではなく、現場スタッフの意見を取り入れながら適宜マニュアルを見直していくようにしましょう。

上質なスタッフが辞めない仕組み作りとは?

スタッフがより長く勤務してくれる環境を整えるには、マニュアルをしっかりと作成しておくだけでは足りません。
長く勤務しているにも関わらず、給料が増えない状況が続くと、いくらマニュアルが整っていて教育もしっかりしている飲食店であったとしてもスタッフ退職につながってしまう可能性があります。
複数店舗の経営を行っている場合には、シフトマネージャー、店長、エリアマネージャー、スーパーバイザーなどの役職を与えることで、スタッフのモチベーションを上げることが期待できるほか給料アップの口実にできます。
一方で、1店舗のみの経営の場合は、役職を与えることができないため、給料アップにつなげにくいというデメリットが挙げられます。
スタッフの短期間での退職は、現場のスムーズな運用につなげることができなくなるほか、無駄なコストの発生へとつながる可能性もあるため、スタッフの評価制度を導入するなど、現場スタッフのストレスが溜まりにくい職場環境を整えることが重要と言えるでしょう。

店の経営を左右するのは「スタッフの〇〇〇」だと理解する

スタッフの採用は経営者自身だけで行っても構いませんが、できれば採用に通じた従業員や友人、知人、それを専門とするコンサルタントなどと一緒に行う方がよいでしょう。
その理由として、複数の目でスタッフを選定する方が、さまざまな角度からその人物を見ることができる、人材採用におけるリスクヘッジが可能だからです。

スタッフ採用において重要なのは「人間性」です。
テクニックが秀でていたり、専門的な知識があっても、他のスタッフと共同で店舗を作り上げていける「チームワーク」や「コミュニケーション力」がなければうまくいきません。
採用したスタッフによっては店舗の雰囲気や評判を左右しかねないので、しっかりと人物を見て採用を行いましょう。

そして、採用した時点でのポテンシャルに掛けるのではなく、あなたのお店のメンバーとして充分な一役を買ってもらうには、教育が重要であることを改めて理解、実行に移していきましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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