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都会と地方のやり方は違う!?理容師がIターンで気付かされたこととは?

髪型に地方格差なんてなかった。むしろ驕りを持っていたことに気付かされた。

  • 長田 幹夫/Cut Club Vision

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福島県いわき市へIターンをして、理容店のマネージャーとなった長田さん。都会で磨いた理容技術と持ち前のセンスで挑んだが、自分を見直すことに……。現在、増改築をして美容室としても展開している「Cut Club Vision」ですが、長田さんがIターンをしたことで感じた戸惑いや葛藤についてお話をいただきました。

福島県いわき市にIターンするきっかけとは?

――長田さんはどのような経緯で、福島県いわき市にIターンすることになったのでしょう。
「Cut Club Vision」現オーナーから一緒に経営をやらないかと誘ってくれたのがきっかけですね。この店はオーナーが故郷である福島県いわき市で独立・開業したものなんですよ。僕の妻はオーナーの義理の妹にあたるんですが、彼女もいわき市の出身です。声をかけてくれたのは、息子が生まれて1歳になる時で、都会でも子育てはできたでしょうけど、いわき市は自然も多いですし、妻の両親が近くにいて子どもたちも伸び伸びと暮らせるのは魅力的だなと思ったのも、Iターンを後押ししてくれるきっかけにはなりましたね。

都会と地方のギャップを埋めるためにしたこととは?

――Iターンする前は横浜で理容師として働いていたそうですが、いわき市に来てから戸惑うことなどありましたか?
「Cut Club Vision」は開業して20年です。僕が来たのは5年目の頃だったので、ここからさらに店を大きくするためにも、横浜で培った技術を生かし、売り上げも伸ばしたいと思っていたのですが、都会と地方のやり方は違うと痛感したんです。そのギャップを埋めるのにかなり苦労しましたね。

都会と地方のギャップを埋めるためにしたこととは?

――ギャップと言うと?
誤解を恐れずに正直に言うと、いわき市の若者は僕が想像していた以上に、トレンドに敏感だったということです。スタイリングのオーダーが細かくて、当時の僕は対応に苦慮したこともありました。オシャレに貪欲で東京や横浜の子たちより先を行っている子もいました。僕が来たのは2000年初頭です。今ほどネット社会でもなく、みんな雑誌のヘアカタログを読み込んでいるんです。当時の僕はどこか「都会から来たんだ」という驕りがあったんですね。スタイリングを通じて、そのことに気付かされました。彼らからのオーダーに応えるためにも、僕もトレンドをより意識するようになったんです。都会から地方を見る、上から目線という訳ではないんですが、そんな仕事に対する姿勢は、すぐに正すべきなんだと反省しました。

――暮らしの面で戸惑うことはありませんでしたか?
想像以上に住みやすいことにびっくりしましたね(笑)。僕の地元、山梨県富士吉田市よりも暖かい気候ですし、雪も降らない。海も近くて、すんなりと地域になじむことができました。仕事をする面で、慣れない土地での不安はやはりありましたが、今のオーナーとの信頼関係があったのは大きかったです。ただ、今でも覚えているのは、引っ越しで常磐道を車でいわき方面に向かっている時に、もう東京には戻ることはないんだろうな、という一抹の寂しさを感じました。

――僕は長男なので、Iターンをすることには正直言って葛藤があったし、家族会議もしました。今となっては、僕の両親が折れてくれたのかなと思っています。やはり「山梨に帰ってきて欲しい」という気持ちは当然あったのだと思います。ただ息子である自分には、「自由に決めて、好きなようにやって欲しい」と言ってくれた両親の優しさを感じました。高校を卒業して上京しましたが、その時以上に、いわき市に来ることの方が、僕にとっては一大決心でしたね。

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集客はインターネットで!車社会なら遠くてもお客様が来てくれる。

――「Cut Club Vision」の集客に関しては、現在どのように行っていますか?
これはもう圧倒的にネット頼りです。口コミサイトに店を掲載したり、ブログをやったりもしています。ほかにもツイッターやインスタといったSNSといったネットをフル活用して、お客様を呼び込むということを意識的に行っています。中高生や20、30代のお客様が多いのですが、いわき市は広いし、車社会なので遠くからも来てくれますね。彼らはネットで探したヘアスタイルを参考にしているんですよ。僕らがブログで紹介したヘアスタイルや自分で探したスタイルを見てオーダーしてくれるんですが、自分がやりたいスタイリング情報は積極的に持って来て欲しいですね。

集客はインターネットで!車社会なら遠くてもお客様が来てくれる。

――ご自分の経験を踏まえて、Iターンを考えている方へのアドバイスをお願いします。
気持ちの柔軟性を持つこと、それとIターンをした当初はアウェイでの環境だからこそ、自分のことをさらけ出すことが大事だと思います。こちらが心を開けば、相手の方もおのずとそうしてくれる。その土地になじんでいこうとする気持ちが必要だと思います。

――Iターン後、お店を任されていますが、どんな時に喜びを感じますか?
若い頃は同級生や先輩と一緒になって遊んだり、勉強したりすることが多かったですが、今は年齢の離れた若い子と一緒にいることが大半ですし、その子たちの成長が僕にとっての喜びになりました。マネージャーとして仕事を教えることがほとんどですが、理容師は技術職ですので、彼らの成長に負けないように、自分も日本一の富士山のもとで育った魂を忘れず、頑張る気持ちを持つ続けることが大事だなと思っています。この店から巣立ち、独立したスタッフもいます。これからは彼らとも良きライバルとしてやっていきたいですね。

長田 幹夫

長田 幹夫

理容・美容どちらにも対応する「Cut Club Vision」マネージャー。1971年生まれ。山梨県富士吉田市出身。情報処理系の専門学校卒業、脱サラをして理容の世界へ。横浜で理容師として働いていたが「Cut Club Vision」の経営に参画するため、Iターンをして福島県いわき市へ移住。

Cut Club Vision

Cut Club Visionhttp://iwaki-vision.com/about-cutclubvision/
福島県いわき市内郷綴町金谷7-1

男性のスタイリング技術は、いわき市内だけでなく近隣地域からも予約が来るほどの評判の店。カット・パーマ・カラーなど、お客様のご要望に合わせた上で施術をプロデュース。トッピングメニューも人気です。リーズナブルな料金設定も、長く常連客を逃がさない秘訣です。

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