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行列ができている飲食店があると、気になりますよね…
「流行っている」「きっとおいしいに違いない」と次々に連想し、「よくわからないけど、とりあえず並んじゃおう」なんて、思わず列に加わる人もいます。
それは、食べログなどのサイトの点数評価と同じで、行列の長さの分、お客さまのなかで「この店は外さない」という安心感が高くなり、購買意欲を掻き立てられるからなんですが、飲食店側として行列を作ることをコントロールできるのでしょうか?行列は「できる」のではなく「作る」もの
飲食店である以上、人気店となるには提供する食事がおいしいことが大前提ですが、おいしいのに潰れてしまうお店があることも事実。
行列ができるお店にするにはちょっとしたコツがあります。
つまり、経営戦略が行列を作るカギなのです。売れるメニューを作る
お店のメニューは、行列に並んでまで「食べたい」と思わせるような、お店のコンセプトに合った、個性のあるものになっていますか?
ターゲットやエリアの特徴も考慮し、「あそこの店ならこれ」という、名刺代わりとなるような料理を前面に出しましょう。
お店の一押しにオーダーが集中しやすいようなメニューの並びにしたり、「ランチタイム10皿限定」、「毎日10時と3時に焼きたてのものが店頭に並ぶ」など、意図的に入手できる条件を絞って”飢餓感”を煽ったりするのも手です。
また、ネーミングやキャッチコピーも重要。
一見さんにもわかるように、「松坂牛使用」、「今朝採れたての京野菜」、「ニューヨークから初上陸」といったブランド・イメージ、「コリコリ」、「じゅわっと」などの五感をくすぐる言葉を散りばめる工夫をしてみてください。
また、「お客さまの目の前で仕上げる」、「自分で組み合わせが選べる」などの演出、インスタ映えがする色や盛り付けもインパクトがあります。
食べた後に「誰かに教えたい」と思ったときも、そうしたキーワードがあれば簡単。
口コミ効果も期待できます。座席数を見直す
席が十分にある大型店には、物理的に行列ができにくいです。
逆に言えば、席数の少ないお店なら行列ができやすいということ。
例えば、売上を少しでも上げるために、無理やり席を多く作っているという状況なら、席数を減らすなどといった見直しも大事。
行列を作らざるをえない状況にするのも立派な戦略です。
もちろん、席を減らしすぎてしまっては集客が限定され、必要な売上が得られませんので、食事を提供するまでの時間やお客さまが食べ終えるまでの時間、そして、行列に並んでも待っていられる時間を想定して必要な数を割り出しましょう。
また、お店の業態によっても行列に向き不向きがあるでしょう。
例えば、フランス料理店など、お店の滞在時間が長くなる業態では、席を減らしてしまうと、逆に不利益を被るかもしれませんので注意しましょう。メディアの露出を利用する
行列ができる前にも、ニューオープンや話題の店として、雑誌やテレビなどに取り上げられることがあるでしょう。
露出の効果で一時的にお客さまの数が増えることが想定されますが、そこでどのようにお店を切り盛りするがが勝負のポイント。
スタッフが慌てていたり、ピリピリとした空気が伝わったりしてお客さまが不快な思いをするのは避けたいところ。
事前に対策を考え、スタッフ間の打ち合わせをしっかりと行っておきましょう。
メディアの情報につられてやって来たお客さまに満足してもらい、リピーターとなっていただくことが大切です。サクラは集客効果あり?なし?
人に頼んで意図的に並んでもらう”サクラ”。
「行列ができているな」と思わせるためには、これも戦略としては効果的です。
でも、きちんと考えて人を雇わないと、必要以上にサクラが並んでお客さまが待てずに帰ってしまったといった失敗が起きてしまいます。
また、サクラを雇って効果があるのは、ある程度の期間だけ。
満足が得られなければ本当のお客さまはつきません。
サクラは最初の”呼び水”程度と考えておきましょう。行列に並んだ人を取りこぼさないための方法とは?
行列ができるほど集客が見込めるようになってきたら、次に考えたいのは行列から”脱落”していくお客さまを減らすこと。
特にビジネス街のランチタイムをターゲットにしているお店は、お客さまの時間も非常に限られているので要注意です。
お店が適切な対応をしていることがわかれば、お客さまのイライラも減り、待つこと自体がイベントとなって、行列に並ぶのも苦にならなくなります。先にオーダーを聞く
まず、行列ができたら、その待ち時間を利用してオーダーを先に取ってしまいましょう。
今日のおススメや、日替わりメニューの説明をしながらメニューを渡します。
お客さまも手持ち無沙汰にならずに済みますし、ゆっくりと考える時間ができてメニューを選ぶ楽しみが感じられます。
オーダーをしてしまえば、その後、ほかのお店へ移ろうという気持ちもなくなります。
ビジネス街では、この間にお会計まで済ませるという、スーパー時短システムを導入しているお店も。
厨房も早めに調理を始められるため、お客さまが席に着いたらすぐに食事がでてくるという、好循環が生まれます。メニュー数を増やさない
接客方法はもちろんですが、調理の効率が悪ければ食事を提供するまでの時間がかかり、お客さまの満足度も低下してしまいます。
そこで考えたいのがメニューの数。
あまりに多いと、仕込みにも時間がかかりますし、事前にオーダーを取っても厨房がなかなか追いつけません。
数を絞れば店側としても仕入れの無駄がなくなりますし、スタッフが回数をこなすことで調理やサービングに慣れるという利点も。
行列に対してより効率の高い対応が可能になります。セルフサービスなどで回転率を上げる
お客さまの回転率を上げることが飲食店の経営で重要なカギ。
効率化が命の行列ができるお店は、この点が徹底しています。
回転率を上げるために、わざと座りにくい椅子にしたり、小さなテーブルにしたりしているお店もあります。
お客さまに不快な思いをさせない方法としておすすめしたいのは、一部にセルフサービスを導入すること。
テーブルやカウンターに主菜や副菜を数種類並べておいて、好きなように取ってもらうのです。
この間、店側はメインディッシュに集中していればよいので、調理時間も短くて済み、少人数でもお店を切り盛りできます。
お客さまも好みにあったおかずが選べ、ちょっとお替りすることもできるので、手間ではなく、むしろうれしいサービスと感じてもらえます。お店の中で待たせない。入店したら対応はスムースに
席は空いているのに片付けが追い付いていない、無意味に長居をしている客がいる……せっかく頑張って並んだのに、入店してからこんな光景が目に入ったらどうでしょう。
お客さまの不快感は倍増し、食べる前に評価はガタ落ちしてしまいます。
スタッフの数や動きを再確認し、食事が終わったお客さまをさりげなく会計へ誘導するといった、回転率を上げるためのテクニックも打ち合わせておきましょう。
行列に並んでいるお客さまには、あとどの程度で案内できそうか、店内の様子も併せて事前に伝えておくと、印象がぐっと変わります。行列を絶やさないために必要なものとは?
行列を作るためのノウハウをお伝えしてきましたが、大切なのは、お店として顧客満足度を上げるために、やるべきことをきちんとやり続けることです。
勝負はむしろ、行列ができてからといっても過言ではありません。
通常なら「まあまあ、普通の店」で済まされるところ、並んだ分の価値を得られないと、お客さまは必要以上に「損をした」という感情に襲われます。
こうしたネガティブな情報がSNSで拡散されてしまっては、お店の死活問題にもなりかねません。
行列に見合う実力があることで、長くお客さまに愛されるお店になると心得ておきましょう。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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